2101年01月01日

『ほのおのはるおくん』

ほのおのはるおくん.jpg

『ほのおのはるおくん』

ふわにぼん(文…ドッチツカズオ/絵…ザリ・ガニ子)作。

幻冬舎ルネッサンス刊。

定価1080円(本体1000円+税)。
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2017年03月19日

『一握の砂・悲しき玩具』

石川啄木著。
金田一京助編。
新潮文庫。

金田一京助の「解説」も、
山本健吉の「啄木と歌」も、
興味深い。

石川啄木は賛否が極端に分かれる歌人だが、
ある時期から私は大好きになった。
ロジャー・パルパース氏の本がきっかけかも。

石川の歌を『絶望名人カフカの人生論』経由で読むと、
「アリストテレスの同質効果」の感じられる歌が、
少なくないことに気づいた。
今更か。
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2017年03月14日

『絶望名人カフカの人生論』

頭木弘樹編訳。
新潮文庫。

「ピュタゴラスの逆療法」と、
「アリストテレスの同質効果」。
カフカは後者と著者は言う。
「気持ちによりそってくれる言葉」。
そうだなあと思った。
でもきっとカフカには、
そんな意図はなかったろうな。

 あまりにも絶望的で、
 かえって笑えてくる

たぶんこちらが本質。
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『少年西遊記 全3巻』

杉浦茂著。
河出文庫。

荒唐無稽とは、
こういうことを言うのだ、
という見本(もちろん褒め言葉)。
自由になれる。
言葉による破壊力もすごい。
自動筆記のような、
インプロヴィゼーションのような、
力のあるご都合主義。
ひと回りして笑うような、
あっけらかんとした変な笑い。
新作民話であり新作神話である。
論理的なんだか、
非論理的なんだかわからない、
過剰なテンポの速さ。
むちゃくちゃなんだけれど、
そうとも言い切れない、
ある種のシュルレアリスム。
平然とした理不尽。
過度(過激)でもある。
堂々たる駄洒落も。
けれどあくまで淡々としている。

この作品は叙事詩である。
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『明日を切り拓く手塚治虫の言葉201』

手塚治虫著。
ぴあ。

編者はどなたなんだろう。
「エロ」への言及もある。
私は好き。
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『吉祥寺キャットウォーク 全3巻』

いしかわじゅん著。
エンターブレイン。

組長の顔などや全体的にも、
業田良家『自虐の詩』っぽいのが、
私には素敵に思われる。
説明しすぎないところも、
オープンエンディングも。
説明しすぎないことによって、
複雑な心理(感覚)を描写している。
辻褄が合わないように、
一瞬思われるところもあったが、
逆にそれが人柄に起因するものと、
考えられることに気づき、
勝手に感心してしまった。
承認欲求の希薄さと児戯と。
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2017年03月11日

『やっぱり猫が好き』

もたいまさこ/室井滋/小林聡美著。
幻冬舎。

三谷幸喜氏脚本の八作品が、
収録されている。
巧みさに感心。
本番での役者さんのアドリブ等も含めて、
再構成されているらしい。
詩的なほんの一例を挙げれば、
「長生き」と「長続き」の言い間違いは、
元の脚本にもあったのだろうか。
posted by ドッチツカズオ at 23:42| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『大魔神』

筒井康隆著。
徳間書店。

この本のデザイン(および存在)自体に、
まず吹き出す。
あるいはそれこそが筒井氏の狙いか。
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2017年03月08日

『漢詩百首 日本語を豊かに』

高橋睦郎著。
中公新書。

読み下された漢詩(漢文)には、
著者による現代語訳が施されているが、
この訳詩(訳文)がまたいい。
振り仮名や分かち書きや括弧の使い方が、
非常にリリカル。
しかも役に立つ。
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『対訳ディキンソン詩集』

エミリ・ディキンソン著。
亀井俊介編。
岩波文庫。

たとえば「on a Disc of Snow」が、
「雪の地平に」と訳されている。
原文と解説(訳注)が必要な所以。
その楽しさ。
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『はじめてのギリシア神話』

尾高薫/文。
堀川理万子/絵。
徳間書店。

『キン肉マン』が、
ギリシア神話に近い、
荒唐無稽さを持っているのは、
いろいろな意味ですごいこと。
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2017年03月05日

『祝詞用語用例辞典』

加藤隆久/土肥誠/本澤雅史編著。
戎光祥出版。

おやつのように、
古語や万葉仮名に触れられる。
説明が歴史的仮名遣いであるのもいい。
神職の方々のための本らしいが、
私なんかが読んでも、
博物館を見学するような、
楽しさが感ぜられる。
巻末には代表的な枕詞が、
付録のようにまとめられていて、
独特の詩情を簡易的に味わえる。
呪文としての言葉の美しさ。
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2017年02月27日

『古句を観る』

柴田宵曲著。
ワイド版岩波文庫。

マエストロ(コンダクター)、
という言葉が思い浮ぶ。
宵曲の解釈がいちいち面白く、
辻褄も合っているように感ぜられる。
情理兼ね備わる解釈。
選句もまた。
解釈の中で、
批判的な意味で挙げられている句も、
また面白い。
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『ヴィヴァルディ 四季』

イル・ジャルディーノ・アルモニコ。
1993年9月ルガーノ。
ワーナーミュージック・ジャパン。

ヴィヴァルディも、
「先鋭」「過激」であったに違いない、
と素人ながらに思われる。
イル・ジャルディーノ・アルモニコの、
「先鋭」さと「過激」さとは素人でもわかる。
鮮烈で心地よい。
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『はだしのゲン 中公愛蔵版 全3巻』

中沢啓治著。
中央公論新社。

通読したのは初めて。
最後にある呉智英氏の論文が、
短いけれど出色の出来栄えだと思った。

 『はだしのゲン』の中には、
 しばしば政治的な言葉が、
 しかも稚拙な政治的言葉が出てくる。
 これを作者の訴えと
 単純に解釈してはならない。
 そのように読めば、
 『はだしのゲン』は稚拙な政治的マンガだ
 ということになってしまう。
 そうではなく、
 この作品は不条理な運命に抗う
 民衆の記録なのだ。
 稚拙な政治的言葉しか持ち得なくても、
 それでも巨大な災厄に
 立ち向かおうとする人々の記録なのだ。

というくだりを読んで、
『はだしのゲン』に抱いていた、
もやもやが晴れた気がする。
「政治的(な)言葉」は、
「事実認識」という言葉に、
換言できるかもしれない。
それらはあくまで「民衆」の記録。

さらに呉智英氏は『はだしのゲン』には、
「反戦反核を訴えた良いマンガ」
「反戦反核を訴えた悪いマンガ」
以外にも「読み方」があることを主張する。

呉智英氏の論文に賛成。
posted by ドッチツカズオ at 21:49| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月21日

『ブラック・ジャック 全25巻』

手塚治虫著。
秋田書店(チャンピオンコミックス)。

例えば、
第18巻「身代わり」の、

 患者のことなんかどうでもいい
 わしの計画をくるわせるな!!

 どうでもいいとは何だ

や、

 おじちゃん悪魔なのに
 どうしてママを助けてくれたの?

などの台詞ように、
さらりと核心を突く。
シンプルなのに効果的。

古い版なので、
今では読めなくなった話も、
収録されている。
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『折れる力』

吉田照幸著。
SB新書。

副題、

 流されてうまくいく
 仕事の流儀

映画『酔拳』における、
「酔拳」の奥義のよう。

 柔と剛
 虚と実を駆使し
 敗北の中に
 勝利を求める

というやつ。
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『野草』

魯迅著。
竹内好訳。
岩波書店。

ボードレール『パリの憂愁』、
与謝蕪村「春風馬堤曲」、
安部公房『箱男』などを連想したが、
それらと比べると、
「意味」が強い気がする。
もっと言えば「倫理」が。

 絶望は虚妄だ、
 希望がそうであるように。

有名な部分だが、
なるほどと思う。
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『DEJAVU〜いつかどこかで〜』

松本俊明。
ユニバーサルミュージック。

「変奏」は好き。
あらゆる芸術ジャンルでの。
創造の源という気がする。
次の音の感覚的な予想が、
当たっても外れても楽しい。
posted by ドッチツカズオ at 21:28| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月08日

『生きる』

黒澤明監督。
東宝。

「Happy Birthday to You」の、
歌およびBGMによる場面に、
ぐっと来ないなら、
どんな映画を観てもそうに違いない、
と言いたくなる。

映画で人生が変わったと言うと、
軽薄に感ぜられるかもしれないが、
あらゆる状況で「Happy〜」を聴くたびに、
蘇生したい気分になり、
おそらく私の人生も、
変えられているようである。

ひたすら「空気」が読めない、
主人公の兄も味わい深い。

若い女性が葬儀に来ないのも、
いろいろ慮られる。

手塚治虫と同様の意味で、
群像劇とはこういうものを言うか、
と思われたものだった。

温泉のように、
何度観ても飽きない、
私にとっては不思議な映画。
posted by ドッチツカズオ at 16:52| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月03日

『詩めくり』

谷川俊太郎著。
マドラ出版。

この種のバカバカしさ(これは褒め言葉)を、
おそらくはさらりと創り出せる、
谷川氏のセンスに敬服してしまう。
これらの詩に触発されて、
自分の発想の自由性が、
高まっていくような感じがする。
錯覚でもよい。
posted by ドッチツカズオ at 21:32| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『レイン・ドッグ』

トム・ウェイツ。
ユニバーサルミュージック。

次から次へと、
素晴らしい、
サウンドとリズムと歌が。
名曲ぞろい。
いつ聴いても鮮烈。
どこを切っても、
生理的な快感がある。

ディランについてもそうだが、
どの曲も基本的にメロディアス。

音楽的な遊び(?)の要素も多い気がする。

このアルバムを聴きながら、
谷川俊太郎『詩めくり』を読んでいる。
なんという幸せ。
posted by ドッチツカズオ at 19:54| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月30日

『オール・シングス・マスト・パス』

ジョージ・ハリスン。
EMIミュージックジャパン。

CDでは、
1993年の盤、
2001年の盤、
2014年の盤が出ている。
全て持っているが、
私は2001年の盤が好き。
こういうヴァージョンがあっていい。
(ジョージのふてぶてしさも含めて。)
posted by ドッチツカズオ at 22:11| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ボブ・ディラン語録』

ジョー横溝編著。
セブン&アイ出版。

『セルフ・ポートレート』制作時の思いを語った、

 思いつくものは
 なんでも壁に投げつけ、
 壁にくっついたものは
 すべて発表する。
 壁にくっつかなかったものをかき集め、
 それもすべて発表する。

という言葉が採られている。
実はちょっと唸った。
ディランが同じような内容を語った言葉は、
いくつか見聞きしたことがあったが、
上の言葉が最もすっきりしている気がする。
posted by ドッチツカズオ at 21:42| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『犬神歩き 箱』

寺山修司作。
キングレコード。

ラジオによる叙事詩「犬神歩き」。
どうしてこのラジオドラマに、
かように惹かれるのか考えていると、
ふとカフカの短編「流刑地にて」と、
似たような種類の笑いがあるから、
という気がした。
デフォルメはしてあるけれど、
誰しもが持っている不安と、
不吉な美と笑いとのごった煮で、
複雑な味わいになっているのだと思った。
posted by ドッチツカズオ at 21:22| 音声 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月23日

『世にも奇妙な人体実験の歴史』

トレヴァー・ノートン著。
赤根洋子訳。
文春文庫。

文庫版も購入。
「第1章」の初っ端、

 十八世紀において医者とは、
 医薬に精通した教養ある内科医か、
 あるいはノコギリを使って
 実際に手を下す外科医かのどちらかだった。

を読んでこの「くだらなさ」が伝わるか否かで、
各のこの本に対する評価が変わる気がする。
posted by ドッチツカズオ at 15:48| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『猫町』

萩原朔太郎原作。
浦浜昌二郎監督。
町田康朗読。
金井田英津子版画。
海田庄吾音楽。
ビデオメーカー。

素敵な映像作品。
丁寧なのか乱暴なのかわからない文章に、
生々しい幻想を引き起こされる。
緻密さといい加減さ。
最後の段落の文章にはいつも胸を打たれ、
涙っぽい気分になる。

 あらゆる多くの人々の、
 あらゆる嘲笑の前に立つて、
 私は今も尚固く心に信じて居る。
 あの裏日本の伝説が口碑してゐる特殊な部落。
 猫の精霊ばかりの住んでる町が、
 確かに宇宙の或る何所かに、
 必ず実在して居るにちがひないといふことを。

清岡卓行『萩原朔太郎『猫町』私論』から孫引き。
何をか恐れんである。
posted by ドッチツカズオ at 11:47| 映像 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『爆弾こわい』

在日ファンク。
スミス監督。
ポニーキャニオン。

これが「詩」でないと言うなら、
T・S・エリオット『荒地』もまた、
「詩」ではない。

無論イデオロギカルに感じるが、
もっと広い意味のメタファーとしても、
なんだか楽しい。
(心当たりがあるというか何というか。)
この軽みは俳諧を思わせる。

 真にオリジナルな
 ジャパニーズ・ミュージック

アルバム『爆弾こわい』の帯の惹句から。
なるほどと思った。
過度なサウンドと、
言語への過度な執着。
もちろん映像も過度。
posted by ドッチツカズオ at 11:30| 映像 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ヴォリューム・ワン』

トラヴェリング・ウィルベリーズ。
ワーナー。

バンドじゃないもん!経由で聴いてみて、
このアルバムがアイドル的な作品だと気づいた。
病的な朗らかさは魅力の一つ。
このアルバムは30年近く聴き続けているので、
今更だろうか。
posted by ドッチツカズオ at 10:52| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月19日

『唐詩選』

石川忠久校註。
東方書店。

唐詩は正字(旧漢字)に限る。
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『トップ・パーカッション』

ティト・プエンテ。
BMGファンハウス。

この生理的な快感たるや。
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2017年01月18日

『百人一首ノート』

今日マチ子著。
KADOKAWA。

いわゆる「ヘビロテ」中である。
感傷的で素晴らしい本だが、
著者はニヒリストのような気もする。
何冊も百人一首の本を読んできたけれど、
この本はとくに気づかされることが多かった。
台詞のない漫画がそれぞれの歌に対して、
こういう読み方もできるんだよ、
と論じているように思われた。
和歌の技巧として。
「秋の田の」の丸谷才一による解釈のように。
そういう意味では情理兼ね備わる名論。

モダニズム?
ポストモダニズム?

 「思想は一つの意匠であるか」
 佛は月影を踏み行きながら
 かれのやさしい心にたづねた。

萩原朔太郎「思想は一つの意匠であるか」から。
posted by ドッチツカズオ at 21:59| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『みんな!エスパーだよ!』

園子温監督。
東宝。

池田エライザさんのための映画では。

私は池田エライザさんのファンである。
「ぼくのりりっくのぼうよみ」や、
「フィフス・ハーモニー」のMVもよい。
(後者は賛否が分かれるらしいが。)
可憐さに魅了されている。
posted by ドッチツカズオ at 21:37| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『猫町』

萩原朔太郎著。
金井田英津子絵。
パロル舎。

スウィフトの晩年のような事態に陥っても、
「猫町」に入り込んだということなら、
次元の違う不思議な「安堵」があるに違いない。
そう考えると「かわいそう」ではなくなる。
(あえて自分に置き換えて思えば。)
朔太郎の書くものはどこか「あらけずり」だが、
その「世界」に引きずり込む手腕(技術)は見事。
(言わずもがなか。)
魔睡。
posted by ドッチツカズオ at 14:53| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『マーズ・アタック!』

ティム・バートン監督。
ワーナー・ホーム・ビデオ。

バートン映画の真骨頂だと思う。
変な奴や弱者への「優しい」目は心を打つ。
バートンが比較的「普通」に映画を作っても上手い、
ということは『エド・ウッド』でわかったが、
「普通」でないものはもちろん素晴らしい。
posted by ドッチツカズオ at 14:29| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『夷齋風雅』

石川淳著。
集英社。

 (荘子)天道篇に、
 意ノ随フトコロノモノハ
 言ヲ以テ伝フベカラズといふ。
 夢の中の胡蝶のやうに、
 道は雲間にひらひらして捕へがたい。
 荘周は夢を説いてはだますやつ
 意は言にケジメをくはせる。
 このあたりから、
 荘子は禅じみて来て、
 不立文字にかたむく。

「忘言」から(原文の漢字は全て正字)。
言葉の「バブル」「飽和」「カオス」を、
そっとトータライズするには、
「不立文字」しかない気がする。
ただし「ことばの世界」の、
休憩所に過ぎないだろうな。
posted by ドッチツカズオ at 14:16| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月15日

『ペット・サウンズ』

ビーチ・ボーイズ。
東芝EMI。

冒頭のドラムの一発目から、
祝祭(カーニバル)の様相。
幻想に次ぐ幻想。
「アナログ」であることのすごみ。
生理的な快感。



『原始仏教』
『日本教の社会学』
『2割に集中して結果を出す習慣』

『パンプルムース!』
『百人一首ノート』
『はじめてのギリシア神話』

『わざとじゃないモン』
『「愛情の器」モデルに基づく愛着修復プログラム』
『信頼でつながる保護者対応』

『萩原朔太郎『猫町』私論』
『世にも奇妙な人体実験の歴史』
『いつか、ずっと昔』

精神。
社会。
対機説法。

詩情。
感傷。
悪漢。

明るさ。
考えるヒント。
基盤。

概論。
ジョーク。
イマジネーション。
posted by ドッチツカズオ at 20:32| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『てにをは連想表現辞典』

小内一編。
三省堂。

言葉好きには、
拾い読みをしているだけで、
ワクワクする本。
posted by ドッチツカズオ at 15:05| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『てにをは辞典』

小内一編。
三省堂。

言葉好きには、
拾い読みをしているだけで、
ワクワクする本。
posted by ドッチツカズオ at 15:01| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『萩原朔太郎『猫町』私論』

清岡卓行著。
筑摩書房(筑摩叢書)。

縦横無尽に論じていて、
楽しそうで羨ましい。
萩原朔太郎のダイジェストとしても、
成立している気がする。
私も萩原朔太郎を偏愛している。
posted by ドッチツカズオ at 14:16| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『パンプルムース!』

江國香織/文。
いわさきちひろ/絵。
講談社。

「文」というのは謙遜か照れか。
それとも「詩」という意識が、
本当にないだけかしら。
どちらでもよいといえば、
どちらでもよい。
私は小説家の書く詩については、
あまりいい読者ではないが、
江國香織氏は別格という気がする。
名人藝。

絵がどこかエロティックに見える。
posted by ドッチツカズオ at 13:36| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『承認欲求』

太田肇著。
東洋経済新報社。

ボブ・ディランの言葉に、

I think it's wrong for a person
to talk about themselives.
I think a person's life speaks for itself.
If you've done good things
then people will spread the news.

というのがあるが(『ボブ・ディラン大百科』から孫引き)、
「承認欲求」は原始仏教の「渇愛」の中でも、
かなり厄介な方に属するような気がする。
副作用が大きいだけ効き目も大きいということか。
posted by ドッチツカズオ at 00:18| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月14日

『死者の書 上下』

近藤ようこ著。
折口信夫原作。
KADOKAWA。

折口信夫『死者の書』の漫画化で、
古代人の「意識」「感覚」という意味での、
「思い」が体験できる本と言っていいと思う。
(原作者が折口信夫であるがゆえに。)
もちろん原作も読んだことがあるが、
耳に残る妖しい言葉遣い(オノマトペを含む)が、
漫画の中でもフィーチャーされていて、
呪文のような畏ろしさがある。
(原作は妖しい言葉の宝庫。)

漫画版もどこか淡々としていて、
美しく清々しい。
posted by ドッチツカズオ at 21:18| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月11日

『はじめてのギリシア神話』

尾高薫/文。
堀川理万子/絵。
徳間書店。

再読。
この混沌は何かと考えていて、
ふと映画『アウトレイジ』を思い出した。
たしか映画の惹句に「全員悪人」とあった。
この本に登場する神々もまた、
「全員悪人」であることに気づいた。
醸し出される過度さによる笑いは、
それに由来するように思った。

ホムンクルス人形のような、
シュルレアリスム。
posted by ドッチツカズオ at 23:08| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月10日

『召使心得 他四篇』

ジョナサン・スウィフト著。
原田範行編訳。
平凡社ライブラリー。

副題「スウィフト諷刺論集」。
スウィフトは、
埴谷雄高の言うところの、
「悪人」だろう。
posted by ドッチツカズオ at 17:34| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『席亭立川談志のゆめの寄席』

立川談志監修。
竹書房。

「三平さんの思いで」を自選している。
そのあたりは照れか三味線か。
でも「三平さんの思いで」は、
どこを切っても立川談志で、
「立川談志ダイジェスト」のよう。
posted by ドッチツカズオ at 00:40| 音声 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月09日

『ミステリー・ガール』

ロイ・オービソン。
ヴァージン・ジャパン。


尾崎紀世彦「また逢う日まで」を聴いて、
ロイ・オービソンを思い出し、
このアルバムを久しぶりに聴いてみた。
唱法が日本的な気がする。
「日本的」の定義は難しいけれど。
posted by ドッチツカズオ at 15:13| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『子どもの「お馬鹿行動」研究序説』

加用文男著。
かもがわ出版。

タイトルに惹かれて購入。
「シュルレアリズム」を、
「お馬鹿行動」と意訳しても、
いい気がしてきた。
強度の現実が表現されている。
posted by ドッチツカズオ at 01:37| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『最古の文字なのか?』

ジェネビーブ・ボン・ペッツィンガー著。
櫻井祐子訳。
文藝春秋。

副題は、

 氷河期の洞窟に残された
 32の記号の謎を解く

著者の肩書きは、

 カナダ・ビクトリア大学
 人類学博士課程在学中の研究者

そもそも人間とは、
という問いに答えるための、
視点の一つのように感じた。
白石正久『発達の扉 上下』のような本が、
謎を解く鍵のような気もした。
ペッツィンガー氏が、
いろいろな方向から、
アプローチしていて楽しい。

そういえばレヴィ=ストロースは、
「未開民族」という言葉を、
「不当な呼び方」として、
「無文字民族」という言葉を、
使っていたっけ。

わからないということの豊かさ。
posted by ドッチツカズオ at 00:45| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年01月08日

『自由であるということ 旧約聖書を読む』

エーリッヒ・フロム著。
飯坂良明訳。
河出書房新社。

原題は「You shall be as gods」、

 汝ら神のごとくなるべし

である(「訳者あとがき」)。

私は聖書に頗る疎い。
だからこの本の内容を、
検証はできないけれど、
面白いということでは、
この手の本の中で、
群を抜いている気がする。
「旧約聖書」という枠組みのおかげで、
私の気が散らなかったせいもあるか。

 僕たちは何であれ、
 様々な制約の下で活動しています。
 そして制約が全て悪い方に働くのではなく、
 『丁度いい制約』というものがあり、
 その制約があるからこそ、
 人間の持っている知性という翼を
 自由にはばたかせる喜びもある。

佐藤雅彦『毎日新聞』から。
フロムも例外ではないのかも。
posted by ドッチツカズオ at 23:59| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『YAKIMOCHI』

バンドじゃないもん!
大久保拓朗監督。
ポニーキャニオン。

浜野謙太作詞作曲。
MVがCD発売に先駆けて、
公開となっているらしい。
CD(とブルーレイ)は予約した。

奇跡的な映像と歌とサウンド。
それぞれの声質の違いが美しい。
ザ・バンド。
トラヴェリング・ウィルベリーズ。
詩も素晴らしい出来栄え。
それらが有機的に結びつく。

『YAKIMOCHI』と、
CDが同日に発売予定らしい、
『YATTA!』のMVも、
オマージュが感じられ素敵。
「9時間睡眠」が「繰り返す日々」、
あるいは「繰り返す意味」に聴こえ、
勝手に言葉の意味の重層性を感じた。

『バンもん!殺人誘拐事件』なる動画を観た。
なかなかの虚構(虚像)性だが、
そこから少しはみ出る部分も感じられ、
ちょっとした人間賛歌に思われた。
繊細な笑い。
「爆弾こわい」「やったやった」などは、
ジョイス『ユリシーズ』。

作曲家の武満徹の言葉に、

 オーケストラに対して、
 日本の伝統楽器を
 いかにも自然にブレンドする
 というようなことが、
 作曲家のメチエであってはならない。
 むしろ、琵琶と尺八がさししめす
 異質の音の領土を、
 オーケストラに対置することで
 際立たせるべきなのである。

というのがある。
(「ノヴェンバー・ステップス」の説明。)
異質なものを際立たせることが調和である、
ということを言っているのだと感じたものだった。
人間(じんかん)にも言える気がする。
多少調べると「バンドじゃないもん!」も、
異質なもの(各メンバー)を際立たせることで、
調和しているように思った。
一つのモデルかもしれないと考えてしまった。
何かしらの「ヒント」として。

様々な虚構性(演技)を判断し出すと、
切りがなくナンセンスである。
posted by ドッチツカズオ at 23:41| 映像 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『池田満寿夫「日付のある自画像」』

池田満寿夫著。
日本図書センター。

母への書簡集。
天性の文才を感じる。
posted by ドッチツカズオ at 22:40| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『わざとじゃないモン』

NPO法人発達障害を考える会/
TRYアングル編。
斗希典裟著。
合同出版。

タイトルを全て書くと、

 実録4コママンガ
 そうだったのか!発達障害
 わざとじゃないモン

読みやすく体感できるように思った。
4コマ漫画も面白い上に役に立つ。
posted by ドッチツカズオ at 22:32| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『信頼でつながる保護者対応』

飯塚峻/有村久春編集。
図書文化。

「過保護である」の項目に、
まず「保護者をねぎらう」とあるのを、
立ち読みで見つけ、
信頼できる気がして購入。
読んで信頼を裏切られず。
posted by ドッチツカズオ at 22:21| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『「愛情の器」モデルに基づく愛着修復プログラム』

米澤好史著。
福村出版。

事例が多く興味深い。
使える状態。
posted by ドッチツカズオ at 22:13| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『Dr.スランプ 全18巻』

鳥山明著。
集英社(ジャンプ・コミックス)。

久しぶりに全巻読み込んで、
私の情緒がこの漫画に、
多大な影響を受けていた、
ということに気づいた。
可愛さや愛しさや健気さの基準、
あるいは倫理の基準として。

ペンギン村では「変な奴」も「弱者」も、
許(赦)されている(救済されている)。
そういえば自分も許(赦)されているなあ、
と思いを馳せてみると、
妙にありがたい気分になる。

オープンエンディング。
小説(物語)は未完のような形でもよい、
というのは盲点だった。
スターン『トリストラム・シャンディ』。

ルノワールの言うような、
嘘(虚構)による救済。

「真珠の耳飾りの少女」や、
「モナ・リザ」は、
眉毛がないことによって、
普遍性を帯びている気がするが、
とどのつまり、
かつて流行した眉毛の形に対する違和感は、
思い込み(先入観)に過ぎない。
違和感にはエネルギーがある。

文明(文化)論。
posted by ドッチツカズオ at 22:01| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『発達の扉 上下』

白石正久著。
かもがわ出版。

氏のご講演を拝聴した。
この本と重複するところがあって、
かえってありがたく感じた。
坂井泉水の詩に、

 揺れる想い体じゅう感じて

というのがあるけれども、
まさにそういうこと。
あらゆる場面で矛盾に揺れる心。
「失敗は成功のもと」の理論的証明。
(安全を脅かす失敗は含めるべきでない。)
機に応じて揺れる(揺らされる)ことで成長する。
もちろん子どもばかりではない。

「受け入れる」表情や対応の有用性。
posted by ドッチツカズオ at 16:32| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月30日

『口語訳聖書』

日本聖書協会。
旧約(1955年改訳)。
新訳(1954年改訳)。
中型。

『文語訳』と『新共同訳』も持っているが、
最初から通して読んだことがない。
(さらにいくつかの翻訳が出ている。)
比較的評判のよい『口語訳』を新たに購入して、
最初から通して読もうと思い立ったところ。
(書店で軽く数冊を読み比べて。)
早速「創世記」から読み始めた。
こんなに面白かったっけ聖書って。
私は「非有神論者」か。
posted by ドッチツカズオ at 02:29| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ヴェルディ レクイエム』

トスカニーニ指揮。
1951年1月27日録音。
ソニー・ミュージックエンターテインメント。

「過度」という言葉から、
この曲を連想。
トスカニーニ指揮のが愛聴盤。

シュルレアリスム?

posted by ドッチツカズオ at 01:54| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『現代詩手帖特集版 石垣りん』

思潮社。

付属の「自作朗読CD」を久しぶりに聴く。
詩に言葉を「手品」のように使う方だと思った。
(あくまで技術として。)
「魔術(マジック)」という言葉は、
石垣りんにどうも合わない気がする。

原爆の詩での数の抽象化(あるいは非論理化)や、
お弁当の詩での擬人法(文法無視)など、
「手品」としか言いようがない。
落語「そば清」の結末のようなレトリック。
イロジカリティの魅力。
それに「ヒューマニズム」が絡み、
気持ちが揺さぶられる。

言葉と言葉の「つきすぎ」ないラインが絶妙。
posted by ドッチツカズオ at 01:32| 音声 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『マグマスパゲティ/マグマ串かつ』

なかやまきんに君(マグマ中山)。
『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』にて。
日本テレビ(2008年1月20日放送)。

過度(あるいは過剰)であるという点では、
正統なシュルレアリスムである。
笑うと同時に感心した。

彼は動じずやり切る。
posted by ドッチツカズオ at 00:46| 映像 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月28日

『げんきな日本論』

橋爪大三郎/大澤真幸著。
講談社現代新書。

「そもそもは」というような、
こういう話(話し合い)は好き。
ただ(当然だが)日本史を扱うと、
どうしても天皇論になってしまう。
引いたり寄ったりしつつも。

私は「歴史の専門家」ではないので、
論理を辿って気楽に楽しめた。
posted by ドッチツカズオ at 01:55| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『タイガーマスク 全18巻』

東映。

緊張感のある線が素晴らしい。
(写楽かピカソか。)
荒いからこそのスピード感も。
プロレスの場面の流れや省略は、
プロレス的リアリティがある気がする。

登場人物は全員、
単純化された、
抽象的モデルに見える。
(埴谷雄高かジョン・ロックか。)
人間関係もまた。

典型(紋切型)は全能。
認知療法たりうる。
メタファー。

ラストは原作とアニメとでは、
大きく異なるが、
甲乙つけがたい。
posted by ドッチツカズオ at 00:27| 映像 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月27日

『図解 2割に集中して結果を出す習慣』

古川武士著。
ディスカヴァー。

原始仏教でいう中道。
スジャータの乳粥を、
現代で使用可能な状態にすると、
こうなるのではなかろうか。
対機説法の原則からいえば、
ブッダもこういった応用を、
望んでいたように思う。
・・・というのは暴論か。
posted by ドッチツカズオ at 23:13| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『言海』

大槻文彦著。
ちくま学芸文庫。

読む辞書として、
群を抜いて、
面白いのは『言海』。

例えば今、
当てずっぽうにページを繰って、
止めた所に目を落としてみると、

 にんげん(名)人間
 (三)俗ニ、誤テ、人(ヒト)。

などとある。
自分の中の言葉の「遺物」を発掘する、
という意味では考古学のよう。
(功罪のある「語法指南」を含めて。
あくまで「功罪」は結果論であろう。)
posted by ドッチツカズオ at 22:15| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『獄中メモは問う』

佐竹直子著。
道新新書。

副題「作文教育が罪にされた時代」。
冤罪ともスコープス裁判とも、
また違う妙な怖さ(カフカ的?)。
現在でもありうる気がする。
ただ裁くのは公権力とは限らない。
いろんな「罵倒」のしかたがある。
「空気」で団結する危うさ。
posted by ドッチツカズオ at 00:16| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月26日

『壁』

安部公房著。
新潮文庫。

久しぶりに腰を据えて読んだ。
安部の『アリス』好きは有名だが、
もっとこういう作品が読みたい。
『カンガルー・ノート』のような。
『笑う月』のような。
でも今の作家が同じ傾向の作品を書いたら、
「勘違い」した作品と批評されそう。
しかしなに構うもんかと、
誰か『壁』のような小説を、
書いていただけないものだろうか。

安部の小説には「意味」や「寓意」の匂いがある。
そう感じるのは学校の国語教育に毒されているせい?
小説が終局的に「意味」に到達するというのは、
間違いであると安部は生前語っていた。

言葉と内容による、
逐次的な面白さは要約できない。

『壁』の言葉は案外(?)感傷的で甘い。
『さようなら、ギャングたち』も連想される。
それでいて妙に理屈っぽい。
変なリリシズム。
やはり『アリス』の情操か。
言葉への執着もある。

カフカにもいえると思うけれど、
安部公房の本質は笑い。
今更仰々しく言うことでもないが。
posted by ドッチツカズオ at 23:44| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『世界を変えた10冊の本』

池上彰著。
文春文庫。

こういう「ベスト盤」のような、
「本の本」は好き。
posted by ドッチツカズオ at 22:51| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ナイト・オン・ザ・プラネット』

ジム・ジャームッシュ監督。
パラマウントホームエンタテインメントジャパン。

久しぶりに観た。
ジム・ジャームッシュ監督の映画では、
『コーヒー&シガレッツ』に次いで好きな作品。
いつ観てもタチの悪い笑いが素晴らしい。

ウィノナ・ライダーが素敵。
posted by ドッチツカズオ at 22:23| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月17日

『大いなる遺産』

アルフォンソ・キュアロン監督。
20世紀フォックスホームエンターテイメントジャパン。

ロバート・デ・ニーロの登場シーンは、
映画史に残るのではないか、
と勝手に思っている。
幻想であることの高らかな宣言。

類型的な人物像とご都合主義が、
ディケンズの真骨頂、
とこれも勝手に思っている。

こんな奴いないだろう、
というような登場人物が、
イマジネーションを刺激する。
それでいて極めて卑小でもある。
そこがいい。

バタイユ『眼球譚』のようでもあり、
島崎藤村「初恋」のようでもある、
エロティシズムが感じられる。
丸谷才一の言葉を借りると、
「変なデカダンス」。
posted by ドッチツカズオ at 13:40| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』

マックス・ウェーバー著。
中山元訳。
日経BPクラシックス。

言わずと知れた名著。
『日本教の社会学』と合わせて読めば、
本をいかに使うかということの、
おそらく初歩がよくわかる。

帯にも惹句のように書かれているし、
有名な言葉だけれど、
書きつけておきたい。

 精神のない専門家、
 魂のない享楽的な人間。
 この無にひとしい人は、
 自分が人間性の
 かつてない最高の段階に
 到達したのだと、
 自惚れるだろう。

または、

 まったく新しい預言者たちが登場するのか、
 それとも昔ながらの思想と理想が
 力強く復活するのか

「巨大な発展が終わるとき」に限らず、
デリケートといえばデリケートに、
これらのバランスがとられる様は、
景気循環のよう。
・・・であればよいが。
posted by ドッチツカズオ at 13:18| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月13日

『発達とは矛盾をのりこえること』

白石正久著。
全国障害者問題研究会出版部。

まだ読んではいない。
これから読むところ。
タイトルが強烈至極。
「おまへの敵はおまへだ」に匹敵する。
posted by ドッチツカズオ at 02:57| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『日本教の社会学』

山本七平/小室直樹著。
ビジネス社。

再読。
日本における、
宗教からイデオロギーまで、
「薬」で解けてしまう、
ある種の事件も、
「浅見絅斎」で解けてしまう、
日本の資本主義についても、
「下級武士のエトス」と、
「町人的合理性」の結合、
で解けてしまうきれいさ。

この本で示される、
日本の大小「共同体」の性質は、
感覚的にも思い当たる節が多々ある。

インターネット上の、
日本人の「コメント」なども・・・。

『歎異抄』に関して、
多少もやもやしていたところが、
すっきりして、
逆に真宗の教えはやはり、
親鸞の知恵(戦略)では、
とあらためて感じた。

「誰でも使えるようにする」のは、
技術(テクニック)であり、
山本七平は柳田國男に、
似ているのかしらと思った。

今更だが読んだことのなかった、
『プロテスタンティズムの倫理と
資本主義の精神』を読んでみたい。
posted by ドッチツカズオ at 02:19| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月07日

『考えるヒント』

小林秀雄著。
文春文庫。

冒頭のエッセイに出てくる、
「メールツェルの将棋差し」
のことをふと思い出した。
下のようなことを、
考えたからであった。

男性は下唇に円形の板を嵌めて、
それが大きいほど「二枚目」で、
女性は首が長ければ長いほど、
「美人」であるという部族がある、
と聞いたことがある。
(それぞれ別の部族だったか。)
なんて「平等」な社会だろうと思った。
(別の面の「差別」はあるかもしれない。)

都市での「二枚目」や「美人」というのは、
先天的な要素が多分にある気がする。
(そんなことはないという方もいるだろう。)
でも上記の「板」や「首」は後天的なもので、
いわば「努力」の要素が強いと思う。
少なくとも「生まれ」は関係なさそう。
とてもシンプル。

小林秀雄の表現を使えば、
「仕切りが縦に三つしかない」将棋盤のよう。
都市ではずっと「仕切り」が多くなるはず。
「仕切り」が九かける九になれば、
読み切れなくなるのは当然。
それが生きにくさとなってあらわれる。
(「自由」は選択肢が多すぎる。)
あるいは楽しさや面白さともなる。

一人の人間には無限の情報がつまっているが、
彼を単純なモデルとして考えるるとき、
どういうバランス感覚でやるか。
単純すぎると見逃すし、
複雑すぎてもまた見逃す。

例えば前者はお気に入りの石畳が、
観光用のパンフレットの略地図には、
描かれていないごとく。
後者は教科書に下線を引きすぎて、
どれがより大事だか、
わからなくなるごとく。
posted by ドッチツカズオ at 00:02| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月06日

『OH MERCY』

ボブ・ディラン。
SMJ。

2003年にリマスターされた音は、
ミステリアスさが減った気はするが、
もやもやしたものがなくなって、
聴きやすくなった(当然ながら)。
ラノワのサウンドが素敵。
ボーカルを含めて、
生理的な快感に溢れる。

全ての歌がどこか「矮小」で、
そこがとてもいい。
「シリーズ・オブ・ドリーム」は、
未収録で正解という気がする。
スケールが大きすぎるので。



以下は私的メモ。

意識の流れ。
正体は渇愛(承認欲求)。
反応がいいと話しやすい。
明るい。
単純化したモデル(単純に考える)。
大小危機管理は少し大げさに。
地図(写真)の無限の情報と、
略図のバランス(人間のメタファーか)。
柔軟性(甘いということではない)。
説明(スケッチ)。
間違いの謝罪。
心を読みすぎる。
めげない。
にげない。
くらべない。

スウィフト著(中野好夫訳)
『ガリヴァ旅行記』
中村元著
『原始仏教』

大岡信著
『百人百首』
今日マチ子著
『百人一首ノート』
山本七平/小室直樹著
『日本教の社会学』

三好達治他編集
『萩原朔太郎全集第一巻詩集(全)』
石川淳著
『夷齋風雅』
多田智満子著
『遊星の人』

麻生けんたろう著
『スケッチ・トーキング』
野口敏著
『66のルール』
吉田照幸著
『会話の公式』

ボードレール著(福永武彦訳)
『パリの憂愁』
きだみのる著
『気違い部落周游紀行』
ノートン著(赤根洋子訳)
『世にも奇妙な人体実験の歴史』

谷川俊太郎/箭内道彦/宮藤官九郎著
『自由になる技術』
宮田雄吾著
『やっかいな子どもや大人との接し方マニュアル』
佐野洋子著
『ヨーコさんの❝言葉❞』

安部公房著
『笑う月』
オーシュ卿(バタイユ)著(生田耕作訳)
『眼球譚』
ディキンソン著(亀井俊介訳)
『対訳ディキンソン詩集』


 ああ蘇った。
 隆太郎きょうは何日か。
 十一月二日か。
 新生だ新生だ。
 この日をお前たち、
 よく覚えておおき。
 私の輝かしい記念日だ。
 新しい出発だ。
 (窓を)もう少しお開け。
 ああ素晴らしい。

 一度安心したせいか、
 もう打ち勝つ気力もない。
 駄目だ駄目だよ。

北原白秋の最期の言葉から。

 死ぬ?死ぬのか君は?

太宰治「葉」から。
妙に「耳」に残る言葉があるもの。
posted by ドッチツカズオ at 19:27| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月03日

『日本教の社会学』

山本七平/小室直樹著。
ビジネス社。

再刊された。

良くも悪しくも(?)、
私は「日本教」信者らしい。
日本の社会を振り返ってみても、
自分の生活を振り返ってみても、
思い当たることが多数。

単純化された抽象的なモデルで、
わかりやすく説明されているので、
例外も多くあるかもしれないが、
ずっともやもやしていたものが、
晴れていくような感覚で読めた。

例えばいわゆる日本人の、
「柔軟性」「規律」「優しさ」などが、
おそらく「空気」に支配されている、
という恐怖(と「豊かさ」?)を感じた。
この構造を知るとなぜか、
妙に救われる気分になる。

 智に働けば角が立つ。
 情に棹させば流される。
 意地を通せば窮屈だ。
 とかくに人の世は住みにくい。

なんていうのは「日本教」的な苦しみ、
あるいは生きづらさかと思った。
漱石はイギリスと比較して、
日本が「見えた」のかしら。

 人の世を作ったものは
 神でもなければ鬼でもない。
 やはり向う三軒両隣に
 ちらちらするただの人である。
 ただの人が作った人の世が
 住みにくいからとて、
 越す国はあるまい。
 あれば人でなしの国へ行くばかりだ。
 人でなしの国は
 人の世よりもなお住みにくかろう。

というくだりは、
『日本教の社会学』を読んだあとだと、
今までとはまた違った面白さを感じる。

終盤の浅見絅斎論は圧巻。
「絅斎学の疎外されたかたち」の系譜には、
「オウム」も含まれる気がする。

 日本的予定調和説が、
 組織論なき絅斎学において、
 組織論の機能をする。

小室がさらりと言っている。
すごい。

「日本教」への「指弾」ではなく、
「気をつけよ」ということ。
posted by ドッチツカズオ at 19:45| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月21日

『パリの憂愁』

ボードレール著。
福永武彦訳。
岩波文庫。

福永訳は笑いの要素が強い気がする。
ボードレールと笑いとが、
私の中で初めて結びついた。
あるいは思い過ごしか。
私は福永訳が好き。

極端あるいは過度で、
突き抜けている。
ブレイクスルー。
救済と祝祭。
ただ石川淳が言うところの、
「壁に画をかい」ている、
という感じもする。
業の肯定。
イリュージョン。
対極にありそうな、
『スッタニパータ』に、
似ていなくもない。
posted by ドッチツカズオ at 01:03| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『タランチュラ』

ボブ・ディラン著。
片岡義男訳。
角川書店。

旧版。
ジョン・レノンの著作もそうだが、
片岡氏の翻訳が素敵。


ディランがノーベル文学賞を受賞したが、
ノーベル賞側がいくら連絡しても、
本人とは全く連絡が取れず、
巷では憶測が憶測を呼んでいたところ、
しばらくして(約2週間後)結局、
「喜んで賞を受けます」
と本人からノーベル賞側に連絡。
そしてその後、
「授賞式には先約があるから出席しない」
とノーベル賞側に伝えたらしい。

普段はインターネット上の、
いわゆるコメント欄に、
あまり書き込みはしないが、
ディランに関しては自論があるので、
つい不特定多数のコメントに対して、
以下のように返信した。

「格好悪い」
「ダサい」
デビュー以来そうです。

「首尾一貫していない」
ディランから最も縁遠い言葉の一つです。

「よくわからん人」
30年以上ファンをしていてもそうです。

「晩節を汚した」
若い時からそうです。

「ポリシーがあるのかないのか」
たぶんないと思います。

「更にぐだぐだ」
今後もっとぐだぐだになるはずです。

「行動がブレ過ぎ」
別の意味ではブレてません。

「最初から断れよ」
彼に要らないという気持ちがあるならば、
おっしゃるとおりです。

「素直じゃなくて面倒くさい」
むしろ最初から、
素直に対応している可能性があります。

「ディランの一連の言動はおかしい」
少なくともデビュー以来ずっとおかしいです。

「今からでも受賞取り消してしまえばいいのに」
いいアイデアです。
でもディランの伝説に、
さらに箔が付いてしまいます。

「姑息な小市民にしか見えない」
デビュー以来ずっと、
彼は姑息な小市民でした。
山師と言ってもいいくらいです。

「賞金目当てではないか」
そうかもしれません。

「ノーベル賞の選考委員たちが馬鹿」
そういう見方もあっていいかもしれません。
ディランはノーベル賞を受賞したばっかりに、
一挙一動いちいち叩かれていますものね。
ディランは普段通りなのに。
ノーベル賞は目立ちますからね。
彼は貰えるものは積極的に貰う主義だと思いますが、
元来は別に欲しくもなかったんじゃないかしら。

「彼のやりたいことが分からない」
今に始まったことではありません。
ふとまあそうしたんだろうな、
と結果論的に割り切るのは、
よい方法です。


30年来ディランのファンをしていますが、
彼はいつでも「適当」「いい加減」でした。
彼の行動にポリシーなんてものは、
ほぼありません。
根拠となりうる資料もいっぱいあります。
(書くには文字数が足りません。)
今回のノーベル賞への彼の対応も、
「またか」と思いました。
佐藤龍一さんが、
「あらゆる方向に期待を裏切る」
と書かれていたそうですが、
まさにそうで、
授賞式への対応についてもまた、
「イライラさせる」
「ダサい」
「がっかりさせる」
「格好悪い」
ようなことをしました。
わかりやすい方ではないのです。
嘘とジョークと本気と、
ずぼらと偏屈と過誤とが、
混沌としているのが、
ディランという人物の魅力だと思うけれど、
みんなに「そう思え」なんて、
とても言えません。
「相変わらず素敵」
「さすがディラン」
と個人的には思いましたが、
意見の分かれるところでしょう。
posted by ドッチツカズオ at 00:25| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月20日

『やっかいな子どもや大人との接し方マニュアル』

宮田雄吾著。
日本評論社。

この本のタイトルの、
「やっかいな」と、
「マニュアル」という言葉は、
反感をまねきそうである。
この本の著者が経験豊かな方で、
その経験を上手く消化されていることが、
伝わってくる。
イロハのイを検討できる。
自己は他者の一人であることもわかる。
posted by ドッチツカズオ at 21:34| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『日本人のための憲法原論』

小室直樹著。
集英社インターナショナル。

再読。
正誤や賛否はともかく、
社会学的方法が、
とても楽しい。
posted by ドッチツカズオ at 20:26| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『火の鳥 全12巻』

手塚治虫著。
朝日新聞出版。

朝日ソノラマ版(全9巻?)と、
角川文庫版(全13巻)を、
既に持っているが、
朝日ソノラマ版に準ずる、
この版をあらためて買い、
一気に読んだ。
内容も大きさも、
この版が好き。

『千年紀のベスト100作品を選ぶ』に、
収められている、
各氏の文章を以下に引用する。
『火の鳥』について、
書かれたものではない。

丸谷才一「源氏物語」から。
『源氏物語』をモダニズム小説と、
見立てる理由を列挙している。

 まづ大河小説的な構造によつて
 社会の総体を描き、
 人間性の諸層をとらへようとしたこと。
 茫々と流れる時間そのものが
 主題であるかのやうな時間への執着。
 都市と人間との関係への注目。(中略)
 縹渺と終るオープン・エンディング。
 総じて言へば、
 知的でありながら
 しかも遊戯的であるといふ
 方法への関心と、
 人間の探究との一致。

三浦雅士「失われた時を求めて」から。

 『失われた時を求めて』は
 小説ではない。
 評論である。
 時間と記憶をめぐる評論。
 物語的な註が肥大して
 本文に入りこみ
 小説風になっただけだ。

鹿島茂「ユリシーズ」から。

 いずれの挿話もなんらかのかたちで
 オデュッセウスの冒険と
 結び付けられているという点で、
 『ユリシーズ』は
 人類の神話的な無意識と連動する。

沼野充義「百年の孤独」から。

 魔法と現実が
 何の違和感も引き起こさずに
 共存している。
 年代記には同じような名前の人物が
 繰り返し現れ、
 数え上げることも
 要約することも不可能なほど
 奇想天外な挿話が
 つぎつぎに積み上げられる。

これらの文章はそのまま、
『火の鳥』にも当てはまる気がする。
「小説」を「マンガ」に、
「オデュッセウスの冒険」を、
『記紀』に変えるとまさにそう。

両性具有的なエロティシズムや、
運命論的な(紋切型の)恋愛関係や、
「同じような名前の人物」の登場は、
「永遠」を象徴する。

・・・とあるテレビ番組に触発されて。
posted by ドッチツカズオ at 19:57| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月12日

『新・映像の世紀 DVD−BOX』

NHKエンタープライズ。

前シリーズの、
どこか「静謐」な印象とは、
また違う感じだが、
わかりやすく興味深かった。
「現代社会の縮図」の様相。
今回のシリーズは、
反論が多そうな気もする。
posted by ドッチツカズオ at 18:54| 映像 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『日曜美術館 私と鳥獣戯画 手塚治虫』

Eテレ。

手塚治虫の独壇場。
分析が天才的だと思った。
さらさらと簡単に語ってはいるが。
情理兼ね備わる名論。
漫画的な「手法」についても、
「記号」についても触れられ、
手塚の偉大さを再認識。
posted by ドッチツカズオ at 18:33| 映像 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月03日

『日本人のための憲法原論』

小室直樹著。
集英社インターナショナル。

面白かった。
少々乱暴ではと思われる部分は、
説明を「シンプル」にするために、
「抽象化」されているところかもしれない。
考えるための道具と、
その取扱説明書(思考方法)。
「あれ?」と感じる箇所は、
示されている取扱説明書に従って、
反論を考えることもできる。
この取扱説明書は日常生活や、
仕事にも役立つ。
管賀江留郎著『戦前の少年犯罪』を、
もし小室が読むことができたなら、
話の運び方がまた違ったかもしれない。
天守閣を目指すのに、
いろいろな方向から、
外堀を埋める「原論」。

以下は極々私的なメモ。
『戦前の少年犯罪』を読み、
『憲法原論』と合わせて考えてみる。
戦前は「単純アノミー」で、
戦後はそれに「急性アノミー」が加わったか。
例えば立川談志「価値観の崩壊」。
結婚も難しく(複雑に)なったか。
戦前から学級崩壊は多々あったよう。
戦前のいじめと親殺しの多さ。
現代は「いかにも」という子ではなく、
「普通」の子が凶悪犯罪を犯すのか。
犯罪の「質」が変わったというのに、
データ的な根拠はあるか。
「モラル」はなくなっているか。
世界的に「アノミー」?
ヒトラー政権下では「アノミー」が消えた?
インターネットは?核家族は?
プロパガンダと「空気」と民主主義。
posted by ドッチツカズオ at 01:11| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『CHAOS AND CREATION IN THE BACKYARD』

ポール・マッカートニー。
ユニバーサルミュージック。

粒ぞろい。
才能が無尽蔵。
すげえ。
自明のことだけれど。
posted by ドッチツカズオ at 00:42| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月02日

『トゥゲザー・スルー・ライフ』

ボブ・ディラン。
ソニー・ミュージックエンターテインメント。

「マイ・ワイフズ・ホーム・タウン」の、
最後の方のディランの笑いがまたいい。
自分のオーバーアクトに笑った?

アルバム全体が粒ぞろい。
珍しくジャケット(?)もいい。


ディランがノーベル文学賞を受賞したが、
ノーベル賞側がいくら連絡しても、
本人とは全く連絡が取れず、
巷では憶測が憶測を呼んでいたが、
しばらくして結局、
「賞を受けます」と、
本人からノーベル賞側に、
連絡が入ったという話。

インターネット上の書き込みでは、

そのまま無視すれば格好良かった。
辞退すると思っていたのにがっかり。
賞金に目がくらんだのだ。
礼儀としてよくない。
ダサいしロックじゃない。
辞退するに決まっていると言っていた、
ディラン信者は間抜け。
ダイナマイトに関係する、
ノーベル賞は受けるはずがない、
と思っていたのに残念。
今さら受けるって、
何を考えているのか。
なぜ「沈黙」した?

・・・などの意見が見られた。
私はインターネット上のコメント欄には、
あまり書き込まないのだけれど、
ディランに対しては思うところがあったので、
つい以下のような内容の、
コメントを書き込んでしまった。


ディランが元来「何も考えていない」のは、
ディランのファンなら周知のこと。
世の人がディランの行動に、
深い意味を勝手に想像して、
それを裏切られて、
勝手に腹を立てるのは、
60年代から変わっていない。
私は30年来のディランのファンだが、
彼はたいてい「適当」「いい加減」だった。
今回の彼の対応も、
やはりこれ以上ないくらいの、
「適当さ」「いい加減さ」である。
あるドキュメンタリーで、
彼は「賞なんていらない」と言っていたが、
基本的に賞は断ったことないんじゃないか。
彼の場合こういった「矛盾」は枚挙に暇がない。
個人的には「相変わらず素敵」あるいは、
「さすがディラン」と思ったが、
まあ意見の分かれるところであろう。
ジョーン・バエズの、
「なぜ反戦歌を作ろうと思ったの?」
という問いにディランは、
「売れると思ったから」
と答えてバエズを絶句させた、
という逸話もある。
確かに「反戦歌」をよく作っていたのは、
初期の1〜2年間で、
ある程度「売れ」てからは、
ほぼ作っていない。
その意味では、
珍しく言葉に行動が伴っている。
少なくともノーベル賞側にとっては、
「平和賞」じゃなくてよかったといえる。
私としては授賞式でも、
世の人をイライラさせたり、
「ダサい」と感じさせたりする、
何かを彼はやらかすのではないか、
と期待している。
服装(衣装)を含めて。
そもそも散々ノーベル賞側からの連絡を、
「無視」して「沈黙」しておいて、
今さら「光栄です。
もちろんノーベル賞を受けます」
なんて「普通」の人じゃ言えないはず。
その第一報で少なくとも私は吹いた。
またか、と。
彼のこういった、
スケールの大きさは素晴らしい。


・・・しかし先に挙げた、
インターネット上の意見の数々も、
もっともという感じがする。
能書きたれるのが、
馬鹿馬鹿しくなってくる、
ディランのスケールの大きさ。

丸谷才一は、

 インタビューに正直に答へる
 フェリーニがゐたら、
 ニセモノに決まつてる。

と書いているが(「8 1/2」)、
ディランにもいえるかもしれない。
嘘とジョークと本気とずぼらと偏屈とが、
混沌としている感じがするのも、
ディランという人物の魅力、
と私は思っているけれど・・・。

別のところに、
以下のようにも書いた。


30年来ディランのファンをしていますが、
彼はたいてい「適当」「いい加減」でした。
根拠となりうる資料もいっぱいあります。
今回のノーベル賞への彼の対応も、
「またか」と思いました。
佐藤龍一さんが、
「(ディランは)あらゆる方向に期待を裏切る」
と書かれていたそうですが、
まさにそうで授賞式でも、
「イライラさせる」
「ダサい」
「がっかりさせる」
何かをやらかすのではないか、
と期待しています。
嘘とジョークと本気とずぼらと偏屈とが、
混沌としているのが、
ディランという人物の魅力。
ただディランの言葉を借りると、
「意見の分かれるところ」でしょうけれど。
個人的には「相変わらず素敵」あるいは、
「さすがディラン」と思いますが。
「反戦歌を作ったら売れると思った」
というようなことも彼は言っています。
よく「反戦歌」を作っていたのは
初期の1〜2年です。
発言が「適当」なのか「正直」なのか。
まあフェイクの可能性もあります。


どんなふうにでも、
料理を作ることができる者に、
かえって主体性がなくなるのは、
例えば『We Are The World』での、
頼りなく落ち着かない彼の様子を見れば、
わかるように私には思われる。
(その他の映像でもよい。)


明るい(よく笑う)。
責任転嫁をしない。
素直に修正。
恥をかかせない。
よい「やけくそ」。
すべき対応。
ごまかすべきでない。
任せる部分は任せる。
華は持たせるべきかな。
posted by ドッチツカズオ at 01:53| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月21日

『ロックト・ダウン』

ドクター・ジョン。
ワーナーミュージック・ジャパン。

たまらん、
の連続。
posted by ドッチツカズオ at 23:11| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『クリオール・ムーン』

ドクター・ジョン。
東芝EMI。

たまらん、
の連続。
posted by ドッチツカズオ at 23:07| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月16日

『ペツェッティーノ』

レオ・レオニ著。
谷川俊太郎訳。
好学社。

全体のテーマ(?)は、
紋切型の気配があるが、

 なんの ことか よく わからなかったけど
 ペツェッティーノが うれしそうだったから
 みんなも うれしかったのさ。

という結末のセンテンスが好き。
posted by ドッチツカズオ at 10:37| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月12日

『気違い部落周游紀行』

きだみのる著。
冨山房百科文庫。

三たび書く。

立川談志が言うところの、
「落語」に近い世界だと思う。
例えば八代目三笑亭可楽、
「二番煎じ」「味噌蔵」「らくだ」。

この記事が800本目。
posted by ドッチツカズオ at 15:46| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ゆきゆきて、神軍』

原一男監督。
GENEON ENTERTAINMENT。

複雑な味の映画。
マイケル・ムーア監督が、
絶賛していることからも、
それがわかる。
蜜柑を並べるシーン、
「神が言っているんです」等、
珠玉の場面が無数にある。
それらの場面と、
奥崎が追う深刻な事実との対比が、
「複雑」としか言いようがない。
安部公房『箱男』に、

 見られることには憎悪がある。

とある。
奥崎とは関係のない言葉に思えるが、
「見られること」への彼の「憎悪」は、
むしろ過度なのかもしれない。
posted by ドッチツカズオ at 15:19| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月09日

『イマジネーション』

ブライアン・ウィルソン。
ワーナーミュージック・ジャパン。

私は傑作だと思う。
posted by ドッチツカズオ at 22:22| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『プロパガンダ』

A・プラトカニス/E・アロンソン著。
社会行動研究会訳。
誠信書房。

身近なものから、
規模の大きいものまで、
様々な「プロパガンダ」が、
例示されている。
この本で扱われる、
「プロパガンダ」の範囲は広いし、
応用的にあえて広く考えることもできる。
報道やインターネット、
先入観(思い込み)、
説得の方法。
落ち着けということか。
多層的な視点と分析。

 Silencio.(お静かに)

デイヴィッド・リンチ監督、
『マルホランド・ドライブ』から。

めげない(単純に考える)。
にげない(恐れと不安を飛ばす)。
くらべない(自分の愛好者になる)。
ひとつずつ(穴を埋める)。
すぐに(立ち向かう)。
Everybody,smile!(分かち合う)。
Silencio.(落ち着く)。

以下はA・H・マスロー著、
『完全なる人間』(上田吉一訳)から。

 われわれはまた、
 困難を克服し、
 自己を極度に張りつめ、
 挑戦と苦難を乗り切り、
 ときに失敗を重ねさえして、
 自己の力とその限界を知り、
 これを伸ばそうとする。
 大いなる闘いのうちには
 大いなる喜びがあるもので、
 これがおそれに
 とって代わり得るのである。

あるいは、

 あなたの生涯のうちで、
 最も素晴しい経験について
 考えてほしいのです。
 おそらく、
 恋愛にひたっている間や、
 音楽を聴いていて、
 あるいは書物や絵画によって
 突然「感動」を受けたり、
 偉大な創造の場合に経験する
 最も幸福であった瞬間、
 恍惚感の瞬間、
 有頂天の瞬間について
 考えてほしいのです。

これらは「成長欲求」のことあって、
「欠乏欲求」のことではない。
ただし「欠乏欲求」の解決は、
「成長欲求」に直結しているし、
その軽視は怪我や病気を招く。

岡本太郎の講演から。

 下手なら下手な方が得意になって、
 全身を動かせるような、
 そういうスポーツの場所を作れと。

あるいは、

 負けた方がバンザイと言え。

毅然たる。
情理兼ね備わる。

きだみのる著、
『気違い部落周游紀行』。
トレヴァー・ノートン著、
『世にも奇妙な人体実験の歴史』。
深刻にならない。
業の肯定。
笑い。

今日マチ子著、
『百人一首ノート』。
アガペー。

作曲者の武満徹自身による、
「ノヴェンバー・ステップス」の説明から。

 オーケストラに対して、
 日本の伝統楽器を
 いかにも自然にブレンドする
 というようなことが、
 作曲家のメチエであってはならない。
 むしろ、
 琵琶と尺八がさししめす
 異質の音の領土を、
 オーケストラに対置することで
 際立たせるべきなのである。

対置も調和。
その時々の筋(原則)。
多様な意見とその理由(論拠)。
意見を変えるのは進化かもしれない。
矛盾してなきゃおかしい。

野口『66のルール』。
麻生『スケッチ・トーキング』。
吉田『会話の公式』。
誤学習の防止のための丁寧さ。
スモールステップ(細分化)。
考える力(合理性の発見)。
イマジネーション。
インスピレーション。
イリュージョン。

萩原朔太郎著、
『月に吠える』「序」から。
(正字は新字に直した。)

 人は一人では、いつも永久に、
 永久に、恐ろしい孤独である。
 原始以来、
 神は幾億萬人といふ人間を造つた。
 けれども全く同じ顔の人間を、
 決して二人とは造りはしなかつた。
 人はだれでも単位で生れて、
 永久に単位で死ななければならない。
 とはいへ、
 我々は決してぽつねんと
 切りはなされた宇宙の単位ではない。
 我々の顔は、我々の皮膚は、
 一人一人にみんな異つて居る。
 けれども、実際は一人一人に
 みんな同一のところをもつて居るのである。
 この共通を人間同志の間に発見するとき、
 人類間の『道徳』と『愛』とが生れるのである。
 この共通を人類と植物との間に発見するとき、
 自然間の『道徳』と『愛』とが生れるのである。
 そして我々はもはや永久に孤独ではない。

げにもっとも。
ただ実のところ重きは前半。
執着(渇愛)を捨てよと。
よく見せようとしない。
感性を侮られん。
だがしかし、
後半が軽いわけではない。
posted by ドッチツカズオ at 02:18| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月02日

『Coming Up』

ポール・マッカートニー。
キース・マクミラン監督。

曲にも詩にも、
サウンドにも映像にも、
狂気があふれている。
詩は武者小路実篤のような狂気。
posted by ドッチツカズオ at 02:14| 映像 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『自分を励まし、強い心を育てる習慣術――サイコスケッチ』

土屋清著。
青山ライフ出版。

宮澤賢治ほど、
ストイックではないにしても、
賢治がやろうとしていたのは、
極々平たくいうと、
こういうことだったのでは。
posted by ドッチツカズオ at 01:59| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ナーサルパナマの謎』

入沢康夫著。
書肆山田。

副題「宮沢賢治研究余話」。
この方の論文は面白い。
詩人だから当然かもしれないが、
言葉への執着がすごい。

入沢氏が『校本宮澤賢治全集』の、
編纂委員のお一人であることは、
『校本宮澤賢治全集』の信頼性を、
かなり高めているのではと思う。
posted by ドッチツカズオ at 01:51| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『気違い部落周游紀行』

きだみのる著。
冨山房百科文庫。

差別的あるいは高踏的、
という評もあるが、
私はそうは思わない。
この笑いは著者自身を含めた、
文化や文明に向けられている。
過度さを笑う、
イマジネーションにあふれる。
シュルレアリスム(過度の現実)。
posted by ドッチツカズオ at 01:23| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月19日

『戦艦ポチョムキン』

セルゲイ・エイゼンシュテイン監督。
アイ・ヴィー・シー。

全集のうちの一本。
久しぶりに観た。

あらためて、
ショスタコーヴィチが、
妙に合うと感じた。
考えた方は誰だろう。

画面に観客を惹きつける技術が、
いまだに古びていない。
たぶんずっとそうだろうけども。

エイゼンシュテインは、
実のところ、
「政府」だけでなく、
「革命(政府)」をも、
批判しているように見えた。
随所で。
常識?
気のせい?
posted by ドッチツカズオ at 23:50| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月18日

『誰とでも15分以上会話がとぎれない!話し方66のルール』

野口敏著。
すばる舎。

かなり売れた(売れている)本らしい。
著者は「きもの専門店」に勤務していたそう。
歌仙(連句)の技術のような本。
逆にいえば、
歌仙が社交であるという、
当たり前のことに、
あらためて気づく。

 芸術は人生であり、
 人生は芸術である。

岡本太郎の言葉。
そう考えると楽しさが増す。
将棋のようでもあって。

会話で苦労した方にしか、
おそらく書けない本。
こういうテクニックを、
学校で教えるべき、
という気がする。
少しあるいは大いに、
人生が面白くなるわけだから。
(ただし強要はできぬ。)
posted by ドッチツカズオ at 22:23| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ダイアレクツ』

ジョー・ザヴィヌル。
ソニー・ミュージックエンタテインメント。

ジョー・ザヴィヌルは、
「ジャズ」の思想を体現している、
というような解釈があって、
本人も似たことを言っていた(はず)。
少しずつ予想を裏切る、
グルーヴ感(スウィング感?)、
意外に(?)甘いメロディ。

posted by ドッチツカズオ at 21:41| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『目の見えない人は世界をどう見ているのか』

伊藤亜紗著。
光文社新書。

 視覚がないから死角がない。

たくまずして(?)駄洒落だが、
目から鱗が落ちる。
「痛快」の字解も面白い。
笑いによる救いがある。
(ただし強要はできぬ。)
posted by ドッチツカズオ at 13:22| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『火の鳥 7 乱世編上/8 乱世編下 羽衣編』

手塚治虫著。
朝日ソノラマ(月刊マンガ少年別冊)。

「乱世編」の終わりの方が、
後年手塚自身により、
さらに改変される(角川版)前のもの。
私はこちらの方が好き。
より詩情と熱量がある気がする。
時空を超えることで、
「永遠」が強調される。

全9巻(?)のこの版に親しんでいる。
(8巻と9巻は「デュオ別冊」。)

ベルナトーレ監督のように、
何食わぬ顔で放っておく、
ということが、
手塚にはできなかったんだろう、
とも思う。
無論ベルナトーレは、
確信犯だろうし、
手塚の「違和感」(?)とはまた、
意味合いも違うだろうけれど。
posted by ドッチツカズオ at 12:50| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月14日

『求愛』

瀬戸内寂聴著。
集英社。

すげえ。
傑作揃い。
「数え年九十五歳」にして、
このイマジネーションと、
現状認識は不思議でさえある。
たぶん年齢は、
関係ないんだろうなと思う。
『源氏物語』の影響が、
書き方や発想に感じられる。
和歌のような趣向の掌編群。
色(材料)を組み合わせて、
デザインするのが楽しそう。
理知的で論理的でもある。
論文といえなくもない。
情理兼ね備わる。
感傷的すぎない詩情。
俳諧味(諧謔性)も。
色っぽさも。
心がふわりと揺れる。
posted by ドッチツカズオ at 21:05| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『トランプ全発言!』

芹田ねこ著。
徳間書店。

トランプ氏は、
立川談志の言う、
「落語家の料簡」を、
体現している気がする。

 しやれたやつは、
 しやれをもつてこれを追へ。

石川淳『夷齋風雅』「忘言」から。
(「追」は正字。)
あるいは同じ文章中の川柳、

 荘周は夢を説いてはだますやつ

これぞ「落語家の料簡」では。
「子ども」の残酷性。
posted by ドッチツカズオ at 00:16| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月11日

『これがビートルズだ』

中山康樹著。
講談社現代新書。

ビルの屋上でのライヴ録音、
「ワン・アフター・909」の、
ジョージ・ハリスンのギターについて、

 ジョージのギターも味わい深い。
 間奏のぎこちないソロは
 寒さからくるものだろうが、
 それなりにまとめあげてしまうところが
 ジョージの個性だ。

と書いている。
理解者は美しい。
posted by ドッチツカズオ at 21:32| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『百人一首がよくわかる』

橋本治著。
講談社。

再び書く。

歌の背景や言葉や並べ方の分析による、
現代的な心理洞察が楽しい。
よい意味で、
百人一首を馬鹿にしている。
そのせいで歌の作者たちが、
身近に感じられる。
愛おしく思えてくる。
作者たちの人間性が、
露わになることによる笑い。
彼らが変人であれ、
常識人であれ。
歌の虚構性とも言える。

著者の「さっぱりわかりません」は、
フェイクのような気がする。
巧みな。
posted by ドッチツカズオ at 20:58| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月10日

『発達障害と多様性 映画の主人公が教えてくれる豊かな感性と可能性』

二通諭(札幌学院大学)。
2016年8月3日の講演。
札幌市教育文化会館にて。

講演を拝聴した後、
ずっと引っかかっていることがあった。

講演の中(最後の方)で、
映画『居酒屋兆治』の一場面が、
「人間性を考える」例として、
挙げられていたと記憶する。

居酒屋で虚栄を張って、
二人の女性を侍らせ、
調子づいている男に、
板前が高額の勘定を吹っ掛け、
ぎゃふんと言わせる。
で逆に「貧しい人たち」には、
兆治が勘定をタダにしてあげる。
極々簡単に言うと、
そういう場面だったと思う。

どうしても私には、
浅薄な場面に思えて、
仕方がなかった。
一義的な感じがして。

男は高額の勘定を聞いて困惑していた。
そんなに裕福なわけでもなかろうに、
一時のささやかな夢を、
その男なりに見ていたのだとすれば、
愛すべき男ではなかろうか。
居酒屋という空間で、
しばしの夢を見させてあげたって、
バチは当たらないのでは。
私には男より兆治の方が、
器の小さい人間に感じられた。

ただ私はその映画の、
その場面しか見ていない。

大江健三郎『ヒロシマ・ノート』に、
原爆投下後に死産した母親が医者に対して、
死体でも自分の赤ん坊の姿を見ていたら、
勇気づけられたはずと後に語った、
という話があったと思う。
医者は母親がショックを受けると思い、
赤ん坊の死体を見せなかったのだ。

どちらともいえない。
『居酒屋兆治』は、
そのための例であったのかもしれない、
と気づき(勝手に?)納得。

ブライアン・ウィルソン、
ボブ・ディラン、
ジョン・レノン、
ポール・マッカートニーは、
私も大好きなので、
彼らについての話(記述)を、
興味深く聴いた(読んだ)。
ビートルズとディランの、
公式発表されている曲は、
全て聴いている(はず)。
彼らについては、
母親との関係だけでなく、
父親との関係も私には興味深い。

あるいはディランの、
夥しい数のライヴ映像なんかを観ると・・・。

また映画(?)『We Are The World』での、
ディランの様子はよく知られている。

映画は好みに偏りはあるが、
大好きである。
エイゼンシュテインや、
グリフィスの映画技法(「映画文法」)、
いわゆるモンタージュ理論などは、
心理学の影響を相当受けていると思うので、
その面でも突き詰めると、
面白い気がする。
(たぶんもう大勢の方々が、
散々やっているんだろうけど。)
私の好きなキートンにしても。

映画を材料にした啓蒙は、
手法として素敵。
posted by ドッチツカズオ at 03:47| 音声 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月09日

『甦るオッペケペー』

川上音二郎一座。
東芝EMI。

1900年パリ万国博覧会での、
日本人初の商業録音。
ノイズも私は好き。
寝しなに聴くと妙に落ち着く。
鮮烈な考古学。
無常の宇宙論。
posted by ドッチツカズオ at 16:06| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月05日

『詩的自叙伝 行為としての詩学』

寺山修司著。
思潮社(詩の森文庫)。

再び書く。

とあるスープカレー屋さんに行くと、
幼い女の子がコップのジュースに、
ストローで息を吹き込んで、
ブクブクしているのを父親が見て、
「ブクブクす(る)な!」
と注意していた。
女の子はどこ吹く風。
ふと自分が「ブクブク」しなくなったのは、
いつごろからだったかしらと、
記憶をたどってみたが思い出せず。
「ブクブク」しなくなったことで、
得たものと失ったものがある気がする。

この本に、

 こどもは大抵の場合、
 詩人である。

あるいは、

 「詩を書くことによって、
 いままで見えなかったものが見えてくる。」
 ということでなかったら意味がない

あるいは、

 それ(児童詩)は
 おとなの詩への動機とはまったく逆の
 人生への好奇心のさきがけであり、
 「詩」の表現と伝達の問題を越えた、
 もっとわがままな行動欲の成果である。

あるいは、

 こどもは児童詩などを読むべきではなく
 木を読み、日を読み、太陽を読むべきである。

とあるのを思い出した。
女の子は混沌とした世界について、
ひとつひとつ学んでいる最中。
「ブクブク」はその学びの一形態。
posted by ドッチツカズオ at 12:52| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月02日

『アート・オブ・マッカートニー』

ビリー・ジョエル/
ボブ・ディランその他。
ユニバーサルミュージック。

ボブ・ディランの「今日の誓い」、
相変わらずの歌のうまさに、
心ふるえる。
posted by ドッチツカズオ at 21:36| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『完全なる人間 魂のめざすもの』

A・H・マスロー著。
上田吉一訳。
誠信書房。

再び書く。
例えば、

 われわれはまた、
 困難を克服し、
 自己を極度に張りつめ、
 挑戦と苦難を乗り切り、
 ときに失敗を重ねさえして、
 自己の力とその限界を知り、
 これを伸ばそうとする。
 大いなる闘いのうちには
 大いなる喜びがあるもので、
 これがおそれに
 とって代わり得るのである。

といったところは、
巷のいく冊もの本にあるような、
ありきたりの文章かもしれない。
ただマスローがそう言う時、
それは「成長欲求」の話であって、
「欠乏欲求」の話ではないのが、
頭の中の整理がきれいにできるところ。
世のこういった「自己啓発」的な言葉で、
いつも感じる疑問が、
マスローの本では、、
すっと解けるのが嬉しい。

「至高経験」などの、
自論の「危険性」への注意喚起も、
「砂糖菓子を組み立てるように」、
繊細に慎重に書かれている。

著者が行った、
至高経験に関するアンケートの問いに、

 あなたの生涯のうちで、
 最も素晴しい経験について
 考えてほしいのです。
 おそらく、
 恋愛にひたっている間や、
 音楽を聴いていて、
 あるいは書物や絵画によって
 突然「感動」を受けたり、
 偉大な創造の場合に経験する
 最も幸福であった瞬間、
 恍惚感の瞬間、
 有頂天の瞬間について
 考えてほしいのです。

とある。
ここだけ切り取ると、
中和剤のよう。

 生命の原理は新陳代謝であるが、
 その証しである言葉も
 新陳代謝によって生きてゆく

杉山平一『現代詩入門』から。
イマジネーションは新陳代謝。
posted by ドッチツカズオ at 20:59| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月30日

『完全なる人間 魂のめざすもの』

A・H・マスロー著。
上田吉一訳。
誠信書房。

第2版。
9ページ足らずだが、
「訳者あとがき」が大胆。
「先達はあらまほしきことなり」。
頭の良い方の解説や説明は、
論理的でシンプル。
オートフォーカス。

「欲求の階層組織」。
「至高経験」。
「みち足りた人間の究明」。

原始仏教的。

講演が基になっている、
文章の多いせいか、
語りが明快。
posted by ドッチツカズオ at 18:52| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『いつか、ずっと昔』

江國香織/文。
荒井良二/絵。
アートン。

古典的とも、
前衛的とも感じられ、
狂気があって、
寺山修司『詩的自叙伝』を、
読んでいたせいもあってか、
荒井氏の絵と相俟って、
「落書」のように感じた。
posted by ドッチツカズオ at 18:10| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『詩的自叙伝 行為としての詩学』

寺山修司著。
思潮社(詩の森文庫)。

寺山の仰々しい言葉遣いが、
岡本太郎の原色の絵を観るようで、
とても気持ちがよい。
寺山の言葉を借りると、
「大時代な言い方」。
散文詩的。
ミック・ジャガーや、
ボブ・ディランの歌い方。

哲学の術語としては、
一般的ともいえるものも、
あるかもしれないが、
例えば思いつくままに、
いくつか挙げると、
「思考」「疎外」「実践」「両眼」
「略奪」「地動説」「反復」
などの言葉は、
この本の文章によっては、
特別な意味を帯びている。
同じ言葉でも、
違うところではまた、
意味合いが変わっているものもある。

 私は擬似悲劇的な多くの詩人に、
 なじみがたいものを感じた。

あるいはまた、
高取英氏の「解説」からの孫引きだが、

 勿論、星野哲郎の詩には
 精神の深い燃焼といったものはない。
 (中略)しかし(中略)
 彼は活字を捨てて、
 他人の肉体をメディアに選んだのだ。

あるいは、

 (落書は)
 「書き手を見えない人間にする」

そして、

 「見えない人間」になっていることさえ
 (書き手に)忘れさせてしまう

こんな予見に満ちた言葉が多くあって、
これらは「永遠に追いつかれない予見」
のような気もする。
だから古びた感じがせず、
むしろ現代的。
たぶん百年後も。

「石川啄木ノート」は、
『伊勢物語』のようで、
神話的だけれど、
神話でないような啄木がいい。

この本の文章には、
藝とサービス精神があふれている。

相反するような心情(思想)が、
一人に同時に存在することを、
これだけ上手く書ける方は、
そんなにいない気がする。

言っていることは案外、
単純なのかもしれない。
それに与えられている表現が、
独特で頭が働く。

「人生は芸術である」
という言葉のように、
この本にもまた、
生きることを励まされる。
posted by ドッチツカズオ at 17:53| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月22日

『自閉症スペクトラム障害のある人が才能を生かすための人間関係10のルール』

テンプル・グランディン/
ショーン・バロン著。
門脇陽子訳。
明石書籍。

再び書く。
座右の書になりそう。
ほんの一例だが、
たとえば、

 すべてのからかいが悪意あるものではない。
 関心や愛着の表れの場合もある。

など、
「あたりまえ」の内容だけれど、
忘れる場合がある。
こういう言葉にこの本は溢れている。
もちろんこの本は、
自閉症スペクトラムに関する本だが、
人間(社会)の仕組みを、
独特な視点で書いた本、
ともいえる気がする。
その仕組みの教え方(伝え方)や、
学び方のヒントとともに。

 柔軟な思考を身につけることは
 ルールの習得より難しいのです。

ビートルズ「Nowhere Man」の、

 Isn't he a bit like you and me?

というフレーズを思い出す。
posted by ドッチツカズオ at 00:45| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月21日

『裸の大将放浪記 全四巻』

山下清著。
ノーベル書房。

原文は句読点なしで、
しかも全て平仮名。
この本では適宜、
分かち書きを施した上に、
平仮名を漢字に直してある。

助詞の「て」や「ので」が、
連続しても平気なところや、
文体の呼吸が『枕草子』に近いがする。
(以前にも書いたかもしれないが。)
posted by ドッチツカズオ at 18:45| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『萩原朔太郎詩集』

三好達治選。
岩波文庫。

奥付に、

 昭和四七年六月一〇日 第二六刷発行

とある。
正字・歴史的仮名遣いの版。
少なくとも朔太郎の詩は、
正字・歴史的仮名遣いの方がいい。
三好達治の校訂は、
新潮社版の朔太郎全集を含めて、
さすがとしか言いようがないくらい、
素晴らしい。
ただとくに『氷島』への冷遇など、
選の方は意見が分かれると思うけれど。
有名な俳句、

 冬日暮れぬ思ひ起せや岩に牡蠣

も省かれている。
朔太郎の娘さんが、
「一度も父と目が合ったことがない」
というようなことを、
何かで書かれていた記憶がある。

『月に吠える』「序」に、

 人は一人では、いつも永久に、
 永久に、恐ろしい孤独である。
 原始以来、
 神は幾億萬人といふ人間を造つた。
 けれども全く同じ顔の人間を、
 決して二人とは造りはしなかつた。
 人はだれでも単位で生れて、
 永久に単位で死ななければならない。
 とはいへ、
 我々は決してぽつねんと
 切りはなされた宇宙の単位ではない。
 我々の顔は、我々の皮膚は、
 一人一人にみんな異つて居る。
 けれども、実際は一人一人に
 みんな同一のところをもつて居るのである。
 この共通を人間同志の間に発見するとき、
 人類間の『道徳』と『愛』とが生れるのである。
 この共通を人類と植物との間に発見するとき、
 自然間の『道徳』と『愛』とが生れるのである。
 そして我々はもはや永久に孤独ではない。

とある。
(正字は新字に直した。)

竹内薫『99.9%は仮説』に、
ときに他人と話がかみ合わないのは、
相手の「仮説」と、
自分の「仮説」とが、
異なっているからだ、
というようなことが、
書かれていた記憶がある。
そういう時に相手を、
話がわからない人、
感覚がわからない人、
と軽蔑することもできる。
でもそれは自分の思い込みで、
実のところ相手は、
「話」も「感覚」も、
わかっている可能性が、
そこそこある気がする。
そう見えないだけで。
立場が逆の時に、
そう感じることがある。

「孤独」や「単位」と、
「同一のところ」や「共通」との関係性は、
社会の醍醐味かも。
同一(モノトニー)であり、
かつ多様(バラエティ)である、
ということの豊かさ。
posted by ドッチツカズオ at 15:59| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか』

NHKスペシャル取材班。
角川書店。

考えるヒントが満載の本。
ナジャフ市の話、
面白い。

Everybody,smile!

テレビ番組(第1集)から、
クリストファー・ヒューズ大佐の言葉。
posted by ドッチツカズオ at 00:08| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月20日

『はつ恋 ツルゲーネフ』

小川洋子/文。
中村幸子/絵。

文と絵ともに、
川端康成的な妄想、
という感じがした。
posted by ドッチツカズオ at 23:19| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『二週間の休暇』

フジモトマサル著。
講談社。

絵が好き。
posted by ドッチツカズオ at 22:13| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『決定版 鉄腕アトム 解体新書』

沖光正著。
廣済堂出版。

 ぼくは、
 シリアスで深刻な話を描いていて、
 フッと自分で照れたときに、
 童心にかえるつもりで、
 このヒョウタンツギを出してみるのだ。

手塚治虫『ぼくはマンガ家』から(孫引き)。
この手塚の気分が伝わる人と、
伝わらない人がいるはず。
いや、そうでもないかな。
posted by ドッチツカズオ at 22:06| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『結婚』

ゴーゴリ著。
堀江新二訳。
群像社。

何だこれは。
私は嫌いではない。
笑った。
ただ「訳者あとがき」冒頭のような、
笑わせようというダジャレは、
少し苦手。
ただ言葉の音による、
意味の多層性は好き。
それによって、
過度さから、
笑いになるものも。
(矛盾してますが。)
登場人物の名前は、
ドストエフスキーなんかのも、
日本語に訳せば、
こうなんだろうな。
「は?」という人物名。

「あたりまえ」による笑い。
posted by ドッチツカズオ at 21:53| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『石川啄木』

ドナルド・キーン著。
角地幸男訳。
新潮社。

啄木の魅力については、
海外の日本文学研究者に、
教えられるところが多い。
posted by ドッチツカズオ at 21:42| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『シンボリズムで読み解く縄文文化の伝統とアイヌ文化』

大島直行(札幌医科大学客員教授)。
2016年8月20日の講演。
紋別市文化会館にて。

シンボリズム。
普遍的無意識。
「あたりまえ」とは。
錯覚。
「融即律」。
元型。

安部公房著『箱男』や、
寺山修司原作「箱」を思い出した。
折口信夫も。

大島氏の『月と蛇と縄文人』を読んだ時、
私の頭の中の本の分類としては、
「オカルト」だったが、
今日お話を聴いて、
飛躍のあった部分が埋まり、
本の内容について、
「なるほど」とよくわかった。
決して「オカルト」ではない。
posted by ドッチツカズオ at 21:36| 音声 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月17日

『ゾンビの星』

浜岡賢次著。
秋田書店。
ヤングチャンピオン・コミックス。

私は傑作だと思った。
著者は「はるか」に、
不満のようだが、
狂言回しと考えれば、
このくらいが、
ちょうどいい気がする。

このくだらなさは、
詩と言っていいくらい。
辻褄の合わないところに、
つい考えが及ぶのは、
頭が固いからだろう。

短編群もまたくだらない。
著者の言うように、
「真説フランケンショタイン」は、
とくにひどい。
笑った。

「CHAMPION OF THE LIVINGDEAD」は、
『源氏物語』の「輝く日の宮」や、
「雲隠」にも通ずる。
ブローティガンの詩にも、
こんなのがあったっけ。
posted by ドッチツカズオ at 00:53| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月15日

『伊勢物語』

渡辺実校注。
新潮日本古典集成。

現代文学の特徴を、
いくつも挙げてみると、
おそらく『伊勢物語』にも、
多く当てはまるのでは、
と思われる。

「解説」では、
『源氏物語』との比較が楽しい。

新潮社のこの古典シリーズが好き。
よくできた本。
posted by ドッチツカズオ at 22:03| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『裸婦像』

荒井修/作。
木彫。

彫刻は写真ではなかなか・・・。
裸婦像(荒井修)

素敵な木彫。
posted by ドッチツカズオ at 16:39| 彫刻 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月14日

『自閉症スペクトラム障害のある人が才能を生かすための人間関係10のルール』

テンプル・グランディン/
ショーン・バロン著。
門脇陽子訳。
明石書籍。

人間(自閉症スペクトラムに限らず)を描いて、
余すところがないように思われた。
全体小説のよう。
ベロニカ・ジスク氏の存在がまた。
自分や周りの人々についても、
理解が深まったような気がする。

三名で書いているのが、
多層的でいい。
posted by ドッチツカズオ at 22:49| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『シン・ゴジラ』

庵野秀明/脚本・編集・総監督。
樋口真嗣/監督・特技監督。
東宝。

テンポも心地よく感じ、
意外と面白かった。
カヨコ・アン・パタースンが、
ずっと生理的に不快だった。
わざとだと思うが、
オーバーアクトで。
晩年の石川淳の小説に出てきそう。
戯画であり冗談である。
ゴジラも。
スウィフトの『ガリヴァ旅行記』。
素敵。

エンドロールの伊福部昭がまたいい。
牧悟郎の「B級映画」感は、
オマージュのよう。
その他数々のオマージュが。

里見祐介は「保守の知恵」者?

「シン」のような、
言葉遊びによる意味の重層性は、
日本語の伝統。
posted by ドッチツカズオ at 00:34| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月12日

『アキレスと亀』

北野武監督。
バンダイビジュアル。

スウィフトの『ガリヴァ旅行記』のよう。
メロドラマの要素も。
ときどき観たくなる映画。
posted by ドッチツカズオ at 23:50| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『千羽鶴 川端康成』

松谷染佳朗読。
横浜CD文庫。

久しぶりに聴くと、
川端康成は、
『日本語のレトリック』を、
読んでいたのでは、
と思われた。
そんなわけはないが。
posted by ドッチツカズオ at 00:53| 音声 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『一握の砂・悲しき玩具』

石川啄木著。
新潮文庫。

最近また啄木の歌を読むようになった。
posted by ドッチツカズオ at 00:46| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『感情類語辞典』

アンジェラ・アッカーマン/
ベッカ・パグリッシ著。
滝本杏奈訳。
フィルムアート社。

「「感情類語辞典」の使い方」に、

 この本の各項目にある表現は
 ブレインストーミングのための道具として
 とらえてほしい。

とある。
のんびりとした、
言葉の見物には、
持って来いの本。
posted by ドッチツカズオ at 00:39| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『日本語のレトリック』

瀬戸賢一著。
岩波ジュニア新書。

読むのにも、
書くのにも、
しゃべるのにも、
役立つ本だと思われた。
読後、
言葉への自分の意識が、
少し変化した感じもする。
posted by ドッチツカズオ at 00:30| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月11日

『ヤマザキマリの偏愛ルネサンス美術論』

ヤマザキマリ著。
集英社新書。

読者を引っ張っていく、
文章の力がすごい。
論理的で上質な日本語。
感覚的な部分も啓蒙的な部分も面白い。
わりとよく知られた事柄であっても、
あらためて楽しめる。
posted by ドッチツカズオ at 23:59| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『偽りの保守・安倍晋三の正体』

岸井成格/佐高信著。
講談社+α新書。

 かつての知恵のある政治家というのは、
 面子やプライドなんか、
 はなから捨ててかかっていた。

「保守の知恵」と称されるような、
こういう部分が認知の分かれるところか。

相手の立場。
当事者でなければ、
分からぬ事情。
拒否する国。
中国への対応は、
日常生活にもまた。
「批判する人も必要だから」。
「部分的に正しい」。
意見の分かれるところ。
posted by ドッチツカズオ at 23:41| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『発達上の問題と家族支援の実際』

山本彩(札幌学院大学准教授)。
2016年8月3日の講演。
札幌市教育文化会館にて。

発達凸凹(同じゴール?)。
バーチャルな例いくつか(「何故できない?」)。
集団・個別(「平等」・「正義」?)。
家族・社会(本人の意思?)。

うつ。
虐待。
イネイブリング。

イネイブラーへのねぎらい。

視点。
自己実現欲求。
自尊欲求。
所属・愛情の欲求。
安全欲求。
生理的・身体的欲求。

視点。
わからない。
うっかり。
わざと。
できない。
やめたいけど、
やめられない。

急がない担当。
急ぐ担当。
リセット担当。
posted by ドッチツカズオ at 23:14| 音声 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月15日

『対訳 ディキンソン詩集』

エミリ・ディキンソン著。
亀井俊介編。
岩波文庫。

川名澄訳より「客観的」な訳、
という感じがする。
(訳の優劣ではなく。)
著者に寄り添っているような。
訳者が語感や語法や文法を、
とても大切にしているのが、
よく伝わってくる繊細な訳。
例えば「many-colored」を、
「あやなす」と訳す類。
著者が笑っているところは、
笑って訳されている気がする。
好き嫌いだけで言えば、
亀井訳の方が好き。

少しずつ「予想」を裏切る。
離れたものがふと近づく。
精神の運動。
詰将棋。
「恋」と瞑想。
宇宙論。
例えば著者の代表的な詩、
「わたしは誰でもない人! あなたは誰?」
などは。

ディキンソンの詩による「死」は、
自殺予防になる気がする。

ディキンソンの、
ある種の詩は、
よく「難解」と言われるが、
意味の音楽が心地よい。
posted by ドッチツカズオ at 10:50| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月12日

『ふしぎなメルモ』

手塚治虫著。
秋田書店(SUNDAY COMICS)。

小学校1年生向けで、
話の流れ方は「のらくろ」に近い。
(「のらくろ」ほど大味ではないが。)
もっと言うと民話のよう。
ひとつのひとつのエピソードが、
7ページずつなので、
展開が早く理屈が少ない。
そこが魅力的。
あと妙な色気と。
posted by ドッチツカズオ at 22:36| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『英語で読む啄木 自己の幻想』

ロジャー・パルバース著。
河出書房新社。

詩と言葉が好きな者には、
たまらない本。
こんなに詩情にあふれた本は、
めったにあるものでない。

帯に柴田元幸氏の推薦文がある。

 英語を母語とする、
 宮沢賢治の生まれ変わりのような人が、
 石川啄木を読み込んで、
 見事な英語に訳し、
 啄木をめぐる思いを綴った。
 啄木愛好者には新しい発見があり、
 これから啄木を知ろうとする人には
 格好の入口になるだろう。

異議なし。
posted by ドッチツカズオ at 22:08| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『わたしは誰でもない』

エミリ・ディキンソン著。
川名澄編訳。
風媒社。

荒っぽいところの多い訳。
(非難ではない。)
posted by ドッチツカズオ at 01:56| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『百人一首がよくわかる』

橋本治著。
講談社。

橋本氏の現代語訳が木島始訳の、
ラングストン・ヒューズの詩のようで、
私は好きだし、
それで百人一首の現代性が、
証明されている気もする。
この本は詩や言葉(日本語)の入門書、
と言っていいようにも思った。

『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』の、
ナット・ヘントフによる解説(山本安見訳)に、

 彼等(真のブルース・シンガーたち)は
 自分たちの苦悩を
 一歩離れたところから眺めている。

というボブ・ディランの言葉が引用されている。
そういう意味でこの本は『スッタニパータ』、
アドラー心理学や森田療法などにも通ずるかも。
『百人一首がよくわかる』を読んでいると、
漱石が『坊っちゃん』を書いている時の気分は、
こんな感じだったのではなかろうかとも思う。

フィクションであり、
超現実主義でもあるように感じた。
訳の序詞の部分はとくに。

あえて極端にいうと、
人間の気持ちなんて、
そんなに種類はないのかも。
堀口大學が「詩を漁る」で言っているように、
それらを言葉でどう表現するかが心を動かすし、
「詩は別に気持ちの表現でなくてもいい」、
と谷川俊太郎氏が言っていたのも思い出す。

橋本氏の解説も楽しい。

川名澄訳のエミリ・ディキンソンの詩と、
百人一首は似た感覚で読める。

「恋」は瞑想の一形態。
posted by ドッチツカズオ at 01:39| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月19日

『Somewhere In England』

ジョージ・ハリスン。
EMI UK Beatles。

いわくつきのアルバムだが、
「原型」は「原型」で、
味わい深いけれど、
これはこれで素敵。
『George Harrison』の後、
連続して聴くと、
これがまたいい。
posted by ドッチツカズオ at 23:23| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月14日

『ブッダのおしえ〜真訳・スッタニパータ〜』

前谷彰訳/解説。
講談社。

『スッタニパータ』の翻訳。

訳文は読みやすくて、
「解説」も面白かった。
いくつかの疑問点が解決した。

芥川龍之介『侏儒の言葉』に、

 良心とは厳粛なる趣味である。

とあるが、
そういう観点で読むと、
さらに面白い。

あるいは、

 分かっちゃいるけど
 やめられねぇ

という業への諦念によって、
突き抜けるエネルギーが得られる、
という読み方もできる気がする。

この本に反論することで、
逆にこの本で示される理想に、
より自分が近づいてしまう、
とも感じられる。

誰が書いていたのか、
忘れてしまったが、

 宗教は方便

という言葉を思い出した。
極端にいえば、
荒唐無稽なことであっても
信じて落ち着くのなら、
精神衛生上そのほうがいい。
私は素直に信じられないほうだが。

メタファー。

いろいろな方向からの、
認知療法。

「ブッダの言葉」を「解説」すると、
どうしても煩悩にあふれてしまうのは、
読んでいて何だか可憐に感じられ、
楽しくなる。

 矛盾してなきゃ
 おかしい

と『自由になる技術』で、
谷川俊太郎氏が語っていた。

詩(言葉の反復)はウディ・ガスリーや、
ボブ・ディランのフォークソングのよう。
BGMを聞くようにも読める。

複雑な味の本。
posted by ドッチツカズオ at 03:29| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月06日

『古代の恋愛生活』

古橋信孝著。
NHKブックス。

副題に、

 万葉集の恋歌を読む

とある。

遺跡、
郷土資料館、
博物館を見物する楽しさ。

万葉集の歌は、
縄文土器と変わらない。
語感や文法や民俗や思いなどが、
現代(語)とつながっているのが、
嬉しくなる。
もちろん恋愛も。
posted by ドッチツカズオ at 23:08| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『現代詩入門』

杉山平一著。
創元社。

この手の本の中では、
とくに秀逸だと思った。
詩について、
何となく感じていたことを、
言葉にしてもらえる快感。

岡本太郎が言う、
「人生は芸術である」とは、
この本の内容のことかと思った。

内容の面白さは抜群。
文体も具体例(引用)も。
どんどん読み進んでしまう。
共感するところが多い。

井上ひさしの座右銘で、

 難しいことを易しく
 易しいことを深く
 深いことを面白く

というのがあった記憶がある。
(正確ではないかもしれない。)
この本はこの言葉通りの本。

 詩が失われたときおそらく
 世界は硬直化し死滅するだろう。

とある。
逆に言うとこの本を読めば、
「世界」が息を吹き返す、
救いがある気がする。


めげない(単純に考える)、
にげない(恐れ・不安を飛ばす)、
くらべない(自分の愛好者になる)、
しめた(問題を認識する)、
今だ(穴を埋める)、
命を濃く(立ち向かう)。
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2016年06月04日

『発想をカタチにする技術』

吉田照幸著。
日本実業出版社。

惹句に、

 何か問題が起こったら、
 「しめた!」

とある。
『戦國策』に、

 聖人之制事也、
 轉禍而為aA
 因敗而為功。

 聖人の事を制するや、
 禍を転じて福と為し、
 敗に因りて功を為す。

とある。
人間の精神構造は、
時代を経ても、
そうそう変わるものでない。

そういえば、
『世にも奇妙な物語』に、
「不幸せをあなたに」、
というのがあったっけ。
posted by ドッチツカズオ at 16:14| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月29日

『アシモフの雑学コレクション』

アイザック・アシモフ著。
星新一訳。
新潮文庫。

既にデータが古くなっている、
雑学も多いはずだが、
いまだに読まれ続けていて、
絶版になっていない。
アシモフと星との、
言葉の魔術のせいだと思う。
小さい頃からの愛読書。

有名な、
PLAN、
DO、
CHECK、
ACT、
で面白く。
posted by ドッチツカズオ at 22:47| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月20日

『犬神歩き 箱』

寺山修司作。
キングレコード。

「犬神歩き」を愛聴している。
呪術(心霊)的なものを、
藝術にしてしまう気楽さ。
「不吉な美」(丸谷才一『新々百人一首』)。
折口信夫「国文学の発生」の妖しさ。
バタイユのようなエロティシズム。
虚無的に勇気づけられる。
落ち着けと。
映画『マルホランド・ドライブ』のラスト。
きだみのる『気違い部落周游紀行』。
posted by ドッチツカズオ at 07:30| 音声 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月16日

『Everybody Knows This Is Nowhere』

Neil Young with Crazy Horse。
Reprise。

ふと聴きたくなり聴き始めると、
これでもかというくらい、
何度も繰り返し聴いてしまった。

でリマスターされた音源を購入。
これがまたいい。

どこかマイルス・デイヴィスっぽい、
と感じるのは錯覚か。

堕落論。
広い意味での無欲。
ニール・ヤングは歌もギターも、
下手と言われることがある。
クレイジー・ホースも、
ときに演奏が下手と言われる。

このころからすでに、
歌のメロディが独特。
もちろん声と歌い方も。

めげない(単純に考える)、
にげない(恐れ・不安を飛ばす)、
くらべない(自分の愛好者になる)、
今だ(穴を埋める)、
命を濃く(立ち向かう)。
posted by ドッチツカズオ at 21:36| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月14日

『百人一首ノート』

今日マチ子著。
KADOKAWA。

マンガが見事な「反歌」になっている気がする。
全ページにわたる「青」も頭に焼き付く。
何度でも読み(観)たくなる。
池内紀『カフカの書き方』のようでもある。
日常生活を詩で彩ることができる。
posted by ドッチツカズオ at 11:31| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月04日

『サユリ 完全版』

押切蓮介著。
幻冬舎コミックス。

著者のおっしゃるように、
前半で読むのをやめてはいけない。
「ばあちゃん」の覚醒を読まねば。

 命を濃くして・・・
 立ち向かうぞ・・・

また、

 よく食べ
 よく寝て――
 よく活きる

名言。
アドラー心理学?
ケリー・マクゴニガル?
posted by ドッチツカズオ at 20:49| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『百人一首ノート』

今日マチ子著。
KADOKAWA。

萩原朔太郎『純情小曲集』「自序」の、

 やさしい純情にみちた
 過去の日を記念するために、
 このうすい葉つぱのやうな
 詩集を出すことにした。

という言葉がふと思い浮かんだ。

マンガそのものが、
枕詞(序詞)のような、
レトリックになっている感じがした。
シュルレアルな比喩に。

序や跋がないということを含めて、
余計な説明がないのもいい。
もの哀しさに浸れて。
闇と毒と狂気もある。

百人一首が今日氏のマンガに救われている、
と感じるのは気のせい?
お互いがお互いのリリシズムを、
高め合っている感じがする。

読みなれた歌のはずなのに、
「そういう読み方(視点)もあるな」、
と思ってハッとすることが多かった。
無理なく多層的な読みができる心地よさ。

ある種の評論であって、
『戀愛名歌集』に匹敵するのでは。

著者のすごいイマジネーション。
素晴らしい本。
posted by ドッチツカズオ at 15:44| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年05月01日

『初級日本語文法と教え方のポイント』

市川保子著。
スリーエーネットワーク。

大野晋や折口信夫になったつもりで、
あれやこれや日本語について「妄想」できる本。
こういった本の性質上あたりまえだが、
言葉についての説明が「本質」よりも、
指導の「便宜」を優先しているところがある。
それらがまた「妄想」をかきたてる。
posted by ドッチツカズオ at 20:56| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月30日

『芸術と人生』

岡本太郎。
1982年7月4日の講演。
沖縄県那覇市労働福祉会館にて。

 芸術は人生であり、
 人生は芸術である。

何と「美しい」言葉であろうかと思う。
posted by ドッチツカズオ at 17:26| 音声 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『気違い部落周游紀行』

きだみのる著。
冨山房百科文庫。

ジョイス『ダブリンの人びと』、
スウィフト『ガリヴァ旅行記』、
安部公房『方舟さくら丸』、
カフカの長編小説などのようで、
無数に笑いが含まれている。
最初の方の例を挙げれば、

 (下流で水が無くなるのは)弘法大師が、
 彼に水を拒んだ老婆を罰するため、
 他の人々の迷惑に於て
 水を呪縛したからである。

なんてくだり。
笑わそうという、
あざとさが感じられるところにも、
必ず真理がある。

 芸術は人生であり、
 人生は芸術である。

岡本太郎の講演より。
『気違い・・・』に言えると思った。

言葉の楽しさ。

田舎への「悪口」という面では、
漱石『坊っちやん』をも、
はるかに凌駕するのでは。
普遍的な「悪口」。

固有の具体例は既にして、
普遍的な真理を帯びている、
と誰かが言っていた気がする。
posted by ドッチツカズオ at 13:49| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『おーい ぽぽんた』

茨木のりこ/大岡信/川崎洋/
岸田衿子/谷川俊太郎編集(委員)。
柚木沙弥郎画。
福音館書店。

 久方のアメリカ人のはじめにし
 ベースボールは見れど飽かぬかも

正岡子規のこの歌は、
最初は全く理解できなかったが、
「久方のアメ」や「かも」などに、
古代人が「現代」に来て詠んだ、
と感じられてきて、
今は「おかしさ」よりも、
「幻想」の方が強い。
時代を経て、
表現の材料は変わっても、
情そのものは、
なかなか変わるものでない。
posted by ドッチツカズオ at 08:32| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月11日

『飛ぶ男』

安部公房著。
新潮社。

傑作。
幻想も笑いも。
ぐいぐい引っ張られる文体。

ロレンス・スターンのように、
感じる部分もある。

「飛ぶ男」は未完の小説だが、
『カンガルー・ノート』より、
エネルギーがあって、
完成度が高い気がする。
ひょっとしたら、
まだ十分に、
推敲されていないせいかも。
新鮮という意味で。
未定稿であること自体も、
作品の一部のように感じる。
posted by ドッチツカズオ at 21:25| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月05日

『気にしすぎ人間へ』

長沼睦雄著。
青春出版社。

原始仏教に近い気がする。
むしろ原始仏教がすごいのかも。
posted by ドッチツカズオ at 23:00| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月03日

『おーい ぽぽんた』

茨木のりこ/大岡信/川崎洋/
岸田衿子/谷川俊太郎編集(委員)。
柚木沙弥郎画。
福音館書店。

 暗号を完全に
 解いてしまったあとの意味は、
 インターネットで主婦が
 不倫している内容と
 さほど変わりはないのだ。

『千年紀のベスト100作品を選ぶ』所収、
鹿島茂「新古今和歌集」より。
詩の本質を突いている気がする。
音楽で「悲しみ」を表現するのに、
無数のメロディが存在するように、
文学もそうだということを、
忘れることがある。
ふと「何々は何々みたい」と思うのと、
例えば芭蕉の俳句は本質的に同じこと。
表現(力)の違いはあれど。

よいところを見つける。
多層的に。

千里の道も一歩から。


(スルー読み。)
麻生けんたろう
『スケッチ・トーキング』
吉田照幸
『「おもしろい人」の会話の公式』
深沢孝之
『「ブレない自分のつくり方』

平光雄
『子育ての話』
栗田正行
『保護者の心をつかむ「言葉」のルール』
垣内英明
『思春期の子どもの心をつかむ生徒指導』

そして「具体的な取組」。


(感覚読み。)
トレヴァー・ノートン
『世にも奇妙な人体実験の歴史』
虚構新聞社
『号外!!虚構新聞』
ジョン・レノン
『絵本ジョン・レノンセンス』


『おーい ぽぽんた』は、
こういう本をも、
すべて呑み込んでしまう。
ジョイス。
posted by ドッチツカズオ at 22:03| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月02日

『古志・天球』

長谷川櫂著。
花押社。

ゴッホのように、
「自分にはこう見える」という、
世界観を提示する方法の一つが、
俳句だと今更ながら思った。

視点と感覚。

付けすぎず離しすぎず、
言葉を組み合わせることによる「爆発」。
posted by ドッチツカズオ at 09:14| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月28日

『「ブレない自分」のつくり方』

深沢孝之監修。
造事務所。

対機説法。
posted by ドッチツカズオ at 21:58| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『PLANET WAVES』

ボブ・ディラン。
COLUMBIA。

以前はこの時期のディランの声や、
歌い方があまり好きでなかったが、
最近なぜか依存症気味になっている。
『偉大なる復活』も含めて。
「乱暴」な歌い方でも、
繊細な歌ごころは隠しきれない。
ザ・バンドの演奏も心地よくて、
リック・ダンコのベースにゾクゾクする。
もちろんリヴォン・ヘルムのドラムにも、
ロビー・ロバートソンのギターの音色にも。

「ウェディング・ソング」は、
あえてアルバムの完成度を落とす、
狙いかもしれない。
皮肉ではなくそう思う。
あるいはあまり深く考えていないか。
posted by ドッチツカズオ at 21:52| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月27日

『希望』

杉山平一著。
編集工房ノア。

少しずつ予想を裏切る、
言葉遣いとリズムが、
妙に気持ち良かった。
月並の擦れ擦れという感じ。
円熟の藝か。

この詩集には含まれていないが、
詩「退屈」を読んで、
杉山平一は天才だと思った。


以下はメモ。

めげない(単純に考える)、
にげない(恐れ・不安を飛ばす)、
くらべない(自分の愛好者になる)、
今だ(穴を埋める)
命を濃く(立ち向かう)

全体、
部分。

ポイント、
理由、
具体例、
ポイント。

穴、
指摘さる、
劣等感、
すべき仕事、
刺激。

日常生活、
社会生活、
健康・安全。

『おーい ぽぽんた』
『世にも奇妙な人体実験の歴史』
『号外!!虚構新聞』
『「おもしろい人」の会話の公式』

栗田氏(保)、
平氏(悩)、
垣内氏(思)。

或る人曰く「彼は吝嗇だった」、
また或る人曰く「彼は吝嗇ではなかった」、
どちらも正しい、
人間は矛盾した存在。
情報過多による、
矛盾性への拒否反応。
(森達也氏のテレビ番組に触発されて。)

『「ブレない自分」のつくり方』
対機説法。

すべきことの見通しを、
整理するだけで、
自己啓発になる。

 柔と剛
 虚と実を駆使し
 敗北の中に
 勝利を求める

映画『酔拳』から。
posted by ドッチツカズオ at 23:26| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月21日

『わたしの戦争体験』

鷲頭幹夫著(聞き書き)。
オホーツク新聞社。

シュルレアリスム。
寺山修司。
カフカ。

あまりにひどいと、
人間は笑ってしまう。
戦争は過剰。

日本が戦争していない時代に、
生まれてよかった、
としか言いようがない。
おそろしい。
posted by ドッチツカズオ at 00:22| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月19日

『おーい ぽぽんた』

茨木のりこ/大岡信/川崎洋/
岸田衿子/谷川俊太郎編集(委員)。
柚木沙弥郎画。
福音館書店。

文学の教科書に採用すべき。
大人が読んでも十分に楽しい。
何度読んでも飽きない詩ばかり。

別冊の大岡信氏の文章も、
日本語の見本帳のよう。

大岡信氏が、
山上憶良の歌への「意見」で、
どさくさに紛れて、
自分の詩の解説をされているのが、
見事としか言いようがない。
また、

 なんでもないものが
 おもしろいというのは、
 いつまでもいつまでも
 同じおもしろさが残るからです。

なんてところは、
詩の本質という気がする。
posted by ドッチツカズオ at 23:06| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『現代、野蛮人入門』

松尾スズキ著。
角川SSC新書。

チクチクピリピリ。
posted by ドッチツカズオ at 22:19| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月12日

『イレイザーヘッド[完全版]』

デイヴィッド・リンチ監督。
コムストック。

学生時代に何度も何度も観た。
久しぶりに観てみると、
この映画の楽しさの一つが、
「間」だと今更ながら気づいた。
だからリズムの合わない方には、
全く楽しめない気がする。
私は心地よい。
リンチの笑いも好き。
posted by ドッチツカズオ at 19:43| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月06日

『絵本ジョン・レノンセンス』

ジョン・レノン著。
片岡義男/加藤直訳。
晶文社。

奥付に「一九八七年一月二〇日一六刷」とある。
中学生の頃から愛読しているらしい。
この笑いの世界は好き。
内容の立体的な馬鹿馬鹿しさと繊細さ。
「有名な五人がウォーナウ・アビーをぬけて」
などがいちいちくだらなくて素晴らしい。
「ヘンリーとハリー」も。
もちろん全編くだらないのだが。
「すてきにすてきにクライヴ」
などは現代文学の要素が、
かなり含まれている気がする。
カフカやジョイスも笑うに違いない。
訳がいい。
変に笑わそうとしていなくて。

潮凪洋介著
『「バカになれる男」の魅力』
吉田照幸著
『「おもしろい人」の会話の公式』
長沼睦雄著
『気にしすぎ人間へ』
平光雄著
『道徳の話』
『子育ての話』
『偉人の話』
池上彰著
『世界から戦争がなくならない本当の理由』
佐々淳行著
『重要事件で振り返る戦後日本史』
三島由紀夫著
『不道徳教育講座』
G・フローベール著(山田ジャク訳)
『紋切型辞典』
大岡信著
『古典を読む 万葉集』

同時進行で読んだ本(再読を含む)。
「アホか」と思いながら読むのも好き。
『絵本ジョン・レノンセンス』のような本は、
全てを呑み込む「過剰さ」がある。
日常の他の事まで笑いになってしまう。
そういう意味ではノートンの、
『世にも奇妙な人体実験』に似ている。
笑いとはまた違うし音楽だが、
マイルス・デイヴィスの、
『オン・ザ・コーナー』にも。

「・・・レノンセンス」という、
日本語のタイトルが嫌いだったが、
『新古今』を読むようになって、
これはただ笑わそうとしているわけではなく、
「詩的効果」を狙っているのだと気づき、
許せるようになった。

この本を読んだり、
岡本太郎の講演を聴いたりしている時は、
どこか瞑想に近い感覚が、
得られているかもしれない。
posted by ドッチツカズオ at 23:54| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月02日

『プリーズ・プリーズ・ミー』

ザ・ビートルズ。
東芝EMI。

アルバムCD化最初期の、
モノラル・バージョン。
単純にして「完璧」な音楽。

めげない(単純に考える)、
にげない(不安・恐れを飛ばす)、
くらべない(自分の愛好者になる)、
の象徴と言っていい気がする。
タイトル曲に有名なミスがあるが、
本人たちはへっちゃらである。

落合博満氏はかつて、
首位打者を目指す松井秀喜選手に、
首位打者になりたいではなく、
首位打者となるに決まっている、
と思わなければ、
打ち方も悪くなってくるし、
絶対に首位打者にはなれない、
といった旨のことを、
発言されていた記憶がある。
余裕。
ゆったり。
不動。


以下はたぶん自分にしかわからないメモ。

翻訳者山内義雄の「説明」。
項目ごとに。
点でさらに分類。
何があったか。
どう対応したか。
何を目指すか。

哲学者池田晶子の「反論」。
落合博満氏の件と、
思いや筋。
説明をして、
わかってもらうということ。
あるいは、
考えを進展させるということ。

話を聴く。
話を聴きすぎる。
その人でなければを避ける。
さじ加減。
状況判断。
対応と信頼の関係。
個別。

「下手」であることの魅力。
金原亭馬生。
三笑亭可楽。
室生犀星。
武者小路実篤。
キース・リチャーズ。
ボブ・ディラン。
アンリ・ルソー。
パブロ・ピカソ。
posted by ドッチツカズオ at 18:50| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『河童』

芥川龍之介作。
橋爪功朗読。
新潮CD。

まず「序」の最後、

 出て行け!
 この悪党めが!
 貴様も莫迦な、
 嫉妬深い、
 猥褻な、
 図々しい、
 うぬ惚れきった、
 残酷な、
 虫の善い動物なんだろう。
 出て行け!
 この悪党めが!

の朗読の巧さに感銘して、
結末までずっと聴いてしまった。

上の「河童」からの引用文は、
ちくま文庫『芥川龍之介全集6』より。
posted by ドッチツカズオ at 12:21| 音声 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月22日

『芥川龍之介全集 6』

芥川龍之介著。
ちくま文庫。

小説「河童」は「浅薄」「軽い」と、
批判されることもあるけれど、
私はそれと同じ理由で、
この作品が好き。
紋切型の文明(文化)批評。
イージーリスニング。

初期の安部公房っぽい感じがする。
『カンガルー・ノート』のような雰囲気も。
『ガリヴァ旅行記』のせいか。


以下は私にしかわからないメモ。
河童の中に入っていく。
河童は遊んでほしい。
時間のメリハリ。
河童に欠点を見せる。
河童を「見下す」。
筋が通っていて、
しっかりしていたら、
何も言われない。
河童とやってみる。
河童に甘える。
怒らなくてもよくするため。
かまって。
一緒にやる。
はきはきと話しかける。
河童が支えになる。
親の代わりに河童をみる。
緊張しているのを見せる。
情報整理。
話を聴き話をする。
難しい河童。
話が入らなくならぬように。
楽なやり方楽しいやり方。
裏切りたくないと。
飛び込む。
ぶつかる。
ちゃんと怒れ。
友人ではない一線。
話を短く端的に。
余裕。
ゆっくり。
河童以外は70点でよい。
自分が楽しいように、
行事を持っていく。
私にしかわからない、
河童のいいところがある。
主導する喜び。
来たらすっきりする。
いじる。
河童で疲れをとる。
時間の使い方。
将来を見る。
「一所」懸命。
シンセサイザーに埋もれ、
いろんな音色を操作する、
ガースのような快感。
振り返りは河童が振り返る。
余暇・余技・出し物の充実。
見られることへの過剰な意識で、
打ち方が悪くなる。
河童の関係者に声を掛ける。
様子を知らせる。
すべきを書き出す。
河童が全て。
同じであること。
posted by ドッチツカズオ at 14:07| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月20日

『ショット・オブ・ラブ』

ボブ・ディラン。
SMJ。

このアルバムは、
ディランのアルバムでは、
現在のところ、
「ライヴ感」がある、
最後のスタジオアルバムだと思う。
曲もバンドも声も歌い方もいい。
程よくルーズで。
ジャケットを含めて、
失敗とはなんぞや、
というエネルギーがある。
快楽の追求。
例によって賛否のあるアルバムだが、
私は好き。
この時期のアウトテイクや、
デモもいい。
posted by ドッチツカズオ at 15:24| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『砂の女』

安部公房著。
新潮文庫。

言わずと知れた、
名作中の名作。
たとえば、
エピグラフと、
「希望」というネーミングとが、
深いのか浅いのか、
よくわからない。
その感覚が好き。
「意味」を考えても、
「意味」を考えなくても楽しい。
安部は小説を「意味」に収束させることに、
たいへん批判的だったが。
posted by ドッチツカズオ at 14:27| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ぶたのたね』

佐々木マキ著。
絵本館。

傑作あるいは名作という以外に、
形容の言葉がないくらい、
素晴らしい絵本。
posted by ドッチツカズオ at 14:13| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『笑い』

アンリ・ベルクソン著。
林達夫訳。
岩波文庫(ワイド版)。

たとえば、

 往来を走っていた男がよろめいて倒れる。
 すると通りがかりの人びとが笑う。
 もし彼が急に出来心で
 地上に座る気になったのであると
 想像することができるとしたなら、
 おもうに人は彼を笑わないであろう。

というところなど、
本当にそうだろうか。
少なくともこの部分に関しては、
いちいち間違っているような気がする。
むしろ逆ではとさえ思われる。
そういうのも含めて面白い。
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2016年02月11日

『カリスマ入門 【第一巻】』

古屋雄作監督。
ジェネオンエンターテインメント。

「人生」に必要なのは、
「過剰さ」であると思った。
また笑った。

ブラックホール。
一般相対性理論。
量子力学。
素粒子論。
分母が0。
ひも理論。
10次元。
極小。
熱。
ブラックホール理論は、
桂枝雀の「緊張と緩和」の理屈と、
感覚的に似ている気がする。
伊藤潤二『富江』の「過剰さ」は、
「緊張と緩和」と言えなくもない。
立川談志は「緊張と緩和」の理屈に、
懐疑的だったようだが。
ただバタイユの言う「過剰さ」とは、
また別のような気がする。
でも同根かしら。
posted by ドッチツカズオ at 16:07| 映像 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月06日

『モーツァルト フルート四重奏曲全集』

バルトルド・クイケン/
シギスヴァルト・クイケン/
ルシー・ファン・ダール/
ヴィーラント・クイケン。
1982年3月ボーフォ教会にて録音。
キングインターナショナル。

第4番が好き。
モーツァルトっぽい、
展開の目まぐるしさ。
変化のタイミングが、
たぶん私のバイオリズムに、
ぴったり合っていて、
生理的快感が得られる。
メロディのコラージュを含めて、
子どもような自由さ。
スウィング感もある気がする。
リズムの「ずれ」や「うねり」。
メロディは相変わらず、
モーツァルトの「完璧さ」で、
「繰り返し」に「魔睡」を催す。
仰々しい言い方だが。

 ここ過ぎて曲節の悩みのむれに、
 ここ過ぎて官能の愉楽のそのに、
 ここ過ぎて神経のにがき魔睡に。

北原白秋「邪宗門扉銘」から。
音楽が抽象的に励ます。
第3楽章の有名な指示表記も、
馬鹿でいい。

曲全体として岡本太郎の講演に、
似ているといえば似ている気がする。
posted by ドッチツカズオ at 11:34| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月02日

『ヴォリューム3』

トラヴェリング・ウィルベリーズ。
ワーナーミュージック・ジャパン。

なんだか「原始」の匂いがする。
岡本太郎の言う「赤ん坊」だから?
フレーズの繰り返しや変奏が多いから?
ジム・ケルトナーのせい?
岡本の講演を聴いたから?

ボブ・ディランの尋常でない歌のうまさと、
ジョージ・ハリスンの音楽性の独特さ。
posted by ドッチツカズオ at 23:57| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月01日

『恐怖と欲望』

スタンリー・キューブリック監督。
IVC。

ヴァージニア・リースの、
可憐さと「小悪魔」ぶりと、
死の色気のみが印象に残った。
posted by ドッチツカズオ at 20:53| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月30日

『芸術と人生』

岡本太郎。
1982年7月4日の講演。
沖縄県那覇市労働福祉会館にて。

この方の本質は、
「笑い」だと思った。
もっと言うと、
「サービス精神」。
野球も大好きのはず。

過剰さの快感。

内容は矛盾だらけで、
ぐっちゃぐちゃだが、
(そう装っているだけ?)
そこがまたよく、
奮い立つような、
エネルギーがある。
「今」の「爆発」。

ただよく聴くと、
論理的でないことはない。
言いたいことの本筋は、
一貫していて。
非論理の論理。

後半の、
絵と音楽とを比較した、
若干の件などは、
大いに矛盾を感じるが、
それも何だか可愛いし、
たぶん「矛盾」ではない。
クラシック音楽の素養のある方。
モーツァルトを高く評価されていた、
と何かで読んだことがある。
意外な感じもするが、
それはピカソや縄文土器への高評価と、
究極的には同じ理由からだろうと思う。
(頭に「降りる」ままにできてるから?)
ザ・シャッグスをご存知なら、
また講演の展開が違っていたか。

岡本太郎が実は「ナイーヴ」で、
礼儀正しい方であることは、
講演のいたるところに出ている。

「無条件」と「条件」との、
矛盾した関係性についての言及などは、
妙に感じるほど冷静。
それでいて「矛盾」を肯定する、
凄まじい意気込みがある。
フェイクか。
ありうると思う。

不思議な藝。
ひたすらに、
ある感情を表現する。
『歎異抄』のような、
突き抜けるための、
自分への心の工夫。
この矛盾に満ちた、
話し方そのものが、
一つの思想のように感じる。
丸谷才一が、
石川淳への弔辞の中で、

 あなたの作品はみな、
 矮小な眞実など求めようとせず、
 いつそ花やかに景気をつけて、
 生きることを励ましてゐる。

と述べている。
この講演にも、
当てはまる気がする。

意外に(?)フィリッポ・リッピや、
ヴィルヘルム・ハンマースホイをも、
高く評価されたことであろうと思う。
もちろんアンリ・ルソーも。
既にどこかで、
言及をされているのかどうかは知らない。

純真さと強かさとは、
武者小路実篤の詩のような、
処世術としての戦略であり、
彼自らが「フィクション」なのだと思った。

これだけのテンションで、
スキーをしている人は、
どれだけいるだろう。
死を意識しながら味わう「歓喜」。
日常においても。

岡本は非常なニヒリスト。
また平和主義者。
またロマンチスト。

理屈が矛盾していようと、
あるいはそれが分かった上で、
突き進もうとしていると感じた。
ただ弱さと上品さとは隠しきれない。
よい意味で。

まさにブッダ。
posted by ドッチツカズオ at 17:44| 音声 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月26日

『さよなら渓谷』

大森立嗣監督。
キングレコード。

立川談志の言葉、

 ちんぼこを出せるかどうかだ

の映画版だと思った。
醜悪美。
邪な安心感。
拠りどころ。
純粋なもの。
迷いの効能。

役者さんがみんな素敵。
だから神話(メタファー)のように、
感じてしまうのだと思う。
posted by ドッチツカズオ at 23:59| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『隠し砦の三悪人』

黒澤明監督。
東宝。

久しぶりに観た。
相変わらず面白かった。
業の数々。
類型的な人々。

ジョージ・ルーカスが、
のちに真似したと思われる、
いくつもの場面を観ると、
妙に嬉しい。
そりゃ真似するわ、
と思う。

黒澤の円熟味と余裕を感じる。
狂言回し二人に。
posted by ドッチツカズオ at 18:13| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』

セルジオ・レオーネ監督。
ワーナー・ホーム・ビデオ。

3時間49分のもの。
最後の方の見え隠れする人影と、
車のライトの入れ替わりとが、
その直前の安っぽいサスペンス的な謎解きを、
幻想的にして陳腐さから救う。
そしてラストの「笑顔」へ。
全体的ないくつもの伏線に、
感情をくすぐられる。
映像も物語も人間描写も、
いかにも「フィクション」で、
美しい。
posted by ドッチツカズオ at 02:02| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月18日

『ブッダの生涯』

中村元。
新潮社(新潮CD講演)。

同シリーズの『ブッダの言葉』より、
むしろ(?)「仏教」の特徴が、
よく語られているように感じた。

「対機」。
「人は恐怖の中に安住することができる」。
posted by ドッチツカズオ at 23:09| 音声 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『石川淳全集 第十四巻』

石川淳著。
筑摩書房。

石川淳の「安部公房著『壁』序」が、
収録されている。
いつ読んでも救われる。
名文中の名文だと思う。

バンホーテンの素晴らしいCM、
「MAMAMETAL#1#2#3」を観て、
石川のこの文章を連想した。
posted by ドッチツカズオ at 22:43| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月13日

『とうさん おはなし して』

アーノルド・ローベル著。
三木卓訳。
文化出版局。

傑作。
安部公房「S・カルマ氏の犯罪」を、
凌駕しかねないイマジネーション。
ローベルの心の闇も感じる。
他のローベル作品に比べて、
自身のために書いたのでは、
という気配がより強い気がする。

「そういうことか?」
「いやいやいやいや」
と言えて紙一重で、
道徳的になることを、
かわしている感じがする。
posted by ドッチツカズオ at 15:51| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月10日

『ザ・ベスト・オブ・ザ・カッティング・エッジ1965-1966』

ボブ・ディラン。
ソニー・ミュージックエンターテインメント。

「ジョアンナのヴィジョン」の、
タイトな演奏を聴くと、
『ブロンド…』の「ゆるさ」は、
やはり狙いだったのだと、
改めて感じた。
posted by ドッチツカズオ at 12:09| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月04日

『世にも奇妙な人体実験の歴史』

トレヴァー・ノートン著。
赤根洋子訳。
文藝春秋。

名著。
名訳。
文体の、
あるいはフレーズの、
言葉の魔術が随所に。
バイブル。
笑った。
彼らは「自己実験」で死にかけるが、
そんな自分を愛しているように見える。
ありのままの過剰さ。
全ての事象は笑いに変換できる。
トレランスと毒。
吉田拓郎「全部だきしめて」と、
言っていることは同じと考えるのは、
間違っているかもしれないが。
太宰治「懶惰の歌留多」風に。
お金は大事。
筋を通す(「賢者の贈り物」などもか)。
些細な話。
話が可笑しい(笑う)。
お互いにちょっと、
ふざけてるような会話のしかた。
かの「世界」に入る。
あらゆることが可愛い。
状況を考える。
かの人への休日。
話し合う(その楽しいのを伝える)。
幸せ(幸運)を感ずる。
八割(執着しない)。
変化を恐れない。
感じたまま。
近い「世界」があれば別の「依存」をしない。
人は恐怖の中に安住することができる。
のめり込む(内・外・脳内麻薬)。
大切にすること。
そろそろ利他へ。
やるべきことを(悔いぬよう)。
ちゃんと怒る。
めげない(単純に考える)。
にげない(不安・恐れを飛ばす)。
くらべない(自分の愛好者になる)。
心を読みすぎない。
ワーキングメモリ。
怒りとガソリン。
卵とオムレツ。
オープン。
かの「迷惑」は華(資産)。
ちんぼこを出せるかどうかだ。
不安・恐れを楽しさに。
心霊的現象の寺山修司的解釈。
「壁」に絵を描く(「MAMAMETAL123」)。
村山富市氏(震災時)。
納豆。
指針。
「一所」懸命(「今」の意)。
感謝。
そういえば前に、
ランボーは、
結婚して子供ができれば、
用はなくなるが、
ボードレールは、
一生ついてくる、
というようなことを、
鹿島茂氏が書いていた記憶がある。
posted by ドッチツカズオ at 21:31| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月29日

『哲人・文豪・偉人 哲学の名言』

ファミマ・ドット・コム。

この本にある「名言」は全て、
立川談志(立川志らく『談志のことば』)の、

 ちんぼこを出せるかどうかだ

という言葉に集約できることに気づいた。

この記事が700本目。
posted by ドッチツカズオ at 03:18| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月28日

『ひげよ、さらば』

上野瞭著。
理論社。

実は上野瞭の作品は、
これ以外読んだことがない。

この作品は児童文学版の、
『古事記』であり、
『ロビンソン・クルーソー』であり、
『ガリヴァー旅行記』であり、
『ベラミ』であり、
『失われた時を求めて』であり、
『悪霊』であり、
『失踪者』であり、
『訴訟』であり、
『源氏物語』であり、
『平家物語』であり、
『坊っちやん』であり、
『細雪』であり、
『さようなら、ギャングたち』であり、
『狂風記』であると思った。

読み出すとやめられない文章。
覚悟を決めて中断しなければ、
徹夜になってしまうと思う。
posted by ドッチツカズオ at 16:44| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月27日

『遊星の人』

多田智滿子著。
邑心文庫。

「遊」は正字。

素晴らしい歌集。
posted by ドッチツカズオ at 21:17| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『真夜中は純潔』

椎名林檎。
EMI Records Japan。

曲も歌詞も歌も演奏も、
アニメーションのPVも、
全部いい。
posted by ドッチツカズオ at 21:05| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月25日

『LITTLE RICHARD 22GREATEST HITS』

リトル・リチャード。
phonogram。

「KEEP A KNOCKIN’」は、
原始仏教の経典に載っていても、
決しておかしくない詩。
リチャードよりずっと以前に、
ルイ・ジョーダンが歌っている。

歌と演奏は単純にして完璧。
「過剰さ」まである。
笑わずにはいられない。
思考停止の快さ。
posted by ドッチツカズオ at 00:27| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月24日

『談志のことば』

立川志らく著。
徳間書店。

 ちんぼこを出せるかどうかだ

何かにつけてふと思い出す言葉。
都市生活における、
ある種の打たれ強さを言って、
間然するところがない。
『スッタニパータ』にあっても、
おかしくない言葉だと思う。
posted by ドッチツカズオ at 00:36| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月21日

『ナッシュビル・スカイライン』

ボブ・ディラン。
ソニー・ミュージックエンタテインメント。

ディランのアルバムは全て聴いている。
その上で最近このアルバムが、
ディランの最高傑作ではと思えてきた。
ディランのファンでそう言う人は、
おそらく皆無だろうと思うが。

聴いていると「何か」心地よい。
声も気持ちは悪いが「何か」いい。
その声のせいで、
よりディランの歌のうまさが、
はっきりするからか。
バンドもいい。

1曲目ウォーミングアップ、
2曲目バンド紹介、
という構成も私は好き。
(意図的ではないと思うけれど。)
ジョニー・キャッシュに失礼か。

聴いている時の脳波を測ると、
アルファ波が出ているかもしれない。

30分弱の短いアルバムだが、
オーディオ機器のあるところでは、
現在「リピート」でずっと掛け続けている。
依存性あり。
posted by ドッチツカズオ at 23:30| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月19日

『子どもたちが身を乗り出して聞く道徳の話』

平光雄著。
致知出版社。

下手な心理学の本より、
ずっと面白い。
子どもたち相手に、
「実践をくぐらせた」だけあり、
人間の(現象としての)心の動きが、
即物的によく表されている気がして、
そういう意味では、
シュルレアリズムだと思った。
意外に逆説・アンチテーゼが多い。
と感じるのは私が背徳者だから?
それとも世の中がおかしい?

精神科医・医学博士の水島広子氏の著作、
『「本当の自信」を手に入れる9つのステップ』
などと内容の本質は変わらない。

グレーゴル・ザムザに読んでもらい、
彼の感想を聴きたい気もする。
posted by ドッチツカズオ at 22:29| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『変身』

フランツ・カフカ著。
高橋義孝訳。
新潮文庫。

初版の1952年から、
絶版になっていない、
時の審査に耐え続けている名訳。

何度読んでも面白い。
posted by ドッチツカズオ at 19:19| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『アイズ ワイド シャット』

スタンリー・キューブリック監督。
ワーナー・ホーム・ビデオ。

時々無性に観たくなる。
観ると清々しい気分になる。
人生のあらゆる面を描いている気がして。
「LUCKY TO BE ALIVE」など、
悪ふざけっぷりもいい。
posted by ドッチツカズオ at 18:47| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『プレゼンがうまい人の「図解思考」の技術』

永田豊志著。
中経出版。

 「現実」の好ましくない状態を、
 「理想」においては解消したくて、
 そのために何かを「提案」する、
 というわけです。

とある。
「ナニゴトノ不思議ナケレド」。
posted by ドッチツカズオ at 18:13| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『憂鬱でなければ、仕事じゃない』

見城徹/藤田晋著。
講談社。

面白かった。
タイトルも苦笑いを誘う。
言葉は感じ方を変換する。
逆説・アンチテーゼの楽しさ。

大石内蔵助の有名な「辞世の歌」、

 あら楽し
 思ひは晴るる
 身は捨つる
 浮世の月に
 かかる雲なし

が引用されている。
俳諧味(諧謔)のある歌。
posted by ドッチツカズオ at 17:49| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月13日

『41歳からの哲学』

池田晶子著。
新潮社。

ヤンキー。
ニヒリスト。
ジョーカー。
巨視的。
啖呵を切る。

最後の最後の文章で、
愛犬のことが語られる、
この矛盾(?)が素敵。
皮肉ではない。
「純粋な」ヒューマニストだと思った。
もちろん他の文章でも。

ホーキングの宇宙論を読むのと、
似た感じを覚えた。
漱石の『坊っちやん』にも近い。
瞑想のようでもある。
たぶん瞑想の何たるかを、
私は知らないだろうけども。

文体のリズムが、
ウディ・ガスリーやボブ・ディランの、
トーキング・ブルースみたい。

ディランの『ブロンド・オン・ブロンド』は、
全曲トーキング・ブルースなのだとふと思った。
快感のままに聴き続けてしまう。

面白さは抜群。
読んでいると著者の意図に反し、
思考を停止する気持ちよさを感じるのは、
私だけだろうか。
もちろんこれは褒め言葉。

論理の破綻にこそ美しさがある。
愛犬の話を本の最後に持ってきているあたり、
著者はそれを狙っていたのでは、
とさえ思った。
本全体にそれが見られる。
もちろんこれも褒め言葉。

谷川俊太郎氏の言葉、

 矛盾してなきゃおかしい

『自由になる技術』より。
posted by ドッチツカズオ at 22:16| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月12日

『ミステリアス ピカソ 天才の秘密』

アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督。
紀伊國屋書店。

精神の運動が果てなく続く。
迷いにも突き抜けたものを感じる。
堂々たる「失敗」と「不完全性」。
ねじ伏せる強引さ。
芸術は結局のところ全て、
インプロヴィゼーションによるので、
「完成」などありえない、
という極論を言いたくなる。
いい加減なところでやめるということが、
観客にゆだねられているのも、
この映画(DVD)の魅力。
posted by ドッチツカズオ at 11:30| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月11日

『「おもしろい人」の会話の公式』

吉田照幸著。
SBクリエイティブ。

ベルクソンの『笑い』に匹敵する、
あるいはそれを凌駕する名著。
posted by ドッチツカズオ at 22:12| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月05日

『自由になる技術』

谷川俊太郎/箭内道彦/宮藤官九郎著。
扶桑社。

文字通り「自由になる技術」の本。
救われる言葉が多くあった。

箭内氏は「左脳でわざと関節を外して」、
個性的であろうとしている、
極めて常識的な方だと思った。
他のお二人には生粋の狂気を感じた。

 僕はそれで、
 自分に気がついたんだと思う。

谷川氏の言葉。
他者というものを説明して、
間然するところがない気がする。
一瞬陳腐にも聞こえるのが、
谷川氏のすごさだとも感じた。
他者が存在することで、
自分に怠けないというような、
勝手な解釈もできる。
posted by ドッチツカズオ at 20:54| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『100歳詩集 逃げの一手』

まど・みちお著。
小学館。

タイトルすげえ。
笑った。
この詩集はタイトルだけで、
十分だと思った。
もちろん皮肉ではない。
posted by ドッチツカズオ at 20:38| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月03日

『王羲之《蘭亭序》』

上海書畫出版社。

王羲之の真筆は残っていない。
残っているのは、
技術者による精巧な「コピー」か、
書家による臨書。
これは「コピー」の複製。
書としての「蘭亭序」は、
もともと王羲之が、
下書きとして書いたものだったが、
のちに自身で清書を試みても、
それ以上の出来にはならなった、
という話はいくつもの本に載っている。
「コピー」は推敲の跡をも再現する。
それらも作品のうちと言わんばかりの前衛性と、
即興性や勢いを重視するような、
王羲之のスケールの大きさに感動する。
ひとつひとつの字の中に、
あるいは作品全体の構成に、
微妙に予想を裏切るようなリズムがあり、
観ていると生理的な快感が得られる。
字の線自体とその切り込み方にも。
posted by ドッチツカズオ at 02:23| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『オルガスムの科学』

バリー・R・コミサリュック/
カルロス・バイヤー=フローレス/
ビバリー・ウィップル著。
福井昌子訳。
作品社。

 性欲は、
 人を成り立たせる
 あらゆる本質を含んでいる。
 生物的・心理的・感情的・
 社会的・文化的・精神的なものまで、
 すべての本質なのである。

とある。

全体は谷川俊太郎氏の、
ある種の詩のようにも読める。
「辺縁系手術と「過剰性欲」」などは幻想的。

 オルガスムが多ければ多いほど、
 長生きできる

あるいは、

 オルガスムは、
 睡眠・鎮痛・ストレス軽減・
 前立腺ガン予防に効果がある

・・・これらだけ抜き出すと、
変な宗教のようだが、
科学的な根拠がある(らしい)。
いちいち研究データが示されている。
posted by ドッチツカズオ at 01:48| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月01日

『千羽鶴 川端康成』

松谷染佳朗読。
横浜CD文庫。

松谷氏の朗読が良かった。

川端康成の、
笑うほどの「過剰さ」を感じる部分が、
いくつもある。
posted by ドッチツカズオ at 22:43| 音声 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『すみれ』

青山七恵著。
文藝春秋。

べらぼうにうまい気がした。
比較的短い小説ではあるけれど、
あっという間に読み切ってしまった。
posted by ドッチツカズオ at 09:26| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『マンガでわかる よのなかのルール』

横山浩之著。
小学館。

「文明」と「文化」の違いについて、
一度は調べたことのある方は多いのでは。
この本は「文化」の本。
posted by ドッチツカズオ at 08:59| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月30日

『シャイン・ア・ライト』

マーティン・スコセッシ監督。
TFC。

中山康樹が言うように、
この映画は「フィクション」だと思う。
演奏も映像も素晴らしい。
posted by ドッチツカズオ at 23:15| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『図説 日本語の歴史』

今野真二著。
河出書房新社。

以前は大野晋の本を読み漁ったものだった。
その当時の楽しさがよみがえった。
図版に「生身の人間」が、
より感じられて楽しい。
posted by ドッチツカズオ at 22:59| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『リアル鬼ごっこ』

園子温監督。
NBCユニバーサル・エンターテイメント。

実はあまり期待していなかった。
でも観てみると素晴らしい映画で、
賛否が分かれる作品だとは思われるが、
園監督の作品の中で私はいちばん好きかも。
傑作だと思った。
デイヴィッド・リンチや、
タランティーノのようでもあり、
セリフなどは「B級映画」の要素が満載。
「陳腐さ」のテンションが高い。

田村隆一「毎朝数千の天使を殺してから」を、
思わず連想してしまった。
以前にも園監督は作品の中で、
田村隆一の詩を引用されていたので。
posted by ドッチツカズオ at 21:46| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月23日

『号外!!虚構新聞』

虚構新聞社編。
笠倉出版社。

久しぶりに読み直した。
「過剰さ」の素晴らしさ。
posted by ドッチツカズオ at 23:37| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『コンビニロボットぽぷりちゃん 全4巻』

林雄一著。
MFコミックスアライブシリーズ。

たまたまラーメン屋さんに置いてあって、
待ち時間に少し読んで面白かったから、
全4巻をまとめて購入。
設定が見事。
posted by ドッチツカズオ at 23:32| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ベラミ』

ギー・ド・モーパッサン著。
中村桂子訳。
角川文庫。

「遊び」ということ。
posted by ドッチツカズオ at 23:09| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『談志のことば』

立川志らく著。
徳間書店。

福音書のよう。
「ちんぼこを出せるかどうかだ」など、
鮮烈なメタファーとも言える。

著者の読者を引っ張っていく力がすごい。
池内紀氏の見識もさすが。

「うまいこと」を言う時は、
その恥ずかしさを知った上で、
パロディの一種として言う以外に、
手はないと思われるけれど、
「グロさ」や「ひどさ」にも、
救われることがある。
posted by ドッチツカズオ at 22:47| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『落語登場人物事典』

高橋啓之著。
東京堂出版。

著者の笑い(言葉)のセンスは、
あまり好きではないけれど、
落語の「登場人物」が、
記号であることは、
「心優しき人物」
「面白い人物」
「かわいそうな人物」
「芯の強い人物」
などの説明の言葉から、
よくわかる。
ほぼ季語と同じ。
posted by ドッチツカズオ at 22:26| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月15日

『リーマン予想とはなにか』

中村亨著。
講談社(ブルーバックス)。

いつも「オイラー積」に興奮する。
きれいに素数が式にはまっているので、
謎が全て解けたかような快感を覚える。
ましてそれが円周率にまで絡んでいるなんてと思う。
「ネピア数」との関連には畏れすら感じる。
素人でもわかるオイラーのすごさ。
逆に言えば、
私がわかったつもりになれるのは、
「オイラー積」(のおそらく極々初歩)まで。
posted by ドッチツカズオ at 22:10| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月11日

『幸せの帰り路』

上野優華。
キングレコード。

全てが美しい。
posted by ドッチツカズオ at 00:25| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月07日

『ちゃんと人とつきあいたい』

井澤信二/霜田浩信/小島道生/
細川かおり/橋本創一編著。
エンパワメント研究所。

副題に、

 発達障害や人間関係に
 悩む人のための
 ソーシャルスキル・トレーニング

とある。
幼児期から成人期までを五段階に分けていて、
見やすいし分かりやすい。
「Case【場面】」の解説(分析)が、
簡潔ですぐに役立てられそうに思われた。
「他者」とはと考える。
posted by ドッチツカズオ at 22:56| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『はじめてのギリシア神話』

尾高薫/文。
堀川理万子/絵。
徳間書店。

文も絵も素晴らしい。

「論理的な」文章で、
おかしなところが一つもない。
歌ごころも感じる。
言葉の意味の重複を、
俳句的に避けている気もする。

一回だけ「させていただきます」が出てくるが、
由緒正しい使い方なので許せる。

絵はどこかドライで、
感傷的でなく、
神話にとても合っている。

ギリシア神話の、
笑ってしまうほどの「業」が、
十分に伝わってくる本。
あと「理不尽さ」や「過剰さ」も。
「夢中さ」ゆえの。
posted by ドッチツカズオ at 22:34| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月02日

『現代詩手帖特集版 石垣りん』

思潮社。

「自作朗読CD」が付いている。
それを聴いていると、
彼女は謙虚なのか傲慢なのか、
さっぱりわからない。
そこがいい。

「わかんないことって素晴らしいですよね。」
シンプルな言葉で蓋し正論。

品のある健やかな口調で、
「父のはらわた」
なんて言葉が出てくる美しさ。
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『Solid State Survivor』

YELLOW MAGIC ORCHESTRA。
αEPIC。

「君に、胸キュン。」のPVを観て、
あらためて「悪ふざけ」「からかい」「やりすぎ」が、
パロディには必要不可欠なのだと思った。
映像と詩による「ダサさ」「モサさ」の表現は、
今もなお新しい。
そんななか音楽の方はもちろん極上、
というところが素敵。
映像の三人の「気持ち悪さ」は、
世界の見方に別の視点を与える。

ただこのアルバムに、
「君に、胸キュン。」は、
入っていないが。

音の「ひねくれた」ところと、
「ストレートな」ところとの、
バランスがとてもいい気がして、
このアルバムは大好き。

アナログ的な、
途轍もないグルーヴ感。
それでいてメロディアス。
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2015年10月25日

『表札など』

石垣りん著。
思潮社(思潮ライブラリー・名著名詩選)。

この詩集は伊藤潤二氏の漫画を読んだ後に、
読むべき本かもしれない。
言うまでもなく素晴らしい詩集で、
「ホラー」の要素がかなりある。

わざとらしいくらいの、
露骨な「ダブルイメージ」が鮮烈。

自分の書いている詩が、
冗談(笑い)になりうるという認識が、
著者にあったかなかったか判断に迷うところ。
(最初から明らかに「笑い」を狙っている詩は除く。)
究極的にはどちらでもよいが、
私は「なかった」に一票。
そう思った方が面白い。
過剰さはどうしても笑いになる。
posted by ドッチツカズオ at 16:51| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『富江 上下』

伊藤潤二著。
朝日新聞出版(ASAHI COMICS)

『伊藤潤二傑作集1富江上』と『同2富江下』。
紙質が比較的よく「ノイズ」を感じずに読める。
これはこれでとてもよい。

怖くはない。
ただひたすらに、
気持ちが悪い。
生理的な不快感。
それが快感に転ずる。
「見るなのタブー」に近い。
私は煙草を吸わないが、
煙草を吸うのにも、
似てるのかもしれない。
依存性あり。

というのは、
『伊藤潤二自選傑作集』と同じ。
posted by ドッチツカズオ at 16:40| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『魔の断片(まのかけら)』

伊藤潤二著。
朝日新聞出版(Nemuki+コミックス)

座る拍子に一瞬だけ、
体から頭が離れるシーンは、
笑った。
posted by ドッチツカズオ at 16:28| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『伊藤潤二自選傑作集』

伊藤潤二著。
朝日新聞出版(ASAHI COMICS)

怖くはない。
ただひたすらに、
気持ちが悪い。
生理的な不快感。
それが快感に転ずる。
「見るなのタブー」に近い。
私は煙草を吸わないが、
煙草を吸うのにも、
似てるのかもしれない。
依存性あり。
posted by ドッチツカズオ at 16:07| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『酩酊の七変人』

喜多川歌麿作。
木版画。

素晴らしい象徴性。
映画『戦場のメリークリスマス』の、
最後のシーンで、
ハラとローレンスとの会話の中に、
「サケ(酒)」のことが出てくる。
それを思い出す。
「酔い続ける」ということ。

酩酊の七変人.jpg
posted by ドッチツカズオ at 15:48| 絵画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月19日

『落合博満 バッティングの理屈』

落合博満著。
ダイヤモンド社。

私は「野球経験者」ではない。
でもこの本はむやみに面白かった。

まず「謎解き」の要素がある。
丹念に証拠が挙げられ、
辻褄がいちいち合っている。

言葉の発想も、
シンプルなのに、
とても新鮮に感じる。
言葉の見せ方が上手い。
ぐいぐい引っ張られる。

自由さとストイックさとが、
同居しているのも快い。
野球以外のあらゆることに、
応用できそうな気がする。

太宰治が川端康成に送った手紙の中に、

 私に名誉を与へて下さい

という有名な言葉がある。
だからこそ太宰は、
より苦しいのだろうなと思った。
「打ち方」が悪くなってしまうので。

「野球経験者」でもないのに、
目から鱗が落ちる感覚を、
何度も体験できた。
posted by ドッチツカズオ at 20:48| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ライヴ・アット・ザ・トーキョー・ドーム 1990』

ザ・ローリング・ストーンズ。
ワードレコーズ。

DVDとCDのセット。

ビル・ワイマンのベースが、
メロディアスでゾクゾクする。

映像に関しては、
昔テレビで放映されたものの方が好き。
posted by ドッチツカズオ at 14:58| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『美女の日本史』

宝島社(別冊宝島2399号)。

幕末から昭和初期にかけての、
女性の古写真を集めて、
解説を加えた本。
わりとあっさりした本で、
私は好き。
posted by ドッチツカズオ at 14:34| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『富江 上巻下巻』

伊藤潤二著。
朝日新聞出版(ASスペシャル)。

全ての物語には、
『富江』のような「過剰さ」が、
必要不可欠だと思う。

裸になった浜口の姿が出てくる、
いちばん最初のコマの破壊力。
タランティーノ的でさえある。

雑誌のような作りと紙質とが、
「過剰さ」とともに、
「安っぽさ」も強調していて、
「本」として傑作だと思った。
posted by ドッチツカズオ at 14:12| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月12日

『ゴドーを待ちながら』

サミュエル・ベケット著。
安堂信也/高橋康也訳。
白水社。

「パリ直輸入の爆笑コメディ」というのが、
アメリカの初演時の惹句だったと「解題」にある。
「早々にして公演中止となった」そうだが、
この惹句自体は間違ってない気がする。
posted by ドッチツカズオ at 20:16| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『Dolls ドールズ』

北野武監督。
バンダイビジュアル。

十年以上前に初めて観た時、
退屈な映画だと思ったが、
今日観直して驚いた。

談志が八代目文楽の落語をたとえて言った、
「ルノアールの絵」のようでもあり、
バタイユの『眼球譚』のようでもある。

トルナトーレ的な幻想とも思った。
江川卓『ドストエフスキー』に出てくる、
「ヴェルテップ」も連想する。

大袈裟?

ご都合主義で、
センチメンタルだからこそ、
全く飽きなかった。
posted by ドッチツカズオ at 19:51| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『おぎやはぎの110番』

塚田秋春監督。
ローランズ・フィルム。

このDVDは私に合うらしく、
観る度にのたうちまわって笑う。
posted by ドッチツカズオ at 19:05| 映像 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月07日

『ヴードゥー・ラウンジ』

ザ・ローリング・ストーンズ。
東芝EMI。

二十年前は実のところ、
さほど感じなかったが、
最近聴き直して今更ながら、
名曲ぞろいのアルバムだと気がついた。

歌も演奏も全員絶好調。
チャーリー・ワッツ最高。
ドン・ウォズの「音」も好き。

キース・リチャーズが、
ベースを弾いている曲があるが、
ビル・ワイマンのベースに近い気がする。
posted by ドッチツカズオ at 01:49| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月04日

『名張毒ブドウ酒殺人事件 六人目の犠牲者』

江川紹子著。
岩波現代文庫。

奥西勝氏が亡くなった。

この本を半日かけて読み直した。
抜群に文章のうまい江川氏が書くと、
カフカの小説のようで、
現代文学と言っていい気がする。
胸打たれた。

「死刑」や「冤罪」という言葉を聞くと、
いつも次の言葉を思い出す。

 死んでるのは俺だけども、
 死んでる俺を抱いてる俺は、
 どこの誰だろうなあ。

五代目古今亭志ん生「粗忽長屋」から。
「人間とは?」と考えてしまう。
posted by ドッチツカズオ at 22:57| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月03日

『「バカになれる男」の魅力』

潮凪洋介著。
三笠書房。

熱い思いも感じられるが、
かなり打算的なところがいい。
例えば永井荷風の自己演出のよう。
古屋雄作監督『カリスマ入門【第一巻】』と紙一重。

この強く妙に清々しい語り口に、
騙されなくてはならない。
その方が精神衛生上すこぶるよい。

もちろんこれは皮肉ではなく称賛。
posted by ドッチツカズオ at 21:10| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月28日

『クロスアイド・ハート』

キース・リチャーズ。
ユニバーサルミュージック。

惹句に「これぞキース・リチャーズ!!」とある。
ありきたりなことを、
恥ずかしげもなく平然とやってのけ、
それでいてどこを切っても、
「キース・リチャーズ」になってしまう、
というのがすごい。
ギターのタイミングやフレーズや音色、
ヴォーカルのニュアンスなどが、
生理的快感に満ちていて、
依存性あり。
ドラムスもいい。
posted by ドッチツカズオ at 11:40| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『話術』

徳川夢声著。
白揚社。

首肯しかねる部分もあるが、
語り口の切れの良さと、
独特の文体とが気持ちよく、
生き生きとした、
考える材料が提供されるので、
読んでいて楽しい。
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2015年09月16日

『パスト・マスターズ』

ザ・ビートルズ。
ユニバーサルミュージック。

「DISC2」がすごい。
原則ビートルズのシングル曲を、
発表順に収録しただけの雑なつくり。
そして他のアルバムに収録されているシングル曲は、
ヴァージョン違い以外収録されていない。
でもそれらが功を奏している気がする。
いわゆる「サイケ時代」の曲や、
『アビイ・ロード』の曲は、
このアルバムに合わないと思う。
加えて偶然による曲順も絶妙。
このアルバムの締めくくりは、
「ユー・ノー・マイ・ネーム」以外に、
考えられない。
賛否のある「リマスター」も私は好き。
posted by ドッチツカズオ at 08:51| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月11日

『ヨーコさんの“言葉”』

佐野洋子/文。
北村裕花/絵。
講談社。

古今東西の哲学者や心理学者の本が、
児戯に見えてしまう。

「その4 大きな目、小さな目」は、
一見ありきたりで陳腐に思えたが、
ピカソが自分のある種の「凡庸」さに嫌気がさした、
というような著者の視点が面白かった。

全ての文章に現実的な救いがある。
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2015年09月02日

『ベートーヴェン:交響曲全集』

ジョン・エリオット・ガーディナー指揮。
ポリドール。

ベートーヴェンの交響曲は、
ガーディナー指揮のものが好き。
交響曲「Pastorale」は「冗談」かもしれない。
あらゆる局面で「深刻」にならない。

そういう意味では、
ボブ・マーリィの、
「No Woman No Cry」に、
ちょっと近い気もする。
ジョン・レノンの、
「Woman is the Nigger of the world」にも。

我田引水の解釈か。
posted by ドッチツカズオ at 17:51| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月16日

『立川談志まくらコレクション』

立川談志著。
和田尚久構成。
竹書房文庫。

素敵。
posted by ドッチツカズオ at 08:39| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月13日

『心を読みすぎる』

前原由喜夫著。
京都大学学術出版会。

副題に、

 心の理論を支える
 ワーキングメモリの心理学

とある。

「心を読みすぎる」ことは、
「自分の心の不適切な投影にすぎない」。
その通りと言うほかない。
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2015年07月26日

『20世紀のじみへん』

中崎タツヤ著。
小学館文庫。

笑った。
精神の運動が感じられる。
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『常展解説書2 上湧別のあゆみ』

上湧別町ふるさと館JRY発行。

上湧別町ふるさと館JRYは、
思っていたより見ごたえがあった。
展示物は屯田兵関係のがメイン。
当時の生活の実感のある物や、
現在と繋がっている物に、
イメージが広がる。
掲示されているデータや解説、
当事者からの聞き書きも面白かった。
発掘物の展示もシンプルでいい。
一つの町の歴史はどこに限らず、
普遍性のあるものだなと感じた。
posted by ドッチツカズオ at 00:54| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月25日

『挑戦せずにあきらめることはできない』

マイケル・ジョーダン著。
楠木成文訳。
ラモス瑠偉監訳。
ソニー・マガジンズ。

「恐怖心は幻想だ」。
「近道はない」。
一流の方の言葉はシンプル。
あまり奇を衒わない。
それが逆に「奇」のような気もする。
陳腐な言葉だからこその、
妙な快感もある。
posted by ドッチツカズオ at 23:48| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月21日

『仰天・プロレス和歌集』

夢枕獏著。
集英社文庫。

『源氏物語』を頂点として、
その流れを汲む傑作では。
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2015年07月19日

『芭蕉の恋句』

東明雅著。
岩波新書。

虚構が超現実的。
伝統の力。
この本を読んだ、
正岡子規や斎藤茂吉の、
感想が聴きたい。
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『愛の渦』

三浦大輔監督。
東映。

映画の始めから終わりまで、
登場人物たちの言動や表情等が、
ものすごく「論理的」。
その方が「曖昧」になって、
イメージが広がる気もする。
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2015年07月11日

『寺山修司演劇論集』

寺山修司著。
国文社。

寺山修司の論文には娯楽性がある。
内容もさることながら、
ひとつひとつの文に、
著者の精神の運動が感じられて、
快い。

寺山的な芸術の、
総論ともいえる気がする。
読み終える頃には、
日常生活と、
演劇(芸術)との境界線が、
希薄になる。
そのこと自体が祝祭・救済。
聖典に近い。
人々が心霊現象を怖がるように、
神話(呪術)と現実との間には、
境界線がない。
多田智満子『長い川のある國』にも通ずる。

不気味不吉畏怖滑稽、
いろいろな形容があるが。

JUNZO著『人生ドラクエ化マニュアル』は、
実のところシュルレアリズム的なのかも。
映画『サーティーン・デイズ』には、
処世的な戦略とも言える事柄が、
無数に描かれている。
教育と芸術は水と油?
道徳的感傷のある芸術は嫌い。
解釈の問題?
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2015年07月10日

『知里真志保の「アイヌ文学」』

知里真志保著。
クルーズ。

面白さは抜群。
アイヌ文学のことを語りながら、
もっと普遍的な文学史を、
語ってしまっている気がする。
とくに第一章や第二章あたり。
折口信夫っぽい。
感動的。
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2015年07月09日

『フラッシュポイント』

ザ・ローリング・ストーンズ。
東芝EMI。

ロックやブルースのファンで、
そのアーティストの作品が、
明るく楽しい傾向になってくると、
それは堕落だという方がいるらしい。
最近のストーンズは(ディランも)、
どちらかといえば明るく楽しい。
ただそもそもがそうだったのではないかと思う。
円熟してスケールが大きくなればそうなる、
ともいえるかもしれないけれど。
最近のストーンズを「新古今集」とすると、
このアルバムは「古今集」のよう。
一種の「ルールブック」で、
以降そのルールを踏襲したり崩したりして、
演じつづけている気がする。

ビル・ワイマン最高。
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『自虐の詩 上下』

業田良家著。
竹書房文庫。

男だ女だというのは、
あまり好きではないが、
この本に限っては、
フェミニズム的に、
論じてはならない、
という気がする。
仮に登場人物すべての男女が、
入れ替わったとしても、
この漫画の本質に、
何ら影響がないと思う。
暴論かもしれないが。

登場人物たちに先へ先へと、
ぐいぐい引っ張られる。
漱石やドストエフスキー以上かも。
心の機微の描き方が素敵。
それらが積み重なって、
祝祭と救済になっていき、
絵柄から最初は想像できないが、
読み進めるうちに、
作品のスケールの大きさと、
凄まじいエネルギーとに気づく。
台詞などの気障りさは、
どうでもよくなる。
たいてい気になってしまうようなことも。
圧倒的な積み重ねの力のせい。
言いようがないくらい、
美しい漫画。
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2015年06月28日

『長い川のある國』

多田智満子著。
書肆山田。

読んでも読んでも飽きない。
最も優れた日本語の詩集の一つだと思う。
植物動物地球太陽宇宙と人間とのかかわりを、
あるいは様々な個人的内省を、
ひいては人間の社会全体を、
あらゆる言葉の技術を使って描き切っている、
と言っても言い過ぎではない気がする。
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2015年06月27日

『プロ野球「背番号」雑学読本』

手束仁著。
イースト・プレス。

ソートイ『素数の音楽』と似たような楽しさ。
そのこと自体も面白かった。
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『アシモフの雑学コレクション』

アイザック・アシモフ著。
星新一編訳。
新潮文庫。

約三十年前の本。
そのころ夢中になって読んだ。
読み直してみると、
今でもやたらに面白い。
この本の、

 地球を生命の星としておける太陽の寿命は、
 およそ110億年、
 もうその半分が過ぎた。

あるいは、

 地球上に存在したすべての生物の、
 九十九パーセントが、
 すでに絶滅している。

という記事は例えば、
『宇宙が始まる前には何があったのか?』
(ローレンス・クラウス著/青木薫訳)の、

 宇宙の始まりに目を向けて、
 われわれを構成する物質が、
 時間の始まりのときに起こった
 何らかの量子的プロセスで生じたのなら、
 それもいずれ消滅するのはほぼ確実だ。

というような記述とも相まって、
無常観をかきたてられる。
そしてなんとなく安堵する。

また『アシモフの…』には、

 恐怖は、心理的なものとは限らない。
 狂犬病ウイルスにやられると、
 水を見たり、水の音だけでふるえてしまう。
 古代ギリシャ人は、水への病的な恐怖と思い、
 恐水病と呼んだ。

という記事がある。
アランの『幸福論』とリンクする。

また、

 ビクトリア女王の時代には、
 それ以前からだが、
 イギリス人の多くは、
 赤ちゃんが乳を飲む時、
 品性をも吸収すると信じていた。(後略)

という記事からは、
『知的好奇心』
(波多野誼余夫/稲垣佳世子著)
を連想する。

…そういった楽しさもある本。
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2015年06月24日

『ブルース・オン・ハイウェイ49』

ビッグ・ジョー・ウィリアムス。
Pヴァインレコード。

ぶっきらぼうに歌っている風で、
実は極めて繊細でテクニカル。
むしろ「ぶっきらぼう」には聴こえない。
歌の「間」や「語尾」のニュアンスは、
肩こりのつぼを押された気持ちよさ。
いわば「ずれ」や「欠け」や「裏切り」と、
「正しさ」とが組み合わさる快感。
アルバム冒頭の語りから既に。
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『キッズ・リターン』

北野武監督。
バンダイビジュアル。

あらゆる立場の人間の、
おそらく誰にでも経験のある、
いろいろな感情が描かれていて、

 いいフィルムを見たときに
 つうんとくる涙つぽい種類の快よさ
(室生犀星「珍しいものをかくしてゐる人への序文」)

を感じさせられる。
それから、

 わたしが受けた感銘は
 かなりに繊く鋭どかつた
(同上)

などという表現も私にとっては、
この映画にもぴったり。
ひとつひとつの場面にもれなく、
そういった「感銘」がある。

いちばん最後の台詞の直前、
「おいシンジやめろよ」
と言うマサルの姿には、
イメージがさらに広がる。

こういったことを描くには、
作家(監督)の「照れ」が、
より効果的なのだと思った。
posted by ドッチツカズオ at 21:01| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月14日

『翻刻 坊っちゃん』

夏目漱石著。
愛媛新聞社。

鬱病っぽい「気にしすぎ」を、
自虐的に笑い飛ばすような勢いがある。
むしろ「憎しみ」に近い気もする。
もちろん病的なのは「おれ」。

笑いの材料は古く(当然だが)、
読んで気恥ずかしくなることもあるが、
笑いの方法論に限っては、
いまだに全く遜色がないのでは。

漱石が「神経衰弱」の療養のために、
二週間で書き上げたエネルギーのすごさが、
文体から感じられる。

それから清の存在感たるや。

漱石が教師として在籍していた学校で、
生徒たちが口遊んでいたという、
教師たちのあだ名(いわば悪口)の数え歌が、
注として載っている。

ひょっとしたら、
小説中の「イナゴ」事件の時のような、
生徒たちの屁理屈も、
教師の名誉なのかもしれないと思った。

正字正仮名を読む楽しさもある本。
当時の誤植や脱字まで再現されている。
今となっては永遠の謎「二字アケル」も。
posted by ドッチツカズオ at 18:35| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年06月13日

『JACARANDÁ ジャカランダ』

しりあがり寿著。
青林工藝舎。

非常に「ストレート」。
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2015年06月09日

『正倉院美術館』

米田雄介/杉本一樹編著。
講談社。

素晴らしい本。
コンパクトなのもいい。
歴史的(活字的)な人物(人々)が、
血肉をもって迫ってくる感覚が好き。
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2015年06月07日

『説明力』

福田健著。
海竜社。

国語(日本語)の教科書と言っていい気がする。
こういうことを中学校や高校で教えるべき。
(というよりも私が教わりたかった。)
その後の人生が変わると思う。
山本昭生『話し方超整理法』もまた。

文学作品も「説明力」が基となっているはず。
あえて「説明力」の範を外している作品であっても。
よい意味で「あえて」でないこともあると思うけれど。
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2015年06月06日

『ドウブツマンガ』

しりあがり寿著。
朝日新聞社。

いろんな面のさじ加減が素敵。
中毒性(依存性)あり。
何度読み返しても、
そのたびに心をくすぐられ、
なぜか妙に安心する。

簡潔で断定的なのに幽玄。
無心体でもあり有心体でもある。
不思議。

絵と言葉で様々な感覚が描かれていて、
それを味わいたくてつい観てしまう。
そして胸打たれる。

世界(宇宙)を楽しむ案内のようでもあり、
社会のあらゆる側面を描いている気もする。
そういう意味では聖典に近い。
そのせいでも笑ってしまう。

 ヘビで
 この効き目
 いわんや象

歌ごころもある。
また笑う。
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2015年06月01日

『詩を書くということ』

谷川俊太郎著。
PHP研究所。

谷川氏のおしゃべりは、
いつも明快で分かりやすい。

本の最後の方に、
谷川氏の「「拒む」」という詩が、
載っている。

 山は
 詩歌を
 拒まない

 雲も
 水も
 星々も

 拒むのは
 いつも
 ヒト

 恐怖で
 憎しみで
 饒舌で

絶望と希望とが、
一筆書きされているようで、
とても美しい。

「話す」ということそのものに、
谷川氏がうれしい気持ちを持っているのが、
伝わってくる。
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『僕といっしょ 全4巻』

古谷実著。
ヤンマガKC。

精神の運動の持続性(粘り強さ)による、
吸引力が半端ではない。
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2015年05月30日

『明るい部屋』

ロラン・バルト著。
花輪光訳。
みすず書房。

ゆっくりゆっくり、
論理を辿りながら読むと、
逐次的に楽しめる本。
気分なり感覚なりを、
完全に伝えようとしての、
語句や文の随時的な言い替えが、
読書の快楽を感じさせる。

「無視をすること」(いわゆる「シカト」)は、
無視をしているということにならない。
何かを心に留めて無視しているわけだから。
「はい!わかりました!」と言って、
聞き流すことが本当の意味での無視。
だから「シカト」は、
随分「真面目な」行為のような気がする。
几帳面でストイックな。
言葉を弄しているわけではない。
「シカト」をしている人には、
私の言っていることは分からないだろうな。
もちろん「シカト」は人間としてやってはいけない。

『明るい部屋』を読んでいると、
心を分解していくような感覚になる。
それでつい読むのを中断して、
いろいろな場合の心理現象について、
ぼんやり考えてしまう。
それもまた楽しい。
posted by ドッチツカズオ at 21:24| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月26日

『昔ばなし あの世とこの世を結ぶ物語』

古川のり子著。
山川出版社。

副題の一点のみで、
多くの昔話を解けそうなのが、
とても美しい。
武者小路実篤の詩、
「進め、進め」のような、
凄まじさもある。
つい笑うことが、
この本の正しい読み方かも。

ちなみに「進め、進め」は、
新潮文庫『武者小路実篤詩集』所収の方。

 自分達は後悔なんかしていられない、
 したいことが多すぎる
 進め、進め。

 麦が出来そこなった!
 それもいゝだろう
 あとの為になる
 進め、進め。

 家が焼けた!
 それもいゝだろう
 新しい家がたつ
 進め、進め。

 人がぬけました
 仕方がない、
 更にいゝ人が入るだろう、
 進め、進め。

 何をしたらいゝのかわからない!
 しなければならないことを
 片っぱしからしろ、忠実に。
 進め、進め!

 こんな歩き方でもいゝのか。
 いゝのだ。
 一歩でも一寸でも、信じる道を
 進め、進め。

 神がよしと見た道は
 まちがいのない道だ
 進め、進め。

 兄弟姉妹の
 幸福を祈って
 進め、進め。

 つい足をすべらした、
 かまわない
 過ちを再びするな
 進め、進め。

 後悔なんかしていられない、
 したいことが多すぎる
 進め、進め。

この詩の本質は狂気。
posted by ドッチツカズオ at 15:07| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『博士の異常な感情』

スタンリー・キューブリック監督。
ソニー・ピクチャーズエンターテインメント。

久しぶりに観た。
同系譜に属すると私が思う映画として、

『パルプ・フィクション』
『サーティーン・デイズ』
『マグノリア』
『シッコ』
『マルホランド・ドライブ』

なども連続して観た。
何度観てもいいものはいい。

めげない、
単純に考える。
苦言は宝と捉える。
過去の失敗は気にせず反省する。
余分なもの(感情を含む)を取り除く。
にげない、
不安(恐れ)を飛ばす。
失敗を怖がらない。
嫌な感情にさせる(させた)はず、
と想像しない。
くらべない、
自分の愛好者になる。
駄目な自分を楽しむ(笑う)。
理想を熟慮する(自分・家族・仕事上)。

映画を観ながら、
自然に感覚的に、
そんなことを考える。
笑った。
そういう意味では、
『マルホランド・ドライブ』の、
「“カウボーイ”か」は名台詞。
頓悟するとはこういうことか。
posted by ドッチツカズオ at 13:24| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月25日

『ヨーロッパ文化と日本文化』

ルイス・フロイス著。
岡田章雄訳注。
ワイド版岩波文庫。

イマジネーションのブレーキを、
きれいに外してくれる本。
古川のり子『昔ばなし』を読んだ後、
この本を読み直したので尚更かも。
『ガリバー旅行記』のよう。

訳者による「解題」に、

 英語にtopsy-turvydomという言葉がある。
 顚倒、さかさま、あべこべの意味である。

とある。
一つの発想法の表現としても、
とても魅力的な言葉。
posted by ドッチツカズオ at 00:24| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月10日

『嫌な感情の愛し方』

宇佐美百合子著。
サンクチュアリ出版。

シンプルで、
力のあるタイトル。
これもまた、
心の工夫のオンラインヘルプのような本。

この本にある言葉そのままではないが、

めげない、
単純に考える。
にげない、
不安(恐れ)を飛ばす。
くらべない、
自分の愛好者になる。

…というような種類の言葉は、
昔(古代)から需要があったんだろうな。
原始仏典も『聖書』も結局は、
こういうことを言っているだけのような気がする。
乱暴か。

そういえば話は違うけれど、
『菜根譚』が本国ではあまり読まれなかった、
というのを知りちょっと面白かった。
posted by ドッチツカズオ at 23:14| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『マグノリア』

ポール・トーマス・アンダーソン監督。
ポニーキャニオン。

何度観ても救われる、
美しい映画。
posted by ドッチツカズオ at 19:24| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『サーカスの小びと』

エーリヒ・ケストナー著。
高橋健二訳。
岩波書店。

名作の名訳。
堂々たる現代文学では。
posted by ドッチツカズオ at 18:37| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『幸福論』

アラン著。
田中裕子訳。
幻冬舎エデュケーション。

総則。
労力と大胆さを感じる翻訳。
賛否はあるだろうけども、
もしアランが日本語を理解し、
この翻訳を読めばきっと、
そうそう私が言いたかったのは、
と言うのではないかしら。
訳者もおそらく、
アランと同じことで、
悩んでいる(いた)に違いない。
心の工夫のオンラインヘルプのような本。

生理的な「不安(恐れ)」を、
小鳥のように飛ばせば、
戻ってくるのは「理想」。

シューベルトの歌曲(詩はゲーテ)「魔王」の、
「魔王」は「不安」の表象とも言える。
いくつか解釈ができると思うが、
「父」を賢明と見れば。

ちょっとの不安や苦しみは必要、
というのも上手い気がする。
そういう上手さが随所に。
posted by ドッチツカズオ at 18:09| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『高校生のためのアドラー心理学入門』

岸見一郎著。
アルテ。

頭の良い方が易しく書いた本は素敵。
当然ながら本当に頭の良い方しか、
難しいことを易しく書けない。
posted by ドッチツカズオ at 17:43| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『世界は一冊の本』

長田弘著。
みすず書房。

長田弘の詩は、
陳腐さとぎりぎりの、
分かりやすい詩という気がして、
そのスリルも好き。
とくにこの詩集は。
亡くなられたのが本当に残念。
八十代の詩が読みたかった。
posted by ドッチツカズオ at 17:10| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月05日

『自註鹿鳴集』

会津八一著。
岩波文庫。

池内紀『文学フシギ帖』でいうところの、
「注解文学」の面白さ。
入沢康夫『わが出雲・わが鎮魂』や、
田中康夫『なんとなく、クリスタル』のような。
歌が全て平仮名であることも、
「注解文学」に適している気がする。
posted by ドッチツカズオ at 20:27| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『文学の淵を渡る』

大江健三郎/古井由吉著。
新潮社。

とにかく話が面白い。
posted by ドッチツカズオ at 20:03| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月04日

『教師に元気を贈る56の言葉』

山田洋一著。
黎明書房。

細則。
あえて「この本は詩集だ」と言うと、
相田みつをの作品を詩だと考えていない方には、
あるいはそうでない方にも、
一笑に付される気がするけれど、
それなら武者小路実篤の詩も詩ではない、
八木重吉の詩だって、
茨木のり子の詩だって、
吉野弘の詩だって、
詩ではないことになってしまう、
などと最近考えるようになったが、
その論法が強引であることは認識している。
体力が落ちて乱暴になった?
進化?
退化?
posted by ドッチツカズオ at 22:27| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ライヴ・イン・ワシントン 1976』

ザ・バンド。
KEYHOLE。

相変わらず抜群の安定感のある演奏だけれど、
崩壊の気配も感じられるところが素敵。

リチャード・マニュエルの声が荒れている。
けれどスリルもあって嫌いではない。

ひょっとしたらこのアルバムが、
ザ・バンドの最高傑作では。
以前ザ・バンドの違うアルバムに対しても、
同じことを書いた気がするが。
繰り返しずっと聴いていても全く飽きない。

独特のグルーヴ感。

自分の鈍感さを白状すれば、
「King Harvest(Has Surely Come)」のよさに、
このアルバムを聴いて今更ながら気づいた。
posted by ドッチツカズオ at 01:14| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『辻征夫詩集 みずはつめたい』

辻征夫著。
水内喜久雄選著。
大滝まみ絵。
理論社。

全体に優しい無常観というようなものを感じたけれど、
二十年前なら生理的に受けつけない種類の詩だったかも。
吉野弘の詩が嫌いだったように。
露骨でない言葉の魔術に気づかなかったと思う。
きっと今でも気づいていないことがあるだろうな。
ひとつひとつの詩が鮮烈で精神衛生上よいので、
長い付き合いとなる気がする本。
posted by ドッチツカズオ at 00:08| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年05月02日

『世界のむかしばなし』

瀬田貞二訳。
太田大八絵。
のら書店。

カフカの短編小説に近い気がする。

「くりかえし」は麻薬。

明るい理不尽さと明るい不条理さに、
人間の業を感じてしまう。

訳文はもちろん素晴らしい。
posted by ドッチツカズオ at 18:51| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月25日

『生きながら死んでいる』

石塚美奈子著。
日本文学館。

表紙も含めて、
若い!
posted by ドッチツカズオ at 21:00| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ブッダの言葉』

中村元。
新潮CD講演。

この講演も『武者小路実篤詩集』を経由して聴くと、
以前とはまた違った味わいがあった。
でも原始仏教はどこか、
寂しい孤独な感じがするのはなぜだろう。
posted by ドッチツカズオ at 11:11| 音声 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『置かれた場所で咲きなさい』

渡辺和子著。
幻冬舎。

『面倒だから、しよう』も。
以前はこういう本は自分とは縁遠いと思っていたが、
『武者小路実篤詩集』(亀井勝一郎編)経由で読むと、
とても面白く読めて「あたりまえ」の美しさを再認識した。
posted by ドッチツカズオ at 10:53| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『狂風記』

石川淳著。
集英社。

大学の図書館でこの本を見つけて、
ふと手に取って読み始めた冒頭の十数行で、
石川の日本語の凄さを感じて読み耽ったものだった。

 山の下の、ここにもゴミの散つた裾野のけしきの中に、
 つい近くのにごつた川から吹きつける風に舞つて、
 落ちて来た屑の一つの、これが人間のかたちを取つて、
 シャベルを突いて立つたところは、ともかく男と知れた。
(原文の漢字は全て正字。)

…なんて部分は助詞の使い方の絶妙さもさることながら、
小説でこんなことをしてよいのかと思った。
posted by ドッチツカズオ at 09:21| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『スキャンダルの世界史』

海野弘著。
文藝春秋。

著者はまず「プロローグ」で、
「スキャンダルとはころぶことである」と定義して、

 バナナにすべってころぶと、
 それを見ていた人は、
 おかしいので笑う。(中略)
 もちろん当事者やそのまわりの人にとっては
 悲劇かもしれないが、
 それを見ている人には喜劇なのだ。

と続ける。
自明のことのようにも思われるが、
あえて言われてみると楽しくなる。

 スキャンダルは、
 人間はみな同じだ、
 という平民主義からきているのかもしれない。

「あとがき」より。
笑った。

こういうアンソロジーは好き。
posted by ドッチツカズオ at 01:12| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『あなたも書けるシナリオ術』

三宅直子著。
筑摩書房。

カバーに、

 あなたにしか書けない題材やテーマがあるはず。
 めげない、逃げない、比べない、が3原則。
 書くことに支えられて、
 落ち込んでもまた元気に生きていける。

とある。
原始仏教的。
posted by ドッチツカズオ at 00:27| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月24日

『グリム童話集』

ヤーコブ・グリム/ウィルヘルム・グリム編集。
高橋健二訳。
国土社。

心理描写がシンプルこの上なく、
しかも強靭で薬として良い。

訳文の日本語がまた上質で、
歌ごころがあって、
読んでいると逐次的に、
すっきりした気分になる。

最近はシンプルなものに惹かれる。
自室の壁に「ゲルニカ」の絵葉書を貼っていて、
意外にとてもシンプルな絵だと気づき、
ふと眺めては励まされている。
posted by ドッチツカズオ at 23:06| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月22日

『小熊秀雄詩集』

小熊秀雄著。
創風社。

叫んで読むと気持ちがよい気がする。
「厄除け」に。
posted by ドッチツカズオ at 23:20| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ナッシュビル・スカイライン』

ボブ・ディラン。
ソニー・ミュージックエンタテインメント。

芸術家はみんなそうかもしれないけれど、
このアルバムを聴くと、
ディランは間違いなく、
「ボブ・ディラン」のファンだと思う。

それにしてもディランの歌ごころたるや。
微妙な歌い方のニュアンスがたまらない。
わかりやすいメロディを、
紋切り型のアレンジにのせて、
「たばこをやめた」声で、
気持ちよさそうに歌っていて、
聴いているこちらも、
生理的に心地よい。

自分が積み重ねてきたものを蹴とばして、
平気でいるところが素敵。
ピカソのように。
もちろん本人は「蹴とばした」なんて、
全く思ってない気がするけれども。
そこもいい。
posted by ドッチツカズオ at 23:11| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月19日

『縄文美術館』

小川忠博写真。
小野正文/堤隆監修。
平凡社。

「あやしい美」に溢れているけれど、
純粋で可愛い感じもして、
そのギャップに胸打たれる。
posted by ドッチツカズオ at 16:25| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『夢十夜』

夏目漱石著。
小川道子朗読。
横浜CD文庫。

北海道立近代美術館で昨日、
菊川多賀展を観た。
展示されているのは十数点だったが、
1950年代中盤以降の作品群は、
特に凄かった。

会場に菊川自身が書いた文章からの、
抜粋が挙げられていた。

 私はいわゆる写生旅行とか絵画の研究の目的の旅行なぞ
 ほとんどしたことがありません。
 絵を志す前から虚弱体質でしたが、
 私には病気がいつもつきまとって
 旅行への夢を与えてくれなかったのです。
 ですが病室の壁のしみが、
 いろいろの構図を作ってくれましたし、
 日照りつづきの地面のひび割れが
 面白い幾何学模様を見せてくれます。
 古い地下鉄のうす暗がりの天井から
 壁に伝う水滴の汚れなぞに、
 あやしい美を感じたりしました。(中略)
 身辺の狭い環境の中で画作することは
 視野を狭くするなぞとは思われません。(中略)
 すべての生命を感じ取り
 また見えないものを見ることが出来るようになれたなら
 また新らたな道が開けることを、
 限られた世界の中で絵画を模索します。

菊川の絵の「あやしい美」に、
惹きつけられる。

菊川はピカソやマイヨールやクレーが好きだと言っていた、
という記事を読んだことがあって、
その技術的な部分もまたぞくぞくする。

漱石の「夢十夜」の魅力も、
「あやしい美」ではないか、
という気がする。
posted by ドッチツカズオ at 16:17| 音声 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月29日

『武者小路実篤詩集』

武者小路実篤著。
亀井勝一郎編。
新潮文庫。

丸谷才一は『どこ吹く風』所収「お灸のすゑ方」で、
武者小路実篤の『人生論』をこう評している。

 読んでびつくりした。
 じつに詰まらない。
 呑気なことが呑気な口調で書いてある。
 しかも大まじめである。
 理屈もいちいちをかしい。
 退屈で欠伸が出る。

しかしその文章のすぐあとの「〔二伸のやうな文章〕」で、

 武者小路実篤の愛読者だつた人の書いた、
 武者小路会見記を読んだことがある。
 その人は多年にわたる尊敬のあげく、
 はじめて会つたのだった。
 ところが先客があつて、
 その先客である画商が画料を差出した。
 武者小路は、
 画料なんかどうでもいい、
 みたいな態度で、
 それを畳の上に置いたまま高尚な話をしてゐた。
 そこへ武者小路夫人がとつぜんはいつて来た。
 武者小路は大あわてで画料を隠した。
 そのせいで愛読者はたちまち尊敬の念を失つた、
 といふのである。
 読み方が浅薄だつた。

と反省している。
実篤の詩もそのような読み方をすると、
ひねくれ者の腑にも落ちる。
実篤の詩が大好きになった。

この詩集から強烈なものを一つ(「僕から見ると」)。

 僕から見ると
 自分は可愛いゝ。
posted by ドッチツカズオ at 16:04| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年03月01日

『捨てがたき人々』

榊英雄監督。
ジョージ秋山原作。
ハピネット。

原作を読んですごいと思ったものだった。
原作と映画とは別物と考えた方がよい気がする。
エンディングの違いに象徴されるように。
原作の勇介と映画の勇介は、
ある面で真逆の人間だと思う。
それに映画には「不細工」は登場しない。
でも映画は映画でとても面白かった。
原作とは別の美しさがあるように感じる。
原作にも映画にも妙に励まされた。
極限的な「ありのままの姿」というのは、
やはり非常に厳しいものなのだなと。
立川談志の「業の肯定」。

幸せそうに眠る、
京子の母とその愛人とを見つめる、
京子の微笑みの美しさ。

主題歌(榊いずみ「蜘蛛の糸」)も素敵。
posted by ドッチツカズオ at 10:11| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月22日

『絶望名人カフカの人生論』

頭木弘樹編訳。
新潮文庫。

単行本も好きだったので、
文庫化を機に読み直してみた。

横山奉行著『ポケット版「のび太」の生きかた』(アスコム)
芥川龍之介著『河童・或阿呆の一生』(新潮文庫)
河合レンほか著『実録!体験談 刑務所の中』(コアマガジン)

なども並行して読んだのだが、
たまたまかもしれないが、
これらの本が一直線上に並んだ気がした。
カフカものび太も芥川も囚人も案外(?)「幸福」。
もちろん囚人にはあまりなりたくないけれども。

藤子・F・不二雄の根の暗さは、
彼の短編を読むとよくわかる。

『絶望名人…』の「はじめに」を読むと、
翻訳家がいつも辻褄合わせに苦労しているように見える、
ビートルズ「ヘイ・ジュード」の最初の部分の歌詞、

 Hey Jude, don't make it bad.
 Take a sad song and make it better.

が、すんなりと理解できる。

同著者の、
『希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話』も楽しい。
posted by ドッチツカズオ at 14:35| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『折口信夫』

安藤礼二著。
講談社。

大学の卒業論文のテーマが「折口信夫」だった。
この卒業論文自体はインチキもいいところだったが、
折口信夫が描き出す古代の世界は妖しくて大好きだった。
だからこの本を読んでいると一々「のすたるぢい」を感じた。
もちろん折口本人の論文よりずっとわかりやすい。
posted by ドッチツカズオ at 14:08| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月15日

『謎解きフェルメール』

小林ョ子/朽木ゆり子著。
新潮社。

初めてフェルメールの画集で観てから御多分に漏れず、
「青いターバンの少女(真珠の耳飾りの少女)」が好き。
「モナ・リザ」もそうだけれど、
眉毛のないのが普遍性をより高めている気がする。
眉毛は時代を象徴してしまうので。
(もちろんそのことも楽しい。)
だから逆に眉毛をある程度自然なままに、
いわば「加工」していない、
ファッションモデルなどを見ても、
なんとなく普遍性を感じて面白い。
「わざとらしさ」や「人工的」というのも、
またそれはそれで別の普遍性があって面白いけれど。
posted by ドッチツカズオ at 10:12| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月14日

『事典 古代の発明』

ピーター・ジェームズ/ニック・ソープ著。
矢島文夫監訳。
東洋書林。

こういう本は読み始めるとやめられない。
博物館に行った気分になる。
時間旅行。

人間社会のあらゆる普遍的な部分が、
書かれている気がする。

ふと気づいたが、
英語の「pussy」の隠語的な意味と、
ギリシア文字「Ψ(psi)」の字形とは、
無関係なのだろうか。
スラングの語源としては、
ありがちなパターンのような気もする。
間違い?
それともよく知られている説?
posted by ドッチツカズオ at 21:37| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『鑑定士と顔のない依頼人』

ジュゼッペ・トルナトーレ監督。
ハピネット。

中山康樹『これがビートルズだ』に、

 だがビートルズがおもしろいのは、
 ここまで凝りながらも
 つねに完璧さより勢いを優先させたことだ。
 多少のミスがあっても
 勢いのあるほうをマスターテイクとする。

とある(「ホワット・ユー・アー・ドゥーイング」)。
トルナトーレ監督にもそういうところがある気がする。
星新一の名作と言われる、
ショートショート「鍵」の結末に似た情緒、
この映画の描写は全てそのための過程では。
多少の矛盾があっても「完璧さ」より、
その情緒へ向かう「勢い」を優先しているよう。
以前『マレーナ』や、
『海の上のピアニスト』などにもそう感じた。
トルナトーレ監督の「スケールの大きさ」が素敵。
posted by ドッチツカズオ at 16:40| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月12日

『或る男の断面』

宇野千代著。
講談社。

単行本はもちろん歴史的仮名遣い。
宇野千代は歴史的仮名遣いの方が読みやすい。
やはり文章が古典(古文)的だからのような気がする。
日本語的と言ってもいいけれど。
現代語による和文体。
posted by ドッチツカズオ at 22:25| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月08日

『ぼくのつくった魔法のくすり』

ロアルド・ダール著。
クェンティン・ブレイク絵。
宮下嶺夫訳。
評論社。

「教育上子どもに勧められない」本が、
大人も子どもも好きという証左。
posted by ドッチツカズオ at 20:32| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『水木しげる 妖怪画談』

平田敏夫監督。
コロムビアミュージックエンタテインメント。

日常生活が楽しくなる。
posted by ドッチツカズオ at 18:20| 映像 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月07日

『或る男の断面』

宇野千代著。
中公文庫。

著者自身の(あるいは読者の)、
心の働きを捉えた繊細な文体が、
好きな音楽を聴くように気持ちがよい。

各文末の処理のしかたのせいか、
事実を基にしたエッセイにもかかわらず、
妙に幻想的な感じがした。

文のつながり方や細かな省略のしかたが、
古典文学的(あるいは日本語的)な気がする。
posted by ドッチツカズオ at 23:44| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ゲーテ詩集』

ゲーテ著。
高橋健二訳。
新潮文庫。

詩「魔王」は子の幻覚を描いているのか、
何かのメタファーなのか、
ジョーク(カフカの書きそうな)なのか、
よくわからないところがいい。
父と子のやり取りは、
泣いていいのやら笑っていいのやら。
逆説的な意味で人間賛歌かも。
文語訳がまた仰々しくてよく、
あのシューベルトの歌とピアノのわざとらしさとも、
似合っている気がする。
posted by ドッチツカズオ at 23:17| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月06日

『シャドウズ・イン・ザ・ナイト』

ボブ・ディラン。
ソニー・ミュージック・ジャパン。

猫の目のように変わる、
ディランの声とボーカルスタイルとが、
また新しい時期に入ったのだろうか。
むしろそれらが、
『オー・マーシー』より前に戻ったような感じがする。
ひょっとしたら『ナッシュビル・スカイライン』や、
『セルフ・ポートレイト』くらいにまで(感覚的には)。
あるいはやはり「戻った」という表現はおかしいのか。
「ホワットル・アイ・ドゥ」などは、
『ストリート・リーガル』の頃の声に似ている。
「似ている」というのもまたおかしいか。

こういうアルバムを聴くと、
よりディランの歌のうまさがわかる。

アルバムのトータルの演奏時間が約35分間という短さも、
ディランのふてぶてしさが感じられて素敵。
ただディランのことだから、
何も考えていないだけかも。
でもそれならそれでまた素敵。

何度も何度も繰り返して聴きたくなる、
中毒性のあるアルバム。

追記。
全ての曲をシナトラと聴き比べてみた。
ディランのバージョンは、
バックの編成人数が全然違うのに、
かなりシナトラに「近い」と感じた。
情緒も(あるいは「も」ではなく「が」)。
ディランの敬意が察せられる、
誠実なカバーだと思われた(とくにボーカル)。
好み(趣味)の問題かもしれないが、
抒情性はシナトラを超えている気がする。
そういえば『ナッシュビル・スカイライン』では、
ディランはシナトラをかなり意識していたのではないか。
ボーカルがシナトラといえばシナトラのようだし、
アレンジも『シャドウズ…』に類似しているように思う。
これは既によく知られたこと?
posted by ドッチツカズオ at 21:58| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月02日

『18人の名歌手によるシューベルト:魔王』

リリー・レーマン(ソプラノ)他。
EMI。

収録されている18トラックが、
全てシューベルトの歌曲「魔王」。
古いものは1906年の録音。
いちばん新しいのでも1966年。
録音状態の比較的悪いものも、
「蓄音機」の雰囲気があって楽しめる。
(ただ優れた蓄音機の音は、
美しく決して「悪い」ものではない。)

ゲーテの詩を含めて歌曲「魔王」は大好き。
曲自体に現代的な要素のたくさんあることが素人でもわかる。

このCDを通して聴くと、
18回連続で同じ歌(曲)を聴くことになるのだが、
それぞれの歌唱と演奏に、
わかりやすい違いがあって飽きない。

現代のだとイアン・ボストリッジのが好き。
この歌(曲)は大袈裟な歌い方が似合う気がする。
posted by ドッチツカズオ at 20:21| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月25日

『終戦のエンペラー』

ピーター・ウェーバー監督。
松竹。

池内紀/山本容子『絵本ファウスト』に、

 ゲーテの『ファウスト』は全一万二千余行。
 これをかぎりなく少なくしていく。
 望遠鏡を逆さにして、
 どこまでもレンズをまわしたぐあいだ。

とある(池内紀「ひとこと」)。
この映画にもそれを感じた。

賛否の分かれている映画だが私は好き。
中庸を目指そうとしているのが、
ちょっとした場面やセリフからもわかる。
(それが成功しているかどうかはまた別の話。)
恋から延いては社会や文化を描こうとしているところも、
作品としてリスクがある描き方だと思うので、
監督の勇気を感じてしまった。

異なる文化の対置的な調和とは、
とあらためて考えてしまう。

当たり前だが、
映画というものは、
飽くまでフィクション。
posted by ドッチツカズオ at 13:07| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月17日

『内なる辺境』

安部公房著。
中央公論社。

久しぶりに再読。
安部公房のエッセイ(論文)全てに言えることだと思うが、
言葉にいろんな意味を付加していくのが巧みで、
内容も独特のものの見方で惹きつけられるけれど、
言葉遣いや文自体に、
読者をぐいぐいと引っ張っていく力があるので、
好きな音楽を聴くように同じ文章を何度読んでも心地よい。
posted by ドッチツカズオ at 15:54| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月16日

『日本昔話の型』

關敬吾著。
小澤俊夫補訂。
小澤昔ばなし研究所。

本編は90ページ足らずだが、
内容の圧縮度の高さがすごい。
たぶん一読すれば、
日本の昔話の全ての「プロット」を、
知ったことになるはず。

イメージの広がる本。
超現実的であり前衛的でもある。
狂気も魅力的。
映画『ザ・コーポレーション』を観るようでもある。

星新一は自分の作品が「民話」になることを願い、
自作の古びた部分の手直しを続けていた、
と聞いたことがあるが、
星新一のショートショートの、
こういう本があると面白い気がする。
現在は様々な問題があって不可能だろうが、
将来彼の作品が本当に「民話」になった時、
こんな本を出す方が現れるかも。
posted by ドッチツカズオ at 21:47| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月12日

『映像の世紀 全11巻 別巻1巻』

NHK制作。

自覚のないまま、
あるいは自覚しているつもりで、
あるいは自分はそうではないと確信して、
同じことをまた繰り返すのは、
防ぎようがないものなのかと、
ふと思い、
怖くなった。

何度観ても倦むことのないドキュメンタリー。
posted by ドッチツカズオ at 12:21| 映像 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『『古事記』神話の謎を解く』

西條勉著。
中公新書。

池内紀『カフカの書き方』のようで、
むしろ『古事記』の「作家」の頭の中が描かれる。
私はもちろん学者ではないので、
学術的に正しいか誤りかはわからないが、
想像性のある概説としてとても面白かった。
「第T章」はいわば日本語論の序の序で、
日本語の「DNA」を感じた。
posted by ドッチツカズオ at 11:48| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『創価学会と平和主義』

佐藤優著。
朝日選書。

視点の一つとして、
興味深く読んだ。
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2015年01月05日

『言葉が怖い』

向田邦子。
新潮CD講演。

久しぶりに聴いた。
またすっかりいい気分になってしまった。
語感の鋭さとそれに裏打ちされた、
言葉遣いの繊細さあるいは大胆さ。
posted by ドッチツカズオ at 20:32| 音声 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『教師のためのソーシャル・スキル』

河村茂雄著。
誠信書房。

学校以外のあらゆる場面にも通ずる気がする。
posted by ドッチツカズオ at 20:10| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年01月03日

『鑑賞 日本の名句』

『俳句』編集部編。
角川学芸出版。

元旦にこの本を読んでふと考えたことや、
思い出したことを書いておく。
自分にしかわからん書き方になる気がするが。
引用する俳句は全て『鑑賞 日本の名句』から。

 禪では、よく出る咄だが、
 擊竹の音を聞いて頓悟したといふ。

石川淳『夷齋風雅』「忘言」より。
そういうことってあるもの。

 去年今年貫く棒の如きもの

 年を以て巨人としたり歩み去る

虚子の有名な二句。
余裕があって大らかで、
あらゆることを曝け出して、
平然としているような感じ。
人間はかわいいもんじゃないか、
と言っている気もする。
アーノルド・ローベル『ふたりはいっしょ』の愛らしさ。
どこか寛容な態度。
大岡信氏は『百人百句』で、
虚子の「去年今年」の句について、

 季語が季語性を失ってしまっているところがあり、
 それが怪物性となっている。
 虚子は怪物のような人だという気がした。

と書いている。
いわゆる「前衛俳句」より前衛的では。
スケールがでかい。
巨視。

 虚子の忌の大浴場に泳ぐなり

辻桃子氏の句。
泳いでいるのは辻氏?
自分は運もよく幸せである、
と虚子が言っているように感じる。
不安と取り越し苦労との、
軽やかな関係。
それは本当にまずいのか。

 これよりは恋や事業や水温む

虚子。
動機の美しさを描いている気がする。
その動機のために周りを整える、
と考えると精神衛生上よい。
動機が連動する。

 そうして私たちは死と和解するための
 長い道のりの第一歩を踏み出した

谷川俊太郎『女に』「血」より。
これぞ動機。

 若い女性が、
 二時間も作品の前に立ちつくして、
 じっとにらんでいたが、
 「ああ、いやな感じ。」
 ぽつりとつぶやいたという。
 聞いて、私は、
 「それはいい。」
 とうれしくなった。

岡本太郎『歓喜』より。
ここには「のに」がない。
嫌われようとしている。
革新的かつ保守的。

 怒りは自動車のガソリンのようなものです。

寺山修司『両手いっぱいの言葉』より。
楽しくなってしまうのはなぜだろう。

 柔と剛
 虚と実を駆使し
 敗北の中に
 勝利を求める

映画『酔拳』(1978年)の字幕より。
安部公房の戯曲に「おまえにも罪がある」があるが、
罪とは何だろうと考えてしまう。
嫌われることは罪か。
意に反するのは罪か。
嘘は罪か。

 …and you put the load right on me.

ザ・バンド「ザ・ウェイト」より。
あるいは「はず」の幻か。

 忌はしい憶ひ出よ、
 去れ! そしてむかしの
 憐みの感情と
 ゆたかな心よ、
 返つて来い!

岩波文庫版『中原中也詩集』所収、
中原中也「修羅街輓歌」より。
ばかばかしいくらいの叫びで、
笑ってしまう。
これも詩。

 善人ナヲモテ 往生ヲトク
 イハンヤ 悪人ヲヤ

『歎異抄(現代語版)』(本願寺出版社)
付録「蓮如上人書写本」より。
(「ナヲ」は「ナホ」の誤りか。)
駄目さはもうばれているので、
白状してしまおうということ。

 どうだ
 あの院長
 ああいう
 わりきった所が私そっくり
 だろう?

手塚治虫『ブラック・ジャック』「B・Jそっくり」より。
「院長」は恥もプライドもなく、
淡々とわりきっている。

ジャック・フォスター『アイデアのヒント』に、
アイデアの豊富な人は決して「深刻」にならない、
いいアイデアは必ず思いつくものだといつだって信じている、
と書いてあった記憶がある。

 あんずあまさうなひとはねむさうな

室生犀星の句。
ちゃんと言おう。
田村隆一『1999』は、
カテーテル・アブレーションで、
試行錯誤をしながら、
「もれ」を隔離していくような詩集。

 We don’t have a permit.
 Run!

ティム・バートン監督『エド・ウッド』より。
心の工夫は必要なものである。
木槌で鉋の刃を調整するときのように、
ここを叩くとそうなるの、
と不思議に思うこともある。
消極と積極は裏表。

 硯洗ふ墨あをあをと流れけり

橋本多佳子の句。
パズルのピースが埋まるような快感。

 「思想は一つの意匠であるか」
 佛は月影を踏み行きながら
 かれのやさしい心にたづねた。

新潮社版『萩原朔太郎全集 第一巻』所収、
萩原朔太郎「思想は一つの意匠であるか」より。
難しいことは言わない方がいい。
夢を見すぎると時間に追われる。
それ以外は無駄だから。
自分の行動に合理的な(格好のいい)理由を、
つけたいだけじゃないか。
チクチクして気楽になる。

ラヴェル「ボレロ」(クリュイタンス、1961年)
マイルス・デイヴィス
「マイルス・ランズ・ザ・ヴードゥ・ダウン」
ボブ・ディラン「Desolation Row」
レッド・ツェッペリン「ブラック・ドッグ」
ザ・バンド「ザ・ウェイト」
ザ・ローリング・ストーンズ「ギミー・シェルター」
(『Saint Of Me』)
バッハ「マタイ受難曲 1.合唱」(リヒター、1958年)
リスト「ラ・カンパネラ」(辻井伸行、2014年)
坂本龍一「1919」(『1996』)
シューベルト「魔王」
(『18人の名歌手によるシューベルト:魔王』)
などの曲を聴いていると、
「頓悟」したような気分になる。

 さうして忘却の錨をとき、
 記憶のだんだんと消えさる港を訪ねて行かう。

新潮社版『萩原朔太郎全集 第一巻』所収、
萩原朔太郎「海港之圖」より。
自分の心の中で起きていることの意識。
容易いことから仕事をしたら「頓悟」したらしい、
石川淳「安部公房著『壁』序」のように。
仕事の因果律の快楽。
「仕事」は広い意味の言葉であって、
完璧を求めない。

 糸瓜咲いて痰のつまりし仏かな

正岡子規の絶筆三句の一句として有名。
こういう意気でありたいもの。
ビートルズ「ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー」の、
最後の笑い声。

 南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏。
 難有い難有い。

夏目漱石『吾輩は猫である』(新潮文庫版)より。
感謝。
posted by ドッチツカズオ at 03:02| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月21日

『酔拳』

ユエン・ウーピン監督。
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント。

 柔と剛
 虚と実を駆使し
 敗北の中に
 勝利を求める

飄々たる言葉。
版によって、
この部分の日本語字幕が、
微妙に違うようだけれど、
私は上の翻訳が好き。
posted by ドッチツカズオ at 17:32| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ほんとうの強さってなんだろう?』

石原加受子著。
すばる舎。

『ダンマパダ』に近い気がする。
posted by ドッチツカズオ at 14:39| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『心霊現象の心理と病理』

カール・グスタフ・ユング著。
宇野昌人/岩堀武司/山本淳訳。
法政大学出版局。

自分たちが幻想の中に生きている、
ということが逆説的にわかった気がした。

心霊の存在へのユングの疑念や、
「科学的」にあろうとする姿勢が、
ふとした一文に強く表れることがあって、
それらが文章を引き締めていると思った。

論文だけれど、
幻想文学としても味わえる。
posted by ドッチツカズオ at 13:10| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月13日

『怪奇版画男』

唐沢なをき著。
小学館。

単行本(1998年4月初版)。
文庫版の小ささも面白いけれど、
やはり単行本の方がいい。
変なテンションの高さが、
より感じられる。

あれども見えぬ(しかし強く存在を感じさせる)、
作者のありようがどこか詩的。
(一部に作者がキャラクターとして登場するが。)
笑った。
posted by ドッチツカズオ at 07:33| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月10日

『オン・ザ・コーナー』

マイルス・デイヴィス。
SME。

いまだに賛否があるのは、
すごいという証拠では。
各楽器のつくりだす、
グルーヴ感も音色も「間」も、
フレーズの「中途半端さ」も、
生理的に気持ちがいい。
ジョン・マクラフリンのギターが鋭くて素敵。
このアルバムを聴いた後は、
自分の周りの音が全て、
音楽に聴こえてくる。
posted by ドッチツカズオ at 21:44| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月09日

『100,000年後の安全』

マイケル・マドセン著。
西尾獏/澤井正子解説。
かんき出版。

深刻すぎるがゆえに、
途方もないがゆえに、
むしろいい加減にならざるを得ない、
ということかもしれない。
ジョークに感じられる言葉がいくつもある。
マイケル・マドセン氏も、
それをわかっている気がする。
posted by ドッチツカズオ at 21:14| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年12月06日

『飛ぶ教室』

エーリヒ・ケストナー著。
池内紀訳。
新潮文庫。

新訳、
しかも、
訳者は池内紀氏。

生き生きとした日本語。
加藤茶氏が演ずる、
時代劇(歌舞伎?)役者が、
初めて現代劇をやるという設定の、
あのコントのような感じが、
文体にある気がする。
posted by ドッチツカズオ at 19:27| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月29日

『宗教のレトリック』

中村圭志著。
トランスビュー。

「レトリック」という視点で、
宗教を分解すると、
こんなに面白いのかと思った。
知っているつもりで、
実は曖昧に理解していた事柄に、
いくつも気づいた。
posted by ドッチツカズオ at 15:22| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『私でも他力信心は得られますか?』

和田真雄著。
法藏館。

とくに後半は、
親鸞の心理的な戦略(工夫)が、
説明されているようで面白い。

阿弥陀如来の、
居るけど居ない、
居ないけど居る、
象徴性。

「方便法身」という言葉に、
なるほどと思った。
posted by ドッチツカズオ at 12:07| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月24日

『どですかでん』

黒澤明監督。
東宝。

久しぶりに観直した。

黒澤明監督の映画で描かれる「恋」「性」は、
「子どもの遊び」のようなのが多く、
それはそれでスケールが大きくて楽しいのだが、
『どですかでん』の場合は少し違う。

しかもタチの悪い笑いがある。
矮小さを笑うような。
あるいは過大さを笑うような。

予定調和とスケールが大きいこととは裏と表。

伴淳三郎の怒りのシーン、
「他人は自分とは違う」ということが、
シンプルに描かれていて美しい。

人間や社会のあらゆる面を描いている気がする。
黒澤明監督の映画の中では、
『どですかでん』の「グロテスクさ」が際立つ。
でも下品ではない。
ブッキッシュだからか。

黒澤明が「色(カラー)」に、
はしゃいでいる感じもいい。

大好きな映画。
posted by ドッチツカズオ at 17:21| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月23日

『音楽入門』

伊福部昭著。
全音楽譜出版社。

こういう方だから映画『ゴジラ』のメインテーマ曲のような、
アヴァンギャルドな作品が書けたのだなと納得。

論理的で内容がすらすら頭に入ってくる文章。
posted by ドッチツカズオ at 23:16| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ゴジラ』

本多猪四郎監督。
東宝。

1954年公開。
この映画のメインは、
「特撮」そのものではなく、
紋切型の人間模様や展開と、
典型的な社会の様相とを、
描いていることではと思った。
神話や民話に近い。
だから数百年経っても古びないはず。
素晴らしい。

河内桃子が可憐。

「特撮」の映像には、
いまだにCGでは到底真似できない、
「リアリティ」と「凄み」とがある。

この映画の中ではゴジラの下半身が、
まだ海中にある状態で歩いている時、
陸を歩くのと同じ「足音」がする。
決して不条理でも矛盾でもない、
抽象的(概念的)な音なんだと思った。
posted by ドッチツカズオ at 23:04| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月17日

『継母礼賛』

マリオ・バルガス=リョサ著。
西村英一郎訳。
ベネッセ(福武書店)。

この本が文庫化(中公文庫)される時に、
例えば「ジュピター」「ビーナス」「キューピッド」などの訳語が、
「ユピテル」「ウェヌス」「クピド」などのラテン語読みに直され、
第十二章は訳文の形式そのものが改められている。
(文庫版の「訳者あとがき」に「訳を一部手直しした」とある。)
それらの「手直し」自体が興味深い。

音や意味による言葉の多層性にも、
想像力が刺激される。

私の趣味だけでいえば単行本版の方が好き。
でも文庫版を「改悪」とは全く思わない。

寝しなにこの本を読んでいると、
イマジネーションと「現実」との奔流に、
身をまかせる心地よさを感じる。
posted by ドッチツカズオ at 20:53| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月16日

『いろんな色のインクで』

丸谷才一著。
マガジンハウス。

この本の中の書評を読んで、

ヘイデン・カルース著
沢崎順之助/D・W・ライト訳
『雪と岩から、混沌から』(書肆山田)

を購入。
posted by ドッチツカズオ at 02:18| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月15日

『他人を攻撃せずにはいられない人』

片岡珠美著。
PHP新書。

当たり前のことかもしれないが、
攻撃する側と攻撃される側、
誰もが両方の心情を経験している気がする。
こういう本を読んで、
過去をいろいろ思い出すと、
自分や他人の攻撃する態度を発見して、
恥ずかしい気分になる。
そして何だか可笑しい。

第4章「どうしてこんなことをするのか」は、
人間の寂しさと悲しさに目を覆いたくなる。
でも鏡を見るようにちゃんと読むと、
理性によって人生が楽しくなるのではないだろうか。
posted by ドッチツカズオ at 22:46| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『差別語・不快語』

小林健治著。
内海愛子/上村英明監修。
にんげん出版。

この本で紹介されている、
実際にあった差別表現事例には、
あまりの無神経さに、
笑ってしまうものさえある。

隠語(的な言葉)も含まれている。
蔑称のでき方も興味深い。

いまだに賛否のある、
筒井康隆氏の「断筆宣言」についても、
取り上げられている。

「インターネット上の中傷・差別書き込みに新たな展開」は、
一般的な内容の短い文章だがとても重い。
posted by ドッチツカズオ at 20:00| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月10日

『漢詩鑑賞事典』

石川忠久編。
講談社学術文庫。

面白さもさることながら、
漢詩に対する、
石川氏の熱い思いに、
胸打たれる。
posted by ドッチツカズオ at 21:07| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『継母礼賛』

マリオ・バルガス=リョサ著。
西村英一郎訳。
中公文庫。

場面や文体の変化が心地よく、
読んでいると清々しい気分になる。
その心地よさは、
体のツボを押されて、
痛くも気持ちがいい感覚に、
ちょっと似ている気がする。

川端康成「眠れる美女」や、
バタイユ『眼球譚』のような、
多方向のエロティシズムに感銘。
posted by ドッチツカズオ at 20:39| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月09日

『隠語大辞典』

木村義之/小出美河子編。
皓星社。

下手な詩集よりも、
詩情が感じられる。
読んでいると、
ゾクゾクとワクワクとが、
同時に湧き起こる。
posted by ドッチツカズオ at 14:34| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月04日

『学級崩壊に学ぶ』

河村茂雄著。
誠信書房。

内容もさることながら、
このタイトルが素敵。
posted by ドッチツカズオ at 20:13| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月03日

『隠語の民俗学 差別とアイデンティティ』

礫川全次著。
河出書房新社。

面白くて中断できず、
一気に最後まで読んでしまった。
謎解きの楽しさもある。

この本を読むと、
隠語そのものが、
実験的な詩のように思えてくる。

寺山修司が隠語好きだったのは当然。
彼の短歌のような世界。

谷川俊太郎『コカコーラ・レッスン』『定義』などとも通ずる気がする。
呪術的で。
posted by ドッチツカズオ at 22:36| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『日常語訳 ダンマパダ』

今枝由郎訳。
トランスビュー。

ブッダは(当時の)平易な日常語で話したというから、
「日常語訳」が最も正当的な翻訳のはず。

 利益と損失、ほまれとそしり、
 非難と賞讃、楽しみと苦しみ、
 これらのことがらは人間においては無常であって、
 恒久ならず、変滅するものである。
 智者はこれらを知って、心をとどめて、
 変滅するものどもを観察する。

『増支部』から(中村元著『原始仏教』より孫引き)。
「これらのことがら」に執着せず「頑張らない」ことで、
かえって「頑張る」ことができるという逆説。
『ダンマパダ』全体を通して、
この逆説を言っている気がする。
で、この逆説は毒だと思う。
毒と薬とは表裏一体。
posted by ドッチツカズオ at 22:09| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月01日

『ベルナール・ビュフェ 1945−1999』

森陽子/木村由香/橋郁美/伊藤佳乃編集。
ベルナール・ビュフェ美術館。

菊川多賀に似た情操を感じて、
観ていると妙に嬉しくなる。
posted by ドッチツカズオ at 18:33| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月17日

『ヘッセ詩集』

ヘルマン・ヘッセ著。
高橋健二訳。
新潮文庫。

二十年くらい前にざっと読んだ時、
全体的に好きな種類の詩ではなかったので、
ずっと読まないでいたが、
先日ふと手に取って読んでみると、
かつての嫌悪感が微かにありつつも、
すっかり励まされてしまった。
以前は「月並」「ただごと」と感じていたところに、
むしろ妙なエネルギーがあることに気づいて。
嫌悪感と快感とが混ざり合うことの、
心地よさもあり。

訳の日本語がまた上質。
posted by ドッチツカズオ at 20:36| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月13日

『白い落葉』

齋藤カオル作。
銅版画。

「死」を感じさせるような絵はないか、
と探すともなく探している時に、
ふとこの絵に目がとまり、
迷わず購入。

悲観的な感じはしない。
前景後景とも「影」がどこか不自然でいい。
団栗は…。

白い落葉.jpg
posted by ドッチツカズオ at 13:11| 絵画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『コカコーラ・レッスン』

谷川俊太郎著。
思潮社。

木ノ内敏久著『ジョイスと視覚芸術』を読んだ後に、
『コカコーラ・レッスン』を読むと、
谷川俊太郎氏のすごさがよりわかる。
posted by ドッチツカズオ at 10:22| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『リスト巡礼』

長富彩。
日本コロムビア。

急に「ラ・カンパネラ」が聴きたくなり購入。

素敵な演奏。
私は好き。
感傷的な弾き方、
という印象。
posted by ドッチツカズオ at 10:14| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月12日

『ジョイスと視覚芸術』

木ノ内敏久著。
英宝社。

エリカ・ラングミュア著(高橋裕子訳)『静物画』を読んだせいか、
書店の棚をぼんやり眺めているとこの本のタイトルに目がとまった。

副題には「モダニズムの認識論的転回」とある。
わかりやすい上に面白く、
すらすら読めて、
気持ちのよい頭の整理ができる。
posted by ドッチツカズオ at 09:19| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年10月04日

『静物』

菊川多賀作。
紙本彩色。

先日の記事に加筆。
北海道立近代美術館のお許しが得られたため。


菊川多賀の静物画を買った。
日本画だけれど、
セザンヌ風キュビズム風でもあり、
線にエネルギーがあると感じた。
写楽やピカソのような。
背景は華やかといえば華やかだが、
陰鬱といえば陰鬱でとてもいい。
もちろん私は絵画に関しては、
素人もいいところだけれど、
部屋に飾ると思わず観入ってしまう。

静物.jpg

片岡球子「面構 浮世絵師歌川国芳と浮世絵研究家鈴木重三先生」
にもそう感じたが、、
細かい辻褄合わせよりも、
勢いやエネルギーを優先しているような態度が素敵。
過失をおそれないような、
あるいは過失をそのままにして、
これがいいじゃないかというような、
ふてぶてしさ。
片岡球子「若い女性」には、
下書きの線が遠慮なく残っている。
スケールが大きい。
ピカソやボブ・ディランにも、
同じ意味でのふてぶてしさを感じる。
「ゲルニカ」などはまさに。
ディランだと『Hard Rain』などか。
そういえばビートルズにも、
そういう姿勢がある。

あと茶道具にも。

北海道立近代美術館の学芸員(?)の方お二人に、
片岡球子「面構 浮世絵師歌川国芳と浮世絵研究家鈴木重三先生」
について下の@〜Bの点の理由を訊いてみた。
(細かい点は他にもいろいろ。)

@歌川国芳の着物の模様が場所によって、
描き方が違ったり白い点が唐突に一部分無かったりする点。

A鯨の目を描くのを優先するかのように、
鈴木重三の頭(髪)の一部が欠けているように見える点。

B海の色が扇(元は屏風ということなので)によっては極端に違う点 。
また扇と扇の境目で国芳の着物の模様の描き方が突然変わる点。

まず最初にお訊きした方のお答えは、
「すべて片岡球子のねらいである」
の一点張りであった。
絵に対するその方の真摯な姿勢に、
奥ゆかしさを感じてしまった。

別の方に同じことをお訊きすると、
「そういったこと(ミス?)よりも、
力強さを優先したのではないかと思います」
とおっしゃった。

思えば「ねらい」の意味は複雑。
わざと下手にできるのも天才。
あるいはそれが「わざと」でなくても。
ふてぶてしさが感じられる絵の方が私は好き。
posted by ドッチツカズオ at 21:01| 絵画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『近所の景色/無能の人』

つげ義春著。
ちくま文庫。

ずっと前に読んで感銘した、
つげ義春氏の作品の題名を忘れてしまい、
おぼえている内容をもとに探していたが、
それは「鳥師」という作品だった。

再読してまた胸を打たれた。
posted by ドッチツカズオ at 20:35| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『コカコーラ・レッスン』

谷川俊太郎著。
思潮社。

ロールシャッハ・テストの図版に、
意味があるようでないような、
音のならびで「名前」をつけることでも、
詩になりうるのは楽しい。

マイルス・デイヴィスの『オン・ザ・コーナー』を聴いた後は、
しばらく日常のあらゆる音が音楽に聴こえるようになるが、
この本を読んだ後は日常のあらゆることが、
詩になりうるものとして感じられるようになる。

「タラマイカ偽書残闕」は圧巻。
posted by ドッチツカズオ at 20:19| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『アフター・ザ・レイン』

マディ・ウォーターズ。
USMジャパン。

「文句あるか」という貫禄。
声も歌い方も生理的快感に満ちている。
バッキングも私は好き。
ずっと今日は「リピート」でかけっぱなし。
posted by ドッチツカズオ at 19:40| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月30日

『静物画』

エリカ・ラングミュア著。
高橋裕子訳。
八坂書房。

多くの美術書を読んだわけではないが、
静物画についての概説的な本で、
この本より面白い本はないのではと思われた。
この本で紹介されている絵の作者たちも、
いろんな意味で「よくぞ言ってくれた」と、
感心しているのではないかと空想。
読んでいると自分の想像力・創造力が高まるような感じがして、
情理兼ね備わる文章というのはこういうものなんだなと思った。
訳文に紛らわしい言葉づかいと感じられる箇所が、
いくつかあった気はするけれど、
そう感じるのは単に私の頭が悪いせいかもしれず、
この本の良さに変わりはない。
読後はより静物画に心が揺さぶられるようになる。

文学を含めた、
あらゆる芸術の総論、
という気さえする。
頭の良い方の言葉は簡潔で繊細。

現実の見方も変わる。

分野は違えど、
江川卓著『ドストエフスキー』と、
内容の似ている部分があると思った。
posted by ドッチツカズオ at 21:58| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月27日

『静物』

菊川多賀作。

菊川多賀の静物画を買った。
日本画だけれど、
セザンヌやキュビズム風でもあり、
線にエネルギーがあるなと感じた。
線は写楽やピカソのよう。
背景が華やかといえば華やかだが、
陰鬱といえば陰鬱でとてもいい。
もちろん私は絵画に関しては、
素人もいいところだけれど。
部屋に飾ると思わず観入ってしまう。

静物.jpg

片岡球子「面構 浮世絵師歌川国芳と浮世絵研究家鈴木重三先生」
にもそう感じたが、、
細かい辻褄合わせよりも、
勢いやエネルギーを優先しているような態度が素敵。
過失をおそれないような、
あるいは過失をそのままにして、
これでいいじゃないかというような、
ふてぶてしさ。
片岡球子「若い女性」には、
下書きの線が遠慮なく残っている。
スケールが大きい。
ピカソやボブ・ディランにも、
同じ意味でのふてぶてしさを感じる。
「ゲルニカ」などはまさに。
posted by ドッチツカズオ at 23:27| 絵画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月26日

『生命の群像 菊川多賀展』

北海道立近代美術館学芸部編集。
北海道立近代美術館発行。

素晴らしい絵の数々。
「ピカソ、クレー、マイヨールが好き」
と菊川は言っていたと解説にある。
私もこの三人の作品が大好きだから、
菊川の絵も好きなのかも。
でも菊川の絵には、
彼らの作品とはまた違った、
気味の悪さがある気がする。
posted by ドッチツカズオ at 23:03| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月21日

『長い川のある國』

多田智満子著。
書肆山田。

昨日観た菊川多賀の三枚の絵をまた観に行った。
菊川多賀の「道標」「懐郷」「文楽」を観て、
多田智満子『長い川のある國』と、
表現方法に共通したものがある気がして、
この本を読み返してみた。
菊川の絵も多田の詩も更に魅力的に感じられた。
posted by ドッチツカズオ at 21:34| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『怪奇版画男』

唐沢なをき著。
小学館文庫。

傑作。
鑑賞の仕方は、
巻末の京極夏彦氏の文章に尽くされている気がする。
posted by ドッチツカズオ at 20:11| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月20日

『Dylan & The Dead』

ボブ・ディラン&ザ・グレイトフル・デッド。
ソニー・ミュージック・エンターテインメント。

時々無性に聴きたくなる。
posted by ドッチツカズオ at 15:33| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『岩橋英遠と北の日本画家たち』

滝川市美術自然史館編集。
岩橋英遠と北の日本画家たち展実行委員会発行。

展覧会に行った。
菊川多賀「道標」「懐郷」「文楽」の余りの素晴らしさに、
しばらく立ち止まり観入ってしまった。

片岡球子のグロテスクさも好き。
posted by ドッチツカズオ at 14:55| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『6色の鬣とリズミカル』

Babi。
uffufucucu。

Babiは天才。
「かりがね茶」の美しさ(詩がまた素敵)。

『Botanical』もいい。
posted by ドッチツカズオ at 14:31| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『Thirty Three & 1/3』

ジョージ・ハリスン。
Capitol。

ジョージ・ハリスンは天才。
ボーナストラックの「Tears of the World」もいい。
posted by ドッチツカズオ at 14:23| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『百人一首 恋する宮廷』

高橋睦郎著。
中公新書。

再読。
名著。
posted by ドッチツカズオ at 07:51| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『沈まぬ太陽』

若松節朗監督。
東宝。

人(人々)が人(人々)に操られる気味の悪さ。


ボブ・ディランの詩に

 Well, it may be the devil or it may be the Lord
 But you’re gonna have to serve somebody

というのがあるけれど(「Gotta Serve Somebody」)、
メタファーとしてそれはそうだという心持ちになる。
posted by ドッチツカズオ at 07:42| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『アマデウス』

ミロス・フォアマン監督。
ワーナー・ホーム・ビデオ。

久しぶりに観た。
登場人物が類型的で素敵。
史実はどうなのかわからないが、
サリエリの言葉や行動が、
いちいち胸を刺すようで、
自省を促され、
自分を許容する気分にもなる。
posted by ドッチツカズオ at 07:21| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『憲法の「空語」を充たすために』

内田樹著。
かもがわ出版。

巻を措く能わず。
posted by ドッチツカズオ at 06:43| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月31日

『掌編 源氏物語』

馬場あき子著。
潮出版社。

こういう本を読むと『源氏』が、
メロドラマとしても優れているなあと思う。
posted by ドッチツカズオ at 11:13| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ボクの彼女は発達障害』

くらげ著。
学研。

人間の面白さ可愛さを端的に知るには、
ひょっとしたら最もよい本かも。
posted by ドッチツカズオ at 10:53| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『なやんでもいいよとブッタは、いった。』

小泉吉宏著。
KADOKAWAメディアファクトリー。

「通俗的」「つきすぎ」の感じがする言葉づかいもあるけれど、
ブッダがこの本を見たら絶賛したのではという気がする。
「通俗的」「つきすぎ」の方が気持ちよく伝わることもある。
posted by ドッチツカズオ at 10:43| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『図解でわかるスタンフォードの自分を変える教室』

ケリー・マクゴニガル監修。
大和書房。

悲しみの本。
posted by ドッチツカズオ at 10:25| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月23日

『タイニールームズ』

ヒグチユウコ著。
TOブックス。

ひとつひとつの絵が素晴らしくて、
ずっと眺めていても飽きない。
posted by ドッチツカズオ at 09:54| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月06日

『語りつぐ北海道空襲』

菊池慶一著。
北海道新聞社。

空襲が身近に感じられる。
リアリティは大事。
おそろしい。

黒澤明監督『生きものの記録』の中のセリフ、
「何でこんな物をつくったんだ」は、
毒で笑ってしまう。
posted by ドッチツカズオ at 21:57| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月05日

『眼球譚〔初稿〕』

オーシュ卿(ジョルジュ・バタイユ)著。
生田耕作訳。
河出文庫。

メタファーとしても、
予見に満ちている気がする。
考えすぎか。
もう何度も読んでいるので。

自分の心の反応を客観的にみられるようになる。
「寿命、容色、名誉、ほまれ、楽しみ、力」
「利益と損失、ほまれとそしり、非難と賞讃、楽しみと苦しみ」
(中村元著『原始仏教』より)からの逃避。

過度で笑いにまでなっているところがある。
超現実的。

「『眼球譚』続篇腹案」を含めて、
性欲そのものを多層的に描いたものとしては、
これ以上の小説はないのでは。
posted by ドッチツカズオ at 15:35| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月04日

『評伝 紫式部 世俗執着と出家願望』

増田繁夫著。
和泉書院。

面白くて一気に読んでしまった。
論文なのでもちろん根拠を示しつつ、
紫式部を血も涙もある「普通」の人間として描いていて、
彼女の日常生活を想像しながら、
感覚を共有するように読める。
posted by ドッチツカズオ at 22:37| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『自殺直前日記改』

山田花子著。
赤田祐一責任編集。

この本には、
普遍的な悩みが、
たくさん詰まっている気がする。
いわば紀元前からの。
posted by ドッチツカズオ at 22:03| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月29日

『恋ちゃんはじめての看取り』

國森康弘著。
農山漁村協会。

この本は、
いろいろな面で「普通」。
でも逆にそこがいい。
posted by ドッチツカズオ at 23:44| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月28日

『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』

加藤陽子著。
朝日出版社。

頭の良い方の本を読んでいると、
こちらも気持ちよく頭が働く。
posted by ドッチツカズオ at 19:57| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月27日

『遠野物語』

柳田国男著。
新潮文庫。

この本を読んだ後は、
日常生活のいろいろなことが、
妖しく見えてくる。

 草の長さ三寸あれば狼は身を隠すと云えり。
 草木の色の移り行くにつれて、
 狼の毛の色も季節ごとに変りて行くものなり。(四〇 狼)

や「五〇 花」などが好き。
こういう何気ない(?)記述がより妖しい。
posted by ドッチツカズオ at 22:51| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『人生の9割は逃げていい。』

井口晃著。
すばる舎。

表紙の写真に惹かれて購入。
内容は正論だと思った。
posted by ドッチツカズオ at 22:24| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『野村克也の人生論 この一球』

野村克也著。
海竜社。

まず文章が上質で心地よい。
posted by ドッチツカズオ at 22:11| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『かわいそうな歴史の国の中国人』

宮脇淳子著。
徳間書店。

賛否はともかく、
興味深い内容だった。
posted by ドッチツカズオ at 21:54| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『死刑』

森達也著。
朝日出版社。

読んでいる時、
何度も戦慄した。
posted by ドッチツカズオ at 21:44| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『人生エロエロ』

みうらじゅん著。
文藝春秋。

このくだらないタイトルからして笑った。
エロを笑いにすることは、
『古事記』以来の伝統。
そんなようなことを、
石川淳が言っていたと思う。
たしか「四畳半襖の下張」裁判で。
posted by ドッチツカズオ at 21:31| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『眠狂四郎 円月殺法』

テレビ東京/歌舞伎テレビ製作。
エイベックス。

テレビシリーズ全20話のDVD5枚組。
片岡孝夫(現十五代目片岡仁左衛門)主演。
小さい頃テレビの再放送で観たことがあった。
子ども心にも片岡孝夫氏の眠狂四郎は美しいと感じた。

今観てみるとドラマ全体がご都合主義的で楽しい。
それでいてアバンギャルドな面も併せ持っていて、
随所に過度で可笑しなところがある。
意図的ではないかもしれないが。

眠狂四郎以外の登場人物は笑ってしまうほど類型的。
あるいは今となっては眠狂四郎も類型的人物かもしれない。
でも時に「そんな奴いないだろ」という人物が出てくる。

それらが魅力的に絡み合って展開している気がする。
先を観させるエネルギーがある。
ディケンズのような。

続編の『眠狂四郎 無頼控』の方は、
いろんな面で「質」が上がってしまい、
逆にあまり魅力を感じない。
posted by ドッチツカズオ at 12:41| 映像 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『生き物が見る私たち』

中村桂子/和田誠著。
青土社。

そこそこ込み入った話も、
わかりやすい上に面白く、
内容がすらすらと頭に入ってくる。
だから読んでいると、
自分の頭がよくなったような錯覚に陥る。
本当は著者の方々のおしゃべりが、
優れているだけなのだが。
posted by ドッチツカズオ at 09:09| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ネトウヨ化する日本 暴走する共感とネット時代の「新中間大衆」』

村上裕一著。
角川EPUB選書。

言うまでもないことだが、
こういう分析って大事だと思った。
posted by ドッチツカズオ at 08:50| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ヒロシマ・ノート』

大江健三郎著。
岩波新書。

「鈍い眼」という言葉が、
やけに印象に残っている。
posted by ドッチツカズオ at 06:37| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月21日

『染織美の展観』

国際染織美術館編集/発行。

北海道開拓の村(札幌市)。
函館市縄文文化交流センター(函館市)。
国際染織美術館(旭川市)。
北海道の博物館及び美術館といえば、
現在の私にとってはこの三館。
何度行っても飽きない。
物を観ながら時間旅行ができる、
その気分自体が好きで、
同じ温泉に何度行っても飽きないのに似ている気がする。

函館市縄文文化交流センターで観られる、
足形付土版の美しさたるや。
posted by ドッチツカズオ at 20:50| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『竹取物語 伊勢物語』

北杜夫(竹取物語)/俵万智(伊勢物語)訳。
講談社(21世紀版少年少女古典文学館2)。

まず北杜夫が『竹取』を訳している、
というだけでこの本に魅力を感じてしまう。
『竹取』を「知的な滑稽文学」と言う北の文体が、
その面をいやらしくなく際立たせていて素敵。
仰々しくない文体による隠微な笑いも感じる。

『伊勢』の和歌は短歌で訳されている。
訳者は一流の歌人だから当然かもしれないが、
見事だなあとしか言いようがなく感動した。
散文部分の訳は論理的で清々しい。
posted by ドッチツカズオ at 20:06| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月19日

『津軽弁と語源−日本語における方言の力』

小笠原功著。
北方新社。

津軽弁を介して、
「現代語」と「古語」との間を、
行き来する快感に溢れた本。
面白さは抜群。
大野晋あたりの本が好きなら、
楽しめることは間違いない。
日本語における、
言葉の生まれ方が、
感覚的にも理解できる。
一種の「言葉の乱れ」として。
「見た様に」が「みたいに」になったような。

津軽弁「ニカム」のでき方なんて、
古語の「…を…み」の形の起源と、
無関係ではあるまいと思う。
ところで「…を…み」の形の、
語源的な定説ってあるのかしら。
posted by ドッチツカズオ at 00:56| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月30日

『ファウスト』

ゲーテ著。
小西悟訳。
本の泉社。

馴染みのある感覚が、
次から次へと言葉で描かれ、
結末まであきることがない。
劇中劇という形式のせいか、
ストーリーがぶっとんでいて楽しい。
ゲーテのたちの悪い笑いも素敵。
この本を読んでいると、
生活のあらゆる面が書かれているせいで、
宇宙論を読んでいる時のような、
妙に気楽な心持ちになる。
そもそも翻訳の日本語が上質で、
読みやすく清々しい。
posted by ドッチツカズオ at 20:58| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月15日

『変身』

カフカ著。
酒寄進一翻案。
牧野良幸画。
長崎出版。

この手の本に、
カフカ好きが満点をつけることは、
ありえないと思われるけれど、
一つの解釈として私は好き。
posted by ドッチツカズオ at 21:07| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『検察官』

ゴーゴリ著。
船木裕訳。
群像社。

たちの悪い笑い。
八代目可楽の「二番煎じ」や「味噌蔵」みたい。
素敵。


あら。
記事数がこの記事で500本目。
posted by ドッチツカズオ at 14:45| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ツァラトゥストラ』

ニーチェ著。
手塚富雄訳。
中公文庫。

まず分冊でないところがいい。
細切れの時間にちょこちょこ読むのが楽しい。
学術的なところを分かっていると、
もっと面白いのかもしれないが、
それに疎くとも十分面白い。
訳注が要らなく感じるくらい。
あるイメージが少しずつ、
頭の中で出来ていくような文章。
posted by ドッチツカズオ at 14:41| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年06月11日

『現代語から古語を引く 現古辞典』

古橋信孝/鈴木泰/石井久雄著。
河出書房新社。

こういう「遊び」が大好き。
現代語の語感に古語の意味が生きているのを知ると、
なんだかとてもすっきりした気分になる。
posted by ドッチツカズオ at 21:05| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『Storyville』

ロビー・ロバートソン。
GEFFEN。

最近ずっと「リピート」にして聴いている。
『Music for the Native Americans』も好きで、
一時期そればかり聴いていたが、
『Storyville』はおそらく好きな人は大好き、
嫌いな人は大嫌いだろうという、
ロビー・ロバートソンのヴォーカルが素敵。
ギターも。
4曲目の二ール・ヤングのサイドヴォーカルも美しい。

 Go back go back to your woods
 Go back go back go back to your woods

「ゴー・バック・トゥ・ユア・ウッズ」より。
初めに森を見よと。
一本一本の木に「森」があるので。
posted by ドッチツカズオ at 20:44| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『春夏秋冬(はるなつあきふゆ)』

香月泰男著(絵と文)。
谷川俊太郎編。
新潮社。

谷川俊太郎氏のセンスが素敵。
ふとした時に手に取って、
ぺらぺらと拾い読みすると、
いつもとてもよい気分になる。
posted by ドッチツカズオ at 20:02| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月25日

『贈るうた』

吉野弘著。
花押社。

以前は吉野弘の詩が嫌いだった。
どこか道徳的な感じがして。
ボルヘスの言葉を借りると(カフカ『禿鷹』序文)、
「青年に特有の新意匠を凝ら」したもの以外は詩とはいえない、
と誤解していたころ。

のちに吉野弘の洗練された言葉づかいが大好きになった。
俗に見えていたが実はそうではなかったのだと、
自分の「鈍感さ」に気づき。
posted by ドッチツカズオ at 20:58| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『窓ぎわのトットちゃん』

黒柳徹子著。
講談社(青い鳥文庫)。

久しぶりに読んだ。
紋切り型の言葉をも、
生き生きとさせてしまう文才に、
感心しっぱなし。
posted by ドッチツカズオ at 20:21| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月24日

『アナザー・セルフ・ポートレイト 【デラックス・エディション】 』

ボブ・ディラン。
ソニー・ミュージックエンタテインメント。

長い間ディランのファンだが、
70年前後のディランがあまり好きではなかった。
というよりも嫌いではないのだけれど、
興味があまりなかったという感じだった。
でも最近この時期のディランの魅力に気づき、
むしろ大好きになってしまった。

好きな歌をのんきに何も考えず、
好きなように歌う余裕。
「失敗してもいい」
「よく見られようとしない」
という風格さえ感じる。

『セルフ・ポートレイト』は、
1曲目からやりたい放題。
ディランのアルバムの中では、
最も雑多なアルバム。

インタビュー記事なんかを読むと、
この時期のディランは、
アルバム作りにかなりプレッシャーを感じていて、
その反動で無茶苦茶なアルバムを作りたかった、
ということらしいけれども。
本当か。

なによりディランの歌ごころが圧倒的。
声質がどうとかアレンジがどうとかが、
枝葉末節に思われてくる。

ワイト島ライブのコンプリート版も、
予想通り色んな意味ですごい。
そんなこと知るかと、
突き抜けていく感じ。
posted by ドッチツカズオ at 16:09| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月17日

『野火』

市川崑監督。
角川エンタテインメント。

全編がジョークのよう。
この映画は明らかに、
それを狙っているように感じた。
笑いと嫌悪は紙一重。
posted by ドッチツカズオ at 15:54| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『生きる』

黒澤明監督。
東宝。

ドストエフスキーやカフカのような、
たちの悪い笑いが魅力。
志村喬の演技が凄まじく、
思わず笑ってしまうほど。
立川談志の言う「業の肯定」か。
そのせいでヒューマニズムが引き立つ。
posted by ドッチツカズオ at 15:35| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月16日

『へそまがり昔ばなし』

ロアルド・ダール著。
灰島かり訳。
評論社(2006年版)。

日本語によるライムは、
読んでいるこちら側が、
恥ずかしくなるような感覚になることが多い。
この本にもその気配はあるが、
なぜか好き。

「シンデレラ」ラスト三行の、
「流行の最先端を行く」人々、
あるいは「流行に流されない」人々、
もっというと「自分を持っている」人々の、
自己陶酔をからかう感じなどは、
たちが悪くて素敵。
深刻な場面での駄洒落(ライム)も。
「こぶし固めて壁パンチ」などの感覚も。
posted by ドッチツカズオ at 22:52| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月06日

『砂の女 特別版』

勅使河原宏監督。
安部公房原作/脚本。
アスミック。

 岡田英次と岸田今日子の放つ強烈なエロチシズムと共に、
 第三の人格ともいえる繊細かつ大胆な砂の描写は、
 今もなお観るものを圧倒する。

とDVDのケースに書かれている。
惹句を組み合わせたようなのが多い、
商品の箱の文章はあまり信用できない。
でもこの文章に関しては、
その通りだと思った。

映画の中の一つ一つのセリフが、
心にちくちくと刺さる。
すぐに武満徹だとわかる音楽も、
不穏でぞくぞくする。
posted by ドッチツカズオ at 16:21| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月04日

『長い川のある國』

多田智満子著。
書肆山田。

強く「言葉」が感じられて、
情緒が気持ちよく揺さぶられる。
ぎりぎり過不足がないような言葉づかい。
言葉どうしが付きすぎず離れすぎず。
一流の文学者だから当たり前か。
叙事詩の気配もある。
イメージがいちいち鮮烈。
すごい詩集。
微妙な笑いの感覚も好き。
何度読んでも飽きない。

西脇順三郎の「ギリシア的抒情詩」を思い出した。
彼の「天気」や「雨」を初めて読んだのは、
中学生くらいの時だったと思うが、
当時は何でだかわからなかったのだけれど、
むやみに心が動かされたものだった。
posted by ドッチツカズオ at 14:35| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月29日

『ブルース・オン・ハイウェイ49』

ビッグ・ジョー・ウィリアムス。
Pヴァインレコード。

生理的快感にあふれた凄い歌い方。
いくつもアルバムが出ているけれど、
この年代(50年代後半〜60年代前半くらい)の、
天衣無縫で着崩した感じの歌とギターが素敵。
なかでもこのアルバムがいちばん好き。
「45 Blues」なんぞ、
これぞビッグ・ジョー・ウィリアムス。
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『ボブ・ディラン全詩302篇 LYRICS1962−1985 原詩付』

ボブ・ディラン著。
片桐ユズル/中山容訳。
晶文社。

 だから こわがりなさんな もし
 ききなれない音があんたの耳にきこえても

「イッツ・オーライト・マ」より。
多層的なイメージの連続のなかに、
ふとこういうシンプルなフレーズが出てくる。

 護衛の交代にたえる勇気の心がおありかな?

「護衛の交代」より。
素敵。
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2014年04月26日

『発光地帯』

川上未映子著。
中公文庫。

「すてきなお化粧品売り場」は、
日本語でしか書けない傑作では。
平安の古文のような大らかさと繊細さ。
日本語は「主語」がなくても成立するところが素敵。
「四月だいすきな四月だった四月」は、
句読点をなくしても面白そう。
和歌のように。
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2014年04月20日

『日常語訳 ダンマパダ』

今枝由郎訳。
トランスビュー。

名訳だと思う。

苦の原因の分析に役立つ。
非常に現実的。
メタファーはあっても、
宗教色は希薄。

何故『歎異抄』が必要なのかが、
理解できた気がする。
これらの詩句に書かれていることを、
全て100%実践するのは無理だから。
それを目指すことはできても。

原始仏典の、
苦の原因を知ることで励まされる、
という面を私は好む。
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2014年04月19日

『生きものの記録』

黒澤明監督。
東宝。

久しぶりに観た。
以前に観た時より、
胸にズドンときた。
黒澤明監督の最高傑作では。
人物の戯画的(類型的)な描き方が、
カフカの『訴訟』や『変身』のよう。
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2014年04月12日

『歎異抄(現代語版)』

(伝)唯円著。
浄土真宗教学研究所浄土真宗聖典編纂委員会編。
本願寺出版社。

よくいわれるようなことだが、
ブッダ本人の言葉に近いとされる、
初期の仏典を読むと、
宗教的な気配は希薄で、
いわゆる「心理カウンセリング」と、
遠くないように感じる。

だからずっと『歎異抄』には、
「阿弥陀仏」という言葉が出てくる時点で、
ブッダの言葉とかけ離れている気がして、
興味が持てなかった。

しかし書店でこの本を見かけ、
ふと手に取り立ち読みをしていると、
「阿弥陀仏」の「存在」は、
いわば自己をだますための、
親鸞(法然)の心理的な戦略なのかもしれない、
と気づきとても面白く読めた。
『歎異抄』でいうところの「悪」が、
キリスト教などでいう「原罪」のことだと考えれば、
生活する上での精神衛生によいだろうなと思う。
「苦」が当たり前になるから。
「阿弥陀仏」は随時それを思い出すための、
象徴もしくは目印ということもできそう。
そもそも宗教とはそういったものか。
「何を今さら」と言われるかしら。
ただ無宗教無神論者の私にも、
この本の価値が少し理解できた気がした。
短いのもいい。

 何が善であり何が悪であるのか、
 そのどちらもわたしはまったく知らない。
 (中略)この世は燃えさかる家のように
 たちまちに移り変る世界であって、
 すべてはむなしくいつわりで、
 真実といえるものは何一つない。
 その中にあって、
 ただ念仏だけが真実なのである。

という「親鸞の言葉」が書かれている。
「移り変る世界」に対置するものとして、
「念仏」が出てくるが明らかに矛盾している。
だがそのおかげで「移り変る世界」が際立つ。
デカルトの「我思う故に我あり」が、
「嘘」であることに似ている気がした。
素敵。

現代語訳に出てくる「させていただく」は、
普段ならあまり好きな言葉づかいでないけれど、
仏教用語として読むと清浄な感じがする。
ちょっと不思議。

植木等の父と「スーダラ節」にまつわる有名な話があるが、
『歎異抄』は「わかっちゃいるけどやめられねぇ」ということを、
繰り返し繰り返し言っている気はたしかにする。
リベラルな思想。
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2014年03月23日

『広辞苑 第六版』

新村出編。
岩波書店。

今まで『第四版』を使っていたが、
今更ながら『第六版』を購入。

ふと考えたことを書いておくが、
間違っているかもしれない。
誤りをおそれず書く。


文頭での「なので」という「接続詞」の評判が悪い。
「形容動詞」を認めていない新村出の影響もある気がする。
(大野晋は多少消極的ながらも「形容動詞」を認めている。)
「形容動詞」や「なので」の「な」のご先祖は「なる」で、
それが「なん」となり「な」となったことは何となくわかる。
もちろん「なる」はいわゆる断定の助動詞「なり」の連体形。
名詞か動詞の連体形のあとに接続する。
だから文頭の「なので」は気持ちが悪いのだろうなと思う。
あるべき言葉がない何か足りない感じがする。

でもそういう意味では「だから」も同じはず。
「だ」のご先祖も断定の助動詞「たり」だから。
まして「から」に至っては、
『岩波古語辞典補訂版』を参考にすれば、
そもそも名詞であったそうで、
勝手に例を挙げると「人柄」や「続柄」などに残る「から」と、
ご先祖は同じと考えられているらしい。

でもたぶん「だから」は「なので」より古いので、
世の中から「だから」に対する違和感が、
消えてしまっているのかもしれない。
もっというと「だから」に違和感を持っていた人々は、
もうみんな亡くなってしまったと。

丸谷才一『どこ吹く風』に、
永井荷風が日記の中で「『お天気がぐづつく』とは何事だ」と、
「青筋を立てて怒つてゐる」とある。
今「お天気がぐづつく」という言葉を、
非難する人は少ないだろう。

平安時代のいわゆる最高敬語「せたまふ」なんかも、
それが出始めた当初に年輩だった人たちは嫌だったのでは。

また「あらたし(新し)」の意味で、
「あたらし」を使うのが平安時代に流行ったらしい。
いわば「流行語」。
しかし今「あたらし(あたらしい)」が、
「流行語」だったと感じる方は皆無のはず。

古代の「たか(高)」や「あさ(浅)」など、
名詞とも形容詞ともいえない言葉に、
当時の断定の助動詞「き」あるいは「し」を接続して、
「古典文法」でいうところの「形容詞」ができ始めたころ、
「何たる事」と嫌悪した人々がいたのではなかろうか、
と想像すると楽しくなる。

漱石が「まるで〜のようだ」という意味でよく使っていた、
「〜見た様だ」という言葉は「〜みたいだ」と変化して、
もはや辞書にも当たり前のように掲載されている。

そういえば助動詞の「なり」や「たり」だって、
「にあり」や「てあり」の変化だといわれている。

だからきっと「なので」も世の中に認められていくはず。
「ら抜き言葉」や「させていただく」もまた。
ちょっとこわい気もする。


なぞなぞを考える時、
文末は「しょう」が正しいか「しょうか」が正しいか、
というのはひょっとしたら愚問かもしれない。
両方とも同じくらい「正しい」はずだから。

意味を決めるのは文脈や状況で、
「か」が付こうが付くまいが、
意味ということだけに関して言えば、
大した問題ではない。
文法的な事柄は補助に過ぎない。

「しょう」のご先祖は「せむ」で、
それが「せん」になり「せう」になり、
「しょう」あるいは「しよう」になったのだろうから、
助動詞「む」の幾つかに分類される意味を、
「しょう」は引き継いでいる。

終助詞「か」は辞書的にいえば、
「疑問・質問」「反語」「勧誘」
「依頼」「非難」「気づき」
などの意味になり得、
その中から文脈や状況に合う意味を、
私たちは選択している。

つまり「か」があろうとなかろうと、
意味を選択しなければならないことに変わりはない。
要は「なぜその言葉のその意味を選択したか」が大事で、
そのよりどころは文脈や状況。

ただ逆に文法が文脈を決める場面もあるに決まっているけれど、
ややこしくなるのでここではふれない。

それぞれの文脈によって、
言葉の意味は真逆にだってなりうる。
だから文脈から離して、
ある言葉だけ抜き出して批判しても、
批判するほうもされるほうも、
そしてそれを聞いて苛立つほうも、
余計なエネルギーを使うだけで意味はない。
これはもちろん自戒。
posted by ドッチツカズオ at 12:06| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『総員玉砕せよ!』

水木しげる著。
講談社文庫。

名作だと思う。
大らかな印象の水木しげる氏だが、
戦争(軍隊)への嫌悪は強烈。
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『ヨーロッパ文化と日本文化』

ルイス・フロイス著。
岡田章雄訳注。
ワイド版岩波文庫。

井上ひさし『わが友フロイス』を読んで、
ルイス・フロイスに興味を持ったものだった。

訳者による「注記」が素晴らしく、
日本語の発音についての重要な資料でもある、
『日葡辞書』からの引用が多いのは、
当然といえば当然かもしれないけれど、
日本語についてのイメージが拡がって楽しい。

作曲家武満徹自身による、
自作「ノヴェンバー・ステップス」の説明に、

 オーケストラに対して、
 日本の伝統楽器をいかにも自然にブレンドするというようなことが、
 作曲家のメチエであってはならない。
 むしろ、琵琶と尺八がさししめす異質の音の領土を、
 オーケストラに対置することで際立たせるべきなのである。

…とある。
音楽だけに限らないと思った。
民族あるいは文化の調和ということについて、
目からうろこが落ちたものだった。

…と以前に書いたことを思い出した。

星新一編訳『アシモフの雑学コレクション』によると、

 頭のいい政治家、
 元のフビライ・カンは、
 キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の
 主要な聖なる日をも祝った。

…のだそう。

人間同士もっと仲よくできんものかなあ、
というのが自作の一貫したテーマだと、
黒澤明がどこかで語っていた記憶がある。

武満も黒澤も(あるいはフビライも)、
同じことを言っている気がする。

我田引水か。
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『生命の起源をさぐる 宇宙からよみとく生物進化』

日本宇宙生物科学会(奥野誠/馬場昭次/山下雅道)編。
東京大学出版会。

「序章」に、

 地球上の生物は、
 少なくともこれまでに調べられている限りにおいて、
 たった一つの共通の祖先にたどり着くことができる。

とある。
好奇心を刺激される。
科学的な論文集だが、
小説を読むように読める。
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2014年03月16日

『マイク・タイソン THE MOVIE』

ジェームズ・トバック監督。
ポニーキャニオン。

ドキュメンタリー映画。

人間を描いて余すところがない、
と感じさせるような映画だった。
複雑な思いにさせられる。
美しくも恐ろしく。

もしかしたら「教える」ということを学ぶ教材、
と言ってよいかもしれないとも思った。

ボブ・ディランの「Lenny Bruce」に、

 Lenny Bruce was bad,
 he was the brother that you never had.

というフレーズがある。
十人いたら十人それぞれの「立場」があって、
それらは他人には計り知れないもの。
漱石の言葉を借りれば、

 ここに詩人といふ天職が出來て、
 ここに畫家といふ使命が降る。

…仰々しいか。
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2014年03月09日

『概説 日本語の歴史』

佐藤武義編著。
朝倉書店。

日本語を分析する際に必要不可欠であろうことが、
網羅的に簡潔に書かれていて面白い上に役に立つ。
この本を読んでいるとイマジネーションが刺激され、
思わずいろいろな自説を立ててしまう。
語彙や文法の起源的なことなど。
たぶん折口信夫や大野晋が好きな方は、
みんなそうだろうな。
しかもこの本、
偽作と断った上で「神代文字」を扱うなど、
意外とラジカルで素敵。
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2014年03月08日

『諷刺の文学』

池内紀著。
白水社。

評論なのに小説を読んでいるような気分になる。
優れた文章ってこういうのをいうんだろうなと思う。
込み入った内容のはずだが、
なぜか単純に感じ、
するすると頭に入ってくる上に、
表現がいちいち面白い。
posted by ドッチツカズオ at 21:00| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『古典基礎語辞典』

大野晋編。
角川学芸出版。

この本は日本の宝だと思う。
もし日本語が滅んでも、
この本さえ残っていれば、
日本語の面白さが伝わるはず。
谷川俊太郎「タラマイカ偽書残闕」のような、
「外国語」の詩も作れる。

なにはともあれ、
読む辞書として、
抜群の面白さ。
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2014年03月01日

『ゲゲゲの鬼太郎 60’s 全11巻』

水木しげる原作。
ポニーキャニオン。

話の流れの何とも言えぬテンポや、
ご都合主義的なところ、
民話のような心理描写の単純さ、
ざっくりとした道徳観などが、
新しいシリーズと比べて、
より原作に近く美しい。
ちゅうぶらりんな場面や、
多少無理を感じる雑な展開、
あるいは拍子抜けの結末も、
「事実」そうなったのだから仕方がない、
で話は済むと思う。
というよりそれらがむしろ魅力的。
水木しげる氏のつくった世界の、
底知れぬエネルギー。
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2014年02月23日

『激しい雨』

ボブ・ディラン。
ソニー。

以前ディランがジョン・レノンについて、
「『そんなこと知るか、くそくらえだ』という姿勢が自分と似ていた」
と語っているのを何かで読んだことがある。
このアルバムはまさにそれ。
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2014年02月10日

『イッツ・オンリー・ロックン・ロール』

ザ・ローリング・ストーンズ。
USMジャパン。

ストーンズのアルバムの中では、
最もディランに近いアルバムだと思う。
何をもって「ディランに近い」と言うかは、
難しいところだけれど。
posted by ドッチツカズオ at 20:07| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『セルゲイ・エイゼンシュテイン』

セルゲイ・エイゼンシュテイン監督。
アイ・ヴィー・シー。

DVD7枚組。

 『ストライキ』
 『戦艦ポチョムキン』
 『十月』
 『全線〜古きものと新しきもの〜』
 『アレクサンドル・ネフスキー』
 『イワン雷帝』
 『メキシコ万歳』

…こうタイトルを並べるだけで壮観。
映像そのものが詩や絵画のように楽しめる。
明らかに黒澤映画を感じさせる場面が多々あるが、
もちろん黒澤映画の真似であるはずはなく、
その逆。
posted by ドッチツカズオ at 19:53| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月09日

『詩集』

谷川俊太郎著。
思潮社。

私は谷川氏の「ラジカルな部分」が好きなので、
この合本は大好き。
とくに『定義』や『日本語のカタログ』は、
むかし夢中になった。

 詩は
 滑稽だ

「世間知ラズ」から。
自嘲気味の笑いとも受け取れるけれど、
谷川氏が言うと破壊力がある。

『コカコーラ・レッスン』の、
「新年会備忘」や「タラマイカ偽書残闕」なども好き。
posted by ドッチツカズオ at 21:42| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ほとけ様に教わった毎日をハッピーにする90の方法』

南泉和尚著。
ディスカヴァー。

タイトルは軽い感じで、
文章も軽快だけれども、
切り込み方は『正法眼蔵随聞記』に近く、
かなり本格的であると思った。
原始仏教はこの本のようだったのではないか。
片山一良著『ダンマパダ 全詩解説』(大蔵出版)を最近読んだが、
その内容は『ほとけ様に…』に網羅されている気がする。
乱暴か。

龍安寺の蹲踞にある「吾唯足知」という言葉が引用されていて、
漢文の由緒正しい書き方に則れば「吾唯知足」ではという気がするが、
どちらでもよいのかしら。
それはともかく「知足」という言葉、
「知足」すべきを「物」に限らないところが網羅的だと思う。
例えば中村元著『原始仏教』の言葉を借りると、
「寿命」「容色」「名誉」「楽しみ」「力」にでも、
「知足」と言うことができる。
「自己の欲するがままにならぬこと」や、
「自己の希望に副わぬこと」ならば。
精神衛生上とてもいい。
「我執を滅する」という言葉より、
「知足(足るを知る)」の方が多少方法的な気がする。

ある時は「満足すべきところは本当に何一つないのだろうか」と考え、
ある時は「そういうものさ」と諦める。
日常生活の小さな出来事の中でこそ「知足」が役立つし、
しかも意外に消極的な概念ではないと思う。
努力や挑戦が継続しやすくなる。
岡本太郎著『自分の中に毒を持て』とも通ずる気がする。
一見逆に見えるが。

白隠禅師の「南無地獄大菩薩」という言葉の、
著者の解釈が卑近な上に綺麗。
「だから私は考え学ぶ」と思える。
池内紀『諷刺の文学』でいうところの、
「ビリヤードの球」や「蜥蜴のしっぽ」。
posted by ドッチツカズオ at 21:28| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月28日

『方丈記』

鴨長明著。
市古貞次校注。
岩波文庫。

とくに最後の方は「スーダラ節」に近い。
posted by ドッチツカズオ at 21:20| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『人間とは何か』

マーク・トウェイン著。
中野好夫訳。
岩波文庫。

案外、
精神衛生上いい。
posted by ドッチツカズオ at 20:50| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月20日

『行動することが生きることである』

宇野千代著。
集英社文庫。

この本の構成をされた方はどなたなんだろう。
王羲之(懐仁集字)『集王聖教序』のような、
太宰治「葉」のような、
ヴィトゲンシュタイン『哲学探究』のような、
構成の面白さを感じる。
コラージュというと言い過ぎか。
でもただの「名言集」あるいは「箴言集」とはちょっと違って、
この本は妙に「詩」的な気がする。
宇野千代の上質な日本語のせいか。

よく読むと宇野千代はニヒリスト、
あるいはペシミストとも言えるのでは。
だから他人を励ますことができる。
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2014年01月18日

『ラスト・セッション』

ブラインド・ウィリー・マクテル。
BMGビクター。

ウィリー・マクテルの濃いブルースを望む方には、
このアルバムはちょっと物足りないのかもしれないが、
ここでも超絶的にうまい歌とギターには病み付きになる。
彼の歌ごころたるや只事ではない。
このアルバムの少しポップなところも、
むしろ円熟味が感じられて私は好き。
ボーナストラックの2曲はわりと濃い。
これらはこれらで心ふるえる。
posted by ドッチツカズオ at 00:05| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月10日

『クリスマス・イン・ザ・ハート』

ボブ・ディラン。
ソニー。

ジャケットなどを含めて、
ふざけているとしか思えない。
全体的に判断すると、
作為的なジョークのような気もするが、
たぶんディランは本気だろう、
と考えても差支えない。
基本的に彼は何も考えていないようにも思う。
ただ歌を歌うのが好きなだけ。
そこがディランの偉大なところ。
皮肉ではない。
でもジャケット(?)内側の、
やる気のない若者たちの写真からすれば、
何かしらの意図はあるのかも。
私は笑った。
ディランに舌を出されている気もする。
posted by ドッチツカズオ at 13:35| 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『映像の世紀 全11巻 別巻1巻』

NHK制作。

毎年お正月に通して観る。
ありきたりの感想かとは思うが、
人類は20世紀と同じことを繰り返している、
あるいは繰り返そうとしているなと、
毎年つくづく感じる。
posted by ドッチツカズオ at 13:18| 映像 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月05日

『神曲【完全版】』

ダンテ・アリギエーリ著。
ギュスターヴ・ドレ画。
平川祐弘訳。

ダンテのいわば好き嫌いによる主観が読み取れ、
それが一種のからかいになっていて笑ってしまう。

仰々しく、
また「ツッコミどころ」も満載。
そこが『神曲』の祝祭的で楽しいところ。
もちろん皮肉ではない。
posted by ドッチツカズオ at 17:40| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『眼球譚〔初稿〕』

オーシュ卿(ジョルジュ・バタイユ)著。
生田耕作訳。
河出文庫。

この「祝祭」のエネルギーたるや凄まじい。
読む者をぐいぐい引っ張っていく。
汲めども尽きず。

比較的短い「第二部 暗合」は、
一種の「評伝」で、
これがまた素晴らしく、
思いつくままに例を挙げると、
池内紀『カフカの書き方』、
江川卓『ドストエフスキー』、
丸谷才一『闊歩する漱石』、
入沢康夫『「ヒドリ」か、「ヒデリ」か』、
などを読んでいるような気分になる。

付録のような「『眼球譚』続篇腹案」もいい。

訳文も素敵。
posted by ドッチツカズオ at 17:17| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『正しい保健体育U 結婚編』

みうらじゅん著。
イースト・プレス。

笑った。

礼を失することになるが、
「屈葬」の写真を見て、
こんなに笑ったのは初めて。
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『「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい』

森達也著。
ダイヤモンド社。

巻を措く能わず。
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『クラウド 増殖する悪意』

森達也著。
dZERO。

巻を措く能わず。
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2013年12月23日

『ニュースの天才』

ビリー・レイ監督。
ハピネット。

ボードレールの詩を連想するほど、
主人公の「弱さ」に胸を刺されるよう。

ボブ・ディランが、
映画『ドント・ルック・バック』の中で、

 新聞記事は嘘ばかりだ。
 写真の組み合わせ次第で真実に迫れるのに。
 例えば嘔吐する労働者を尻目に、
 大富豪がすたすたと歩き去っていく写真。

というようなことを話していた記憶がある。
事実と真実の関係。

この映画の人間模様、
ことに四面楚歌の編集長、
チャック・レーンの描き方が素敵。
posted by ドッチツカズオ at 20:28| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ブレイク詩集』

ウィリアム・ブレイク著。
寿岳文章訳。
岩波文庫。

この翻訳、
ひょっとしたら、
ブレイクの書いたものより、
よくなっているのでは、
とさえ思われる。
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『中曽根康弘が語る戦後日本外交』

中曽根康弘著。
新潮社。

賛否はともかく、
面白さは抜群。
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『Dr.スランプ 全18巻』

鳥山明著。
集英社(ジャンプ・コミックス)。

久しぶりに第一巻から読み始めると、
倦むことなく一気に最終巻まで読んでしまった。
『トリストラム・シャンディ』や、
『ユリシーズ』や、
『吾輩は猫である』や、
林家三平(初代)の落語のよう。
インプロビゼーション的なところも、
作者がちょくちょく顔を出すところも素敵。
どんな挿話などがあっても、
「ペンギン村」という世界は、
微動だにしないのがすごい。
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2013年12月01日

『刺青 籾山書店版』

谷崎潤一郎著。
ほるぷ出版(新選名著復刻全集近代文学館)。

谷崎の若書きっぷりも、
このタイプの版型も好き。
谷崎は歴史的仮名遣いのほうが、
読んでいて気持ちがいい。
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2013年11月24日

『笑う英会話』『笑う英会話2』

草下シンヤ/北園大園編。
彩図社。

言葉の廃物利用、
言葉に磨きをかけるとは、
こういうことをいうか。
詩的。
笑った。
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2013年11月22日

『素数の音楽』

マーカス・デュ・ソートイ著。
冨永星訳。
新潮クレスト・ブックス。

訳文の日本語が上質で、
読んでいて気持ちがよい。
素数そのものの魅力もさることながら、
真理に近づこうとするスリルを、
自分のことのように体感できて、
表紙の紹介文にあるように、
たしかに読み始めるとやめられなくなる。
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2013年10月20日

『ムンクの叫び』

葉山陽一郎監督。
ベンテンエンタテインメント。

自分でもなぜかわからないが連続で二回観てしまった。
「B級映画」の雰囲気は濃いし(嫌いではないけれど)、
決して快い映画ではないはずなのに妙に清々しい。
『明鏡国語辞典』で「業(ごう)」を引くと、
「A理性ではどうすることもできない心の働き」とある。
この映画にはやや定型ともいえる「業」がいくつも描かれているから、
観ている側に諦念の安心感のようなものが生じるのかも。
「業」が笑いにさえなっている気もする。
江川卓著『ドストエフスキー』を再読しているところなので、
感化されてそんな観方をしてしまったとも思う。
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2013年10月13日

『旦那さんはアスペルガー』

野波ツナ著。
宮尾益知監修。
コスミック。

この手の本はすぐに読み切れるので、
たとえば「アスペルガー」について、
ざっくり頭の中を整理(リセット)するのにも便利。
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『Hard Rain』

ボブ・ディラン。
ソニー・レコーズ。

「Shelter From The Storm」には、
「焼け石に水」の中で水をかけ続けるような快感がある。
完璧主義ではない。
いわば「投げやり」な歌い方が心地よい。
ぶちまけるようなサウンドと繊細な歌詩とのギャップもいい。
このヴァージョンの評価に賛否があるところも。
心の工夫が必要だろうなという時ふと、
この歌のこのヴァージョンを思い出す。
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『すりへらない心をつくるシンプルな習慣』

心屋仁之助著。
朝日新書。

書店の平台で最近よく、
この方の著作を見かけるので読んでみた。
この本は『スッタニパータ』みたい。
芥川龍之介、太宰治、
川端康成、ヘミングウェイなどの方々が、
もしこの本を読んだらどう感じただろう。
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2013年10月06日

『猫と悪魔』

ジェイムズ・ジョイス著。
丸谷才一訳。
ジェラルド・ローズ画。
小学館。

背表紙に「歴史的假名づかひの絵本」と書いてある。
どこを切ってもジョイス。
どこを切っても丸谷才一。
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『別れの挨拶』

丸谷才一著。
集英社。

私は芥川龍之介の小説が好きだが、
「完璧なマイナー・ポエット」は、
芥川を「日本文学史」から救う名論では。

丸谷才一の「私小説」批判は有名だが、
「私小説」こそが(だけが)文学である、
という風潮を批判していただけのようにも思う。
「私小説」といわれる小説の中にも、
創造性豊かな面白い小説はある気がする。
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『マルホランド・ドライブ』

デイヴィッド・リンチ監督。
ポニーキャニオン。

安部公房『笑う月』に、

 白昼の意識は、
 しばしば夢の論理以上に、
 独断と偏見にみちている。

とある。
夢うつつ(「うつつ」も大事)の気分で観よう、
と意識しながら観て、
この映画より面白い映画は、
ないのではないかと思う。
posted by ドッチツカズオ at 12:32| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年10月01日

『内なる辺境』

安部公房著。
中央公論社。

「ミリタリィ・ルック」に、
ビートルズのことが出てくる。
安部はさらりと書いているが、
当時こんなふうにビートルズを見ていた人は、
あまりいなかったのでは。

エッセイ集だけれど、
読む側の感覚では、
安部の小説を読むのと、
ほとんど変わりがない気がする。

NHKで放送された番組「あの人に会いたい」に、
安部公房へのインタビューの映像があった。
試しにそれを文字に起こして、
一部を引用すると、


 ぼくはね、実はね、その、テーマを考えながら書くんじゃないんですよ。
 みんなそう思うらしくてね「テーマは、テーマは」って言うんだけど、
 テーマというのは、あとでね、この、作中人物と、ぼくがね、
 共同で考え出すんだよ、テーマっていうのは。
 だから作中人物がテーマを思いつくまでね、
 ぼくは待たなきゃいけないわけね。
 視点を変えるとね、分かりきったものが迷路に変わるだけですよ。
 例えば、ぼく昔なんかに書いたことあるんだけどね、
 あの、犬ね、犬っていうのは、
 ほら、目線が低いでしょ、匂いが利くでしょ。
 だから、匂いでもって、匂いの濃淡で、
 記憶や何か全部形成しているわけでしょ。
 犬のね、感覚で地図を仮に作ったら、これ、すごく変な地図になるでしょ。
 体験レベルでもって、ちょっと視点を変えればね、
 我々がどこに置かれているかという認識が、ぱっと変わっちゃいますよね。
 その認識を変えることでね、もっと深く、この状況をさ、見るということ。
 だから、ぼくはね、結局、文学作品というのは、一つのもの、
 生きているものというか世界、 極端にいえば世界ですね、
 小さいなりに生きている世界というものを作って、
 それを提供すると。
 そういう作業だと思っていますけどね。
 だから、お説教やさ、論ずるっていうことはね、
 小説において、あんまり必要ないと思いますね。
 いわゆる人生の教訓を書くなんていうことはね、
 ま、論文とかね、エッセイに任せればいいことで、
 小説っていうのは、それ以前の、
 意味にまだ到達しない、ある実態を提供すると。
 で、そこで読者は、体験、
 それを体験するというもんじゃないかと思うんだな。

 (インタビュアー)
 それを割合、その、わたくしなんかは、意味を読んでいってしまう。
 と、やはり迷路に入るってことなんでしょうか。

 いや、迷路でいいんです、迷路というふうに自分がそれを体験すれば、
 迷路なんです、それでいいんです。
 終局的に、意味に到達するっていうことは、ちょっと間違いですね。
 これは、日本の、やっぱり国語教育の欠陥だと思う。
 だから、ぼくのものも、なんか、なぜか教科書に出ているんですよ。
 で、こう、見ていったら「大意を述べよ」って書いてある。
 あれ、僕だって答えられませんね。
 そんな、一言でね、大意が述べられるくらいだったら書かないですよ。
 あの、それこそ最初から、ぼくは大意書いちゃいますよ。
 「人生というものは、ね、
 赤い色をしていて、中にちょっと緑が入っている」と、
 例えば、それが大意だとしますね、 そしたら、
 そういうふうに書いちゃいますよ、最初から。
 よくね、まあ、あるよ、あの、ほら、あの、温泉なんかの地図、地図さ、
 案内図っていうんですか、こう、山、描いてさ、道路、描いてさ、
 こう、驢馬がいて、花が咲いて、ね、あるじゃない、ああいうもんだよね。
 いや、もともとの小説がそういうもんならね、
 そりゃいいですよ、あの、解説で。
 だけどね、あの、実際の、例えば、地図っていうものはね、
 そんな簡単に見て、ちょっと見ても分かりませんけどね、
 見れば見るほど、際限なく読みつくせるでしょ。
 一番いいのは、まあ、航空写真とか、そういうものでしょうね。
 無限の情報が含まれている。
 その無限の情報が含まれていないと、ぼくは作品といえないと思いますよ。
 ま、無限の情報ですよ、人間なんて、考えてみたら。
 そういうふうに人間を見るということね。
 見なきゃいけないし、見えるんだよということを、
 作者は書かなきゃいけない、読者に伝えなきゃいけない。


…妙に、
生きることを励まされる。
posted by ドッチツカズオ at 21:07| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月29日

『哲学探究』

ルードヴィヒ・ヴィトゲンシュタイン著。
丘沢静也訳。
岩波書店。

この本の面白さは只事ではない。
高橋源一郎『さようなら、ギャングたち』や、
谷川俊太郎『定義』などを読んでいるような感覚。
頭の凝りがほぐれる。
やや冗長な感じもいい。
本気なのかジョークなのか分からないところがあり、
立川談志の言う「イリュージョン」って、
こんな感じのことなのかしらとも思った。
笑った。

当たり前のことながら、
文法的な分析は、
文脈によって規定される。
posted by ドッチツカズオ at 14:33| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『アイズ ワイド シャット』

スタンリー・キューブリック監督。
ワーナー・ホーム・ビデオ。

カラーになってからのキューブリック作品は面白くない、
と大島渚監督が言っていたらしいと聞いたことがある。
非常に説得力がある批評だけれども、
『アイズ…』はやや長い映画なのに、
最後まで倦むことなく観られる。
posted by ドッチツカズオ at 14:25| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『宅間守 精神鑑定書』

岡江晃著。
亜紀書房。

この本、
すごい…。
posted by ドッチツカズオ at 14:19| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月16日

『ああ面白かったと言って死にたい』

佐藤愛子著。
海亀社。

いわゆる「箴言集」に合う作家と、
そうでない方がいらっしゃると思うが、
佐藤氏は明らかに前者。

 思う通りに運ばれる人生なんて、
 退屈以外の何ものでもない。

通俗的に見えなくもないが、
意外と前衛的。
posted by ドッチツカズオ at 10:42| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『スウィート・メモリーズ』

ナタリー・キンシー・ワーノック著。
金原瑞人訳/ささめやゆき画。
金の星社。

訳文が良質で気持ちよく読めた。
物語は底辺に憂鬱が基調となっているので、
明るいベタな部分も陰影が楽しめた。
posted by ドッチツカズオ at 10:22| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『ボクの彼女は発達障害 障害者カップルのドタバタ日記』

くらげ著。
寺島ヒロ漫画/梅永雄二監修。
学研。

読んでいると楽しくなってくる。
あっという間に読み終えてしまった。
たまたま同時に読んでいた、
中村うさぎ・佐藤優著『聖書を読む』に、
「合理」「不合理」について論じた部分があり、
頭の中で妙に『ボクの…』とリンクしてしまった。
posted by ドッチツカズオ at 09:39| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月08日

『深呼吸の必要』

長田弘著。
晶文社。

丸谷才一『山といへば川』に、
『深呼吸の必要』の書評がある。

 一読して明らかなやうに、
 ここには現代日本の詩に対する勇敢な抵抗、
 度胸を決めた反逆がある。
 読んですらすら意味が通じるからだ。

…目から鱗が落ちた。
でも読んでいて快楽を感じるのは、
かすかに意味の通らない部分。

最近なぜか散文詩に惹かれる。
萩原朔太郎、ボードレール、
田村隆一、『夜のガスパール』、
谷川俊太郎『定義』など。
ただ「散文」と「散文詩」の境界はわからない。

このごろ寝しなに読んでいる、
鈴木日出男『伊勢物語評解』も、
評釈の文章自体が読んでいて心地よい。
posted by ドッチツカズオ at 11:27| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月02日

『リルケ詩集』

ライナー・マリア・リルケ著。
富士川英郎訳。
新潮文庫。

歌ごころのある富士川訳が好き。
リルケの有名な著作のいくつかを、
何度か読もうとしていつも挫折していた。
リルケは私に合わないのだと思っていたけれど、
富士川訳を読んでそうでもないと感じた。
そんなわけで、
リルケはほとんど読んでいないが、
この詩集は大好き。
訳者の編集も潔く大胆らしい。
posted by ドッチツカズオ at 22:29| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月28日

『ギリシア神話』

石井桃子編訳。
富山妙子画。
のら書店。

訳文が好き。
「パンドラ」に、

 なによりもよいことに、「希望」は、
 年をとって老いこんでいく人びとに、
 また、いつか若さがもどってくる日がくると、
 ささやいてくれるのでした。

とある。
悪魔的なものを感じないだろうか。
よく読むと随所にこういうところがある。
ドストエフスキーやカフカのような笑い。
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2013年07月21日

『次の2つから生きたい人生を選びなさい』

タル・ベン・シャハー著。
成瀬まゆみ訳。
大和書房。

別にブッダについて書かれた本ではないが、
極めてブッダ的な本だと感じた。
学校教育法に対しての、
学校教育法施行規則のような。
わかりづらいか。
もちろん狭い意味での宗教色はほぼない。
誰でもわかる生活上の心構えが書かれている。
つまりはブッダが宗教的ではない、
ということだと私は思った。
この本と『スッタニパータ』との差異は、
ほとんどないのではないか、
とさえ感じられる。
posted by ドッチツカズオ at 20:21| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『児童文学論』

リリアン・H・スミス著。
石井桃子/瀬田貞二/渡辺茂男訳。
岩波書店。

ニュートラルな文学論に思えるけれど、
1953年当時は先鋭的だったのかしら。
「お説教」を否定しているのが気持ち良かった。
文体への執着にも共感した。

訳文も私は好き。

丸谷才一のジョイス論、
「空を飛ぶのは血筋のせいさ」や、
「巨大な砂時計のくびれの箇所」を思い出した。
丸谷才一が石川淳への弔辞の中で、

 あなたの作品はみな、
 矮小な眞実など求めようとせず、
 いつそ花やかに景気をつけて、
 生きることを励ましてゐる。

と述べていて、
これは英文学的な見方だったのだなと、
『児童文学論』を読みながら、
あらためて思った。

あれだけタチの悪い『坊っちやん』が、
なぜ「児童文学」にもなっているのか、
ちょっとわかった気がした。
丸谷才一著『闊歩する漱石』ともつながって。
posted by ドッチツカズオ at 15:18| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月07日

『あなたはなぜ「嫌悪感」をいだくのか』

レイチェル・ハーツ著。
綾部早穂監修。
安納令奈訳。
原書房。

この本は学術書として読まない方がいい気がする。
あ、そもそも学術書ではないのか。
著者の主観を見物する楽しさがある。
論文ではなく小説として読むとやたらに面白い。
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2013年06月25日

『釈尊の生涯』

中村元著。
平凡社ライブラリー。

巻末の玄侑宗久氏の「解説」に、

 『釈尊の生涯』において先生が取り出されたゴータマ・ブッダの材料は、
 とりもなおさず中村元という生身の人間を構成する材料になるのである。

とある。
私は中村元ファンだが、
中村元批判として、
この指摘は鋭い気がする。
posted by ドッチツカズオ at 22:19| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『パスカル パンセ抄』

ブレーズ・パスカル著。
鹿島茂編著。
飛鳥新社。

鹿島氏の『「レ・ミゼラブル」百六景』も、
「抄もの」としてとても面白かったけれど、
この『パンセ抄』も大胆な取捨で、
むしろ鹿島氏のセンスが伝わり、
楽しく読めた。
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『未解決事件 オウム真理教秘録』

NHKスペシャル取材班編著。
文藝春秋。

凄まじい。
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2013年06月21日

『憲法九条の軍事戦略』

松竹伸幸著。
平凡社新書。

このように考えている方、
結構いる気がする。
興味深かった。
帯によれば、
こういう本は、
あまり出ていないらしいけれど。
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『旧約聖書 ヨブ記』

関根正雄訳。
岩波文庫。

よい意味で「なんだこれは」という本だった。
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『障害児の力を引き出す87のツボ』

小川隆雄著。
日本文化科学社。

数年前に買った本だが、
最近読み直して、
すげえ本だと思った。
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『ヒミズ 全4巻』

古谷実著。
講談社。

ドストエフスキーの『地下室の手記』を、
本当の意味で漫画化するとこうなるのでは。
と『ヒミズ』を読んでいる時ふと思った。
タチの悪い笑い。
興味深くて一気に読んでしまったが、
もう一度じっくり読み返したい。
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2013年05月12日

『オズの魔法使い』

ライマン・フランク・ボーム著。
河野万里子訳。
新潮文庫。

訳文の日本語が上質で、
読んでいて気持ちがいい。
上手い日本語を見物する楽しみがある本。

物語る文章の随所に、
序文(「はじめに」)の言葉とは裏腹のダークさが。
序文はフェイクかもと思った。
ドストエフスキーのように。
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『大病人』

伊丹十三監督。
ジェネオンエンタテインメント。

寛容な気分になる。

自転車の若い女性を眺める、
向井(三國連太郎)が美しい。

エンドロールも素敵。
映画『蜘蛛巣城』をふと連想したが。
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『おとなのけんか』

ロマン・ポランスキー監督。
ソニー・ピクチャーズ・エンターテインメント。

この映画に「スーダラ節」と同じ「真理」を感じた。
救われつつ笑った。

前にも似たようなことを書いた気がするが、
ロマン・ポランスキー監督のからかい方が、
タチ悪くて好き。
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2013年04月29日

『ブッダのことば スッタニパータ』

中村元訳。
ワイド版岩波文庫。

「註」にあるスッタニパータに対する注釈書などからの引用を読むとむしろ、
「ブッダの言葉」をのちの人々が難しく解釈しすぎているのではと感じる。
中村元著『原始仏教 その思想と生活』を読んだ後に、
この『ブッダのことば スッタニパータ』を読むと、
自分の頭がよくなったのかと勘違いするくらい易しい本に思われる。
実際は中村の頭がよいだけなんだけれども。

 世人は歓喜に束縛されている。
 思わくが世人をあれこれ行動させるものである。
 妄執を断ずることによって安らぎがあると言われる。(1109)

「妄執」は「渇愛」と訳されることもあるようだが、
上のように意識するかしないかだけでも、
人によっては大きく人生が変わるんじゃないか。
「妄執」あるいは「渇愛」という言葉は、
かなり広い意味に解釈ができる。

あと「解説」にある、

 『スッタニパータ』の中では
 ストゥーパ(聖者埋葬の塚。塔と訳される)の崇拝
 あるいはチャティヤ(塔院。祀堂)崇拝に言及していない。
 恐らくストゥーパやチャティヤの崇拝が
 一般にひろがる前の段階を示しているのであろう。

という中村の指摘に目から鱗が落ちたものだった。
posted by ドッチツカズオ at 11:42| | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『原始仏教 その思想と生活』

中村元著。
NHKブックス。

この本を読むと、
ブッダは一人の心理カウンセラーにすぎない、
ということが確認できる。
ブッダは「無宗教」だったと言っても、
言い過ぎではない気がする。
もちろんこのことは、
ブッダを貶めることにはならない。
むしろ素敵。
巷にあふれる「自己啓発本」や、
心理カウンセリングの本を百冊読むより、
この本一冊を読むほうがいいんじゃないかしら。
宗教家でない方の書いた、
この本自体が「仏典」のようで、
面白い上に日常生活の役に立つ。
「四 苦しみと無常」から、
「八 不安と孤独」までの章は、
圧巻だけれども、
もちろんその他の章も、
この本に必要不可欠と感じられる。
人間社会の縮図のようで。

 葬儀や年忌を原始仏教では行なわなかったのである。

…なんてところは痛快。
それから、

 原始仏教聖典のうちの説明的叙述を見ると、 
 「我および世界は常住であるか(すなわち時間的に局限されていないか)、
 あるいは常住ならざるものであるか(すなわち時間的に局限されているか)。
 我および世界は(空間的に)有限であるか、
 あるいは(空間的に)無限であるか。
 身体と霊魂は一つであるか、
 あるいは別の物であるか。
 人格完成者は死後に生存するか、
 あるいは生存しないか。」
 という質問を発せられたとき、
 釈尊は答えなかったという。

…こういうのを理性というのだろうなと思った。
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2013年04月14日

『パスト・マスターズ vol.1&2』

ザ・ビートルズ。
EMIミュージックジャパン。

「Hey Jude」の詩は荒削りで、
ありきたりな表現が多いような感じもするが、
意外に(?)繊細で「詩」と「哲学」がつまっていて、
例えばショーペンハウアー(ショーペンハウエル)の書いていることを、
一つの詩にすれば「Hey Jude」になる気がする。
乱暴か。
賛否の分かれる(たぶん否のほうが多い)後半のリフレインも、
前衛的といえば前衛的で私は嫌いではない。
「Hey Jude」は「Nowhere Man」とともに、
私にとっては実践哲学的な歌。

ビートルズの「最後の曲」は、
「The End」(あるいは「Her Majesty」)か、
「You Know My Name」かになると思うが、
私は「You Know My Name」説が好き。
これでもかというくらい徹底的で、
ビートルズらしい「最後の曲」だと思うので。
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2013年03月11日

『MOOK21 20世紀の映画』

BSfan編。
共同通信社。

2001年1月1日発行。
この本を拾い読みしていると、
数時間はあっという間。
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『飛ぶ男』

安部公房著。
新潮社。

未完の表題作も「さまざまな父」も、
『方舟さくら丸』や『カンガルー・ノート』に比べて、
無名性(名前の有無だけの意味ではなく)が低い気がする。
安部公房の小説にしては、
登場人物が「血も涙もある人間」に思える。
そこがまた魅力的で愛読している。

おそらく文学史上最も無名性の高い小説『箱男』は、
高校時代に読んで大きな衝撃を受けた。
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『海の上のピアニスト』

ジュゼッペ・トルナトーレ監督。
JVCエンタテインメント。

「人生は無限だ」というセリフ。
田村隆一『ぼくの人生案内』にある、
「『自由』という見えない鉄の格子」
という言葉を思い出した。

船窓の向こうに見え隠れする、
可憐な少女を思いながら、
船の中で主人公がピアノを弾いている場面は、
映画史上最も美しいピアノ演奏シーンでは。
posted by ドッチツカズオ at 21:11| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月27日

『Another Side Of Bob Dylan』

ボブ・ディラン。
ソニー・ミュジック・エンタテインメント。

天才。
飽きない。
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『俳句小歳時記』

水原秋櫻子編。
大泉書店。

全体に執筆者たちの説明が面白く、
通読できる。
posted by ドッチツカズオ at 21:47| |